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編集部2019年6月15日

アユ釣り/今さら聞けない要点を解説! 足取りとサオさばき篇

アユ 魚種別釣りガイド

いよいよ開幕したアユ釣りシーズン。 友釣りの超基礎項目からレベルアップ項目までを一気におさらい。今回は釣り場での実際のテクニックを解説。

おすすめ時期:6~11月(解禁期間要確認)

つり人編集部=写真と文


いよいよ開幕したアユ釣りシーズン。 友釣りの超基礎項目からレベルアップ項目までを一気におさらい。今回は釣り場での実際のテクニックを解説。 otori-banner

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上下に探るか、前に出るか


足取り
 次にポイントを探る足取りの話である。変化の分かりやすい支流や上流部ならポイントをとらえやすいが、底石の小さなフラットな流れや中流域の茫洋とした釣り場を探る場合はどのような足取りが効率がよいのだろう。名手の意見でよく聞かれるのが、反応のない時は前に出て、反応がある筋を見つけたら上下に動く。

 さらに細かくポイントを探っていく場合、筋のひとつ、石、ヨレをさらに細かく探っていく。上流もしくは下流に動きつつ、前後に動いてジグザグに釣る。

032-039kaikin-osarai_cs6 (4)
032-039kaikin-osarai_cs6 (20) 変化に富んだ大石底の川は足をまめに動かして細かくポイントを探っていこう

サオ角度
 野アユを探る足取りと、サオとイトの角度には密接な関連がある。前に出ていく場合は立ち位置の下流45度くらいに下ザオでオトリを送り出し、ベタザオでオトリを馴染ませ穂先と流れが90度になるくらいまで引き上げる。この操作は水中イトが流れをはらんでオトリの横にフケが出る。オトリの頭は斜め沖を向いて、腹に水流を受ける格好になる。沖にオトリが払い出る、いわゆる「カニ横」、近年は「アウトライン釣法」とも呼ばれる探り方である。川底がフラットな小石底の河川で有効なアクションといわれ、沖に向って探る時に効率がよい。ただし下ザオ気味のサオ角度ほどオトリは浮きやすく、姿勢が不安定になる。オトリが川底に馴染まないと思ったら、オモリを積極的に活用したい。

032-039kaikin-osarai_cs6 (5) 032-039kaikin-osarai_cs6 (22) 2016年ダイワ鮎マスターズ30 周年記念大会を制した上田弘幸さんは鬼ベタザオで下ザオ気味にオトリを送り出し、強制的に横に出すアウトライン釣法が得意

 ねらいの筋からオトリを外さないで釣る場合は、サオとイトの角度は30~45度の鋭角にする。穂先、ライン、オトリを流れの筋に合わせるのがキモだ。「鋭角釣法」、「インライン釣法」とも呼ばれ、オトリを上流に引き上げる「引き釣り」のサオ角度である。

032-039kaikin-osarai_cs6 (6) 032-039kaikin-osarai_cs6 (21) 鋭角釣法、インライン釣法といえば小沢聡さん。サオとイトの角度は45 度が基本で穂先とラインとオトリが流れの筋と平行になるように合わせる


 泳がせ釣りはサオを立て、オトリに掛かるイトの抵抗を強くして泳がす。立ち位置よりも上流に泳がせる操作は「上飛ばし」といわれる。トロやチャラ瀬で好適である。

 このようにサオとイトの角度を変えるとオトリの動きは変わる。反応のある筋でイトを立て気味にするとオトリの動きが変わり、追ってくる野アユもいる。特に反応のある筋では多彩なオトリの動きを演出したい。

032-039kaikin-osarai_cs6 (23) 立てザオは泳がせ釣りの基本の構え

野アユを寝かさぬ、イトの張り加減


 オトリ操作に重要なのがイトの張り加減である。張りを強くすればオトリの弱りも早い。逆に緩めすぎてもオトリが自由に動きすぎるか、川底に休んでしまうケースもある。オトリは川底から10~20㎝ほど浮いている状態をイメージしてほしい。川底からある程度浮いて泳がないと、野アユが潜り込む隙間がなく、ハリ掛かりも悪いのだ。野アユのタナは川底10㎝上から石の頂点くらいまでで、大石底の河川ほどそのタナは広くなる。

 意識してほしいのが張らず緩めずの状態。いわゆる「ゼロオバセ」の張り加減だ。この張り加減は非常に感覚的なものだが、目安となるのが目印の動きと手先の感覚。ゼロオバセを釣果アップのキモと説く小澤剛さんの場合は、オトリの重みを感じたところがゼロオバセで、その感覚の周辺のテンションでオトリを操作する。目印の動きの目安としてはイトが緩んでいると目印が横にフワフワと動き、張りを強めると縦に振れるようになる。この振れ幅が大きくなるほど張りが強い。

 状況に応じたイトの張りの強弱調節は下の図を参照にしてほしい

032-039kaikin-osarai_cs6 (7) 032-039kaikin-osarai_cs6 (24) 小澤剛さんはゼロオバセを感じるために一度テンションを緩めてからオトリの重さを感じるまで張る。その重さを感じた周辺をゼロとし、野アユの反応や流れの強弱に応じてテンションを調整する

032-039kaikin-osarai_cs6 (25) 張り加減の目安となるのが目印の動き。流れの強弱によってゼロの感覚と目印の変化は変わる。小澤さんのイメージだとゼロオバセ時の目印はイトがピンと張っており、1~3㎝幅で縦に振れる

水中イトの修復


 現在主流の水中イトは複合メタルである。直線強力は高く長持ちするが、傷みやすいのは石擦れしやすい下部である。そこで傷んだであろう部位をカット(主に30㎝ほど)し、修復して使う。鳥取の名手、瀬田匤志さんが用意するのは市販の「メタルジョインター」。付けイトのジョイントパーツである。瀬田さんは釣りを終えてサオをたたむ前に修復作業を行なう。サオを伸ばした状態のほうが作業はしやすく、修復後に手尻の調整もしやすい。

 最後に釣り場での最低限のマナーについて。それは挨拶である。隣に入る時、川を切る時は必ず上下流の人に挨拶をする。大抵の人は挨拶をすれば快よく対応してくれるはずだ。

瀬田匤志さんの仕掛け修復
032-039kaikin-osarai_cs6 (26) 1日の釣りを終えたら、サオを畳む前に仕掛けを修復する瀬田さん

032-039kaikin-osarai_cs6 (28) 折り返した水中イトにジョインターを通す。通常はダブルになったラインより先に編み付け部をスライドさせて使用するが、瀬田さんの場合はラインがダブルになった部分に固定

032-039kaikin-osarai_cs6 (29) ジョインターの真ん中に瞬間接着剤を塗って固める


032-039kaikin-osarai_cs6 (30) 瀬田さんの場合はジョインターのひげをカット。編み付け部に中ハリスをチチワ直結する

032-039kaikin-osarai_cs6 (27) ダイワ「快適メタルジョインターⅡ」を使用



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