どんな釣りにも欠かせない偏光グラス。その中でメガネに取り付ける「クリップオンタイプ」は、どちらかといえば地味な存在だ。しかし、自分の中ではここに来て注目度が急上昇。アラフィフには避けて通れないあの目の問題も解決してくれると期待している。
TALEX「クリップオン」サングラス CLP03
文◎八木健介
どんな釣りにも欠かせない偏光グラス。その中でメガネに取り付ける「クリップオンタイプ」は、どちらかといえば地味な存在だ。しかし、自分の中ではここに来て注目度が急上昇。アラフィフには避けて通れないあの目の問題も解決してくれると期待している。
筆者プロフィール
八木健介/フライフィッシングを覚えたくて2001年に入社。15年ほどフライ一筋のあと、タナゴ、アユ、メジナ、船など他の釣りも始めて現在に至る。ただいまアラフィフの48歳。釣り歴:フライフィッシング(20年くらい)、その他の釣り(8年くらい)
ついにやってきた加齢の友
最近、クリップオンタイプの偏光サングラスを購入した。メガネの上にクリップで留めておき、不要な時には跳ね上げておき、必要な時には下ろせば偏光レンズの機能を得られるというアイウェアだ。
自分は昔から目が悪い。中学に入って初めてメガネをかけた時には、見上げた夜空に「本当に北斗七星がある!」と知って驚いた。裸眼視力は左右ともに0.03は優に切っており、近視、乱視、どちらもあって、コンタクトレンズも高校生から使用している。
そんな中で、釣りをする時は「コンタクトレンズ」と「普通の偏光サングラス」の組み合わせに長く落ち着いていた。メリットはなんといっても、偏光サングラスの選択が自由にできること。度付きレンズなどを考え始めると価格も高くなるし、余計なことを気にせずにデザインもレンズも好きなものを選べる。個人的にはこれが最適解と思ってきた。
ところが、その状況が変わってきた。ひとつの理由は老眼だ。数年前、渓流釣り(フライフィッシング)に出かけ、毛バリを結ぼうとした時、小さな毛バリにイトを通そうと目の前に持ってくるピントが合わないことに気がついた。かといってピントが合うところまで遠ざけても、小さな穴がやっぱり見えない。「これじゃ毛バリが結べないじゃないか……」とがくぜん。40代に入ると始まるといわれてはいた、やっかいな加齢の友がついに来たことを自覚した。
老眼鏡以外の手はないのか?
フライフィッシャーが老眼になると、一般的には老眼鏡(シニアグラス、ルーペなど呼び方はいろいろだけれども)で対応する。ただ、偏光サングラスにくわえて、さらにもう1アイテム似たような「メガネ系」を持ち歩くというのがどうも納得いかない。何より、毛バリを結ぶたびに、毎度どちらかを付け、どちらかを外すといった手間がかかるのが面倒だ。「何かスマートな解決策はないのか?」と思案するようになった。
そのうち気づいたのは、コンタクトレンズを装着しているとどうしようもないのだが、自分の場合、メガネなら矯正の度合いをコンタクトよりも弱くしていることもあって、比較的近くでもピントが合いやすいこと。なおかつメガネなら、その場で外せば元は近視なので、目の前のものにはひとまずピントが合う、ということだった。そこで思い当たったのが、ホームセンターや釣具店でたまに見かける、ポリカーボネート製のお手軽な偏光レンズ(クリップオンタイプ)をメガネに装着するというものだ。
やってみると老眼対策としては、まぁ悪くない。もし老眼が進んだ場合は、最近は遠近両用メガネなどもあるし、メガネのほうを変えることで対応できそうだ。また、久しぶりにコンタクトをあきらめてみると、目にちょっとしたゴミが入っただけでも痛くて釣りにならないとか、万一の紛失に備えて予備を持っておかなければいけないとか、これまでコンタクトをすることで抱えていた、さまざまな心配・不便が、メガネにすることで解消できるメリットも大きいと感じるようになった。
肝心の偏光性能をどうする?
とはいえ、次の問題は、これまで使っていた偏光サングラスに比べて、間に合わせのお手軽クリップオンレンズでは、肝心の釣りに関して、満足いくような性能は望むべくもないということ。釣りのアイウェアには、気分を上げてくれるという要素もやっぱりあるし、その点で妥協しているというザンネン感は否めなかった。
そんな中、普通の偏光サングラス時代から愛用していたTALEXレンズから出ていたのが、このクリップオンタイプ。値段はお手軽品からほぼ10倍のアップになるのだが、レンズに触らずにフリップアップするための小さなタブが付いているなど、レンズ以外の部分にもこだわりがある。そして偏光レンズは、トゥルービュー、アクションコパー、イーズグリーンなど、釣りで人気の同社純正品がそのまま選べる。
しばらく気になっていて、年末にようやく正規販売店の1つで実物を試す時間がとれた。軽さや自分の持っているメガネへのフィット感も問題なく、何より偏光レンズは以前から信頼していた同社のそれ。不要な時に跳ね上げておく角度もカチカチッと数段階で調整でき、おしゃれでコンパクトなケースも付いて、モノとしてもいい感じだ。
ちなみにクリップオンタイプの偏光サングラスについて、メガネが前側に重くなるのが気になるという意見を目にすることがあるが、自分はアウトドア用に販売されているメガネ用ストラップを付けることで、前と後ろの重量バランスがよくなり、気にならなくなると感じている。参考になりそうな人がいれば、ぜひ一度お試しいただきたい。
というわけで、肝心の実戦投入は新しい年に持ち越しとなりそうなのだが、このアイテムには大いに期待している。
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