編集部2021年11月2日

トラウト用ベイトロッドを考える 前編

イワナ ニジマス 釣りの仕掛け集 PICKUP タックル アメマス NorthAnglers

軽いルアーを比較的簡単にキャストできるベイトフィネス用リールが続々登場している昨今、重さ1桁台(10g未満)のルアーを使うことが多い渓流でも飛躍的にベイト人口が増えたのは周知のとおり。いざやってみると「コレはいい♪ もっと早くやっておけばよかった」と大絶賛する声がある一方、「投げづらい……全然軽いルアーが投げられない。騙された」という声も聞かれる。

渓流におけるベイトフィネスとは

写真・文=佐々木大

 トラウトの世界においてもベイトタックルの愛用者が増えているが、自分のスタイルにマッチする一本を求めるなら専用にこだわらず、視野を広げるのもよいだろう。

 

渓流におけるベイトフィネスとは

 本来“フィネス”の釣りは、主にブラックバスにおいて軽量ルアーと細いラインの組み合わせによるスピニングタックルを指していた。その後、同じように繊細な釣りをベイトタックルで行なう“ベイトフィネス”が誕生し現在にいたる。
 
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20mほど沖めでライズしていたと思われるアメマス。スライド系スプーンでヒットしたが、ルアーの引き抵抗が変わった直後にガツンと食ってきた

 軽いルアーを比較的簡単にキャストできるベイトフィネス用リールが続々登場している昨今、重さ1桁台(10g未満)のルアーを使うことが多い渓流でも飛躍的にベイト人口が増えたのは周知のとおり。いざやってみると「コレはいい♪ もっと早くやっておけばよかった」と大絶賛する声がある一方、「投げづらい……全然軽いルアーが投げられない。騙された」という声も聞かれる。
 
 20年ほど前から私はベイトタックルでトラウトをねらっている。当時はイトウやアメマスなどの大型トラウトを追いかけていたこともあり、16ポンド前後のナイロンラインを巻いてガチガチのロッドを使っていた。周りにベイトタックルの愛用者は少なく、私はまともに投げられずライントラブルが多発。現場でラインを巻き変えることもあり、替えスプールを購入してトラブルに備えたものだ。まともに釣りになるまで半年くらいかかったが、トラブルのメカニズムを自分なりに分析できる有意義なシーズンでもあった。

 ある程度投げられるようになると、今度は軽いルアーを使いたくなった。しかし、ベイトフィネス用リールはない時代。そこで、ブラックバスのトップウオーター用など比較的柔らかいロッドを相棒に、2g前後のルアーを無理矢理投げていた。投げづらいとはいえ投げられないわけではなく、とりあえず魚も釣れた。そうして渓流でもベイトタックルを使うように。釣り場でアングラーとスレ違うと「アイツ、ベイトだよ」と珍しがられた。当時は軽いルアーまたはトラウトでベイトタックルを使うことに違和感があったのか、釣り業界の諸先輩方からも「軽いルアーはベイトで投げるもんじゃない」「メリットが何もない」などとよく指摘された。それでも上手くいかないのが何とも面白かった。

 あれから十数年、軽いルアーをベイトタックルで投げたいと思う方が日本全国に大勢いらっしゃる。ベイトフィネスというジャンルが生まれたことを私はうれしく思う。

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50cmオーバーのイトウ。アメマスより難なくランディングできた。ガチガチのロッドより、曲がるロッドでやり取りしたほうが取りやすいと感じるのは私だけ?

トラウト専用モデル以外から探してみた

 現在、軽いルアーを投げやすいベイトロッドは一昔前に比べるとたくさんある。ねらう魚種が定まっていても、専用タックルが必ずしも個々のスタイルにマッチするとはかぎらない。最近の渓流用ベイトロッドはヘビーシンキングミノーの使用を前提に開発されているせいか、比較的硬めのアクションが目立つ。遠投を視野に入れた7フィート以上のロッドだと、軽いルアーが投げづらかったりするなど汎用性の高いロッドは多くない。さらにトラウト用ベイトロッドは他魚種のそれと比較してまだ種類が少なく値も張る。リールとロッドを買うと10万円を超えることも……。

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ウグイを釣って面白いと感じられる8フィートのトラウト用ベイトロッドは多くない。この魚は型がよかったが、ウグイの爆釣タイムを楽しく過ごせた

 私のように軽いルアーから重いルアーまで投げたい欲張りな人間は特に厄介だ。メーカーのカタログやネットで「このタックルなら2gは余裕」などの謳い文句を目にするが、2gはスピニングタックルでも投げやすいウエイトではない。やはり投げやすいと感じるのは5g前後からだろう。

 職業柄、展示会やフィッシングショーなどで、普段釣具店ではお目にかかれない商品を手にとる機会がある。その中で私が気になったのが、ヤマガブランクスの『ブルーカレント』だった。1g前後のルアーを用いるメバルやアジをねらうために開発されたロッド。一昔前まではスピニングタックルが主流だったが、ベイトフィネス用リールの進化を受け、アジやメバル用のベイトロッドも増えている。

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渓流では『53/B』を使い、50cmオーバーのニジマスを数尾ランディング。スピードとパワーのある魚に対しても余裕をもって対処することができた

 その軽さとしなやかさ、そして適度な張りはトラウトにマッチすると思った。5.3、6.9、8.2フィートとベイトタイプは3機種ある。トラウトねらいのフィールドでも問題ないラインナップ。今シーズンはこの3機種を手に、さまざまなフィールドを釣り歩いた。率直な感想を次から紹介したい。

後編ではトラウト用ベイトロッドとしての「ブルーカレント」シリーズを分析!

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