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好機におさらい! 乗っ込みクロダイ釣りのいろは :前編

ポイント選びは地形に注目!

時田眞吉◎写真と文
105-109_05-2 内房勝山にある舟藤堤防で手にした春のイブシ銀

サクラの開花、ジンチョウゲの香り、春を感じるキーワードはさまざまだが、華やかな花よりも釣り人なら魚で春を感じたい。メバルやウミタナゴなども春を告げる魚だが、クロダイもまたしかり。厳寒期の黒光りする居着きの魚体に替わり、接岸する銀ピカの乗っ込み魚体は、春ならではのトロフィーである。

この記事は『つり人』2016年5月号に掲載したものを再編集しています。

中編「仕掛けとエサの選び方」はこちら
後編「タナの目安とアタリの出方」はこちら

キーワードは3つ
海水温、地形、南西風


 関東で早くから乗っ込みの声が聞こえるクロダイ釣り場は、房総半島の内房地区だ。南は富浦から北は金谷までの海岸線全域で釣果は得られるが、より高確率で大型クロダイを手にする3つのキーワードがある。それは「海水温」、「地形」、「南西風」だ。

 まずは海水温。クロダイの乗っ込みは、水温によってスイッチが入る。春になって徐々に水温が上がり、房総半島の場合は13~14℃を超えると集団を作って産卵場となる浅場に入る。具体的には内房・南房地区で3月前半からスタート。水温の上昇がやや遅い外房は一月ほど遅く、三浦半島も外房と同じ時期に本格化するようだ。

 最も大切なのが地形。これは内房地区だけではなく、乗っ込みクロダイをねらううえで全国共通のポイントである。

 乗っ込み時期のクロダイ釣り場は水深がある、潮通しがよいといった条件で選んではいけない。地磯や堤防なら陸に近い比較的浅場で、陸側を向いたほうが有望となる。理由は速い潮が通さず、海底まで日光が届き、海藻の生えている場所が多いからだ。こうした海藻帯にある海底が白く見える砂地底の溝をねらうのが一般的だ。

04 内房の海岸線には地磯も多く、隠れた乗っ込みポイントも数多くあるのだ

 地磯の先端部など、ある程度潮の動く所では、潮流によってできる潮目の内側にエサが溜まりやすく、好ポイントを構成することも多い。

 また深場に落ちていたクロダイは溝を伝って浅場に移動するケースが多く、その通り道でエサを食べやすい。沖から続く溝は絶好のポイント。港では船道もそうで、カケアガリに沿って差してくると考えられる。

105-109kurodai-b
 浅場の定義だが、陸っぱりのクロダイポイントは主に水深が3~15m以内だ。浅場という言葉を考えると、10mは深場なのか、7mは浅いのか、人によって捉え方が異なる。

 ここで少し考えたい。なぜ春は浅場がよいといわれるのか。浅場というのは単に水深が浅いというだけでなく、浅いために海藻などがよく茂り、産卵に適した場所が多いということだ。

 したがって春は浅い深いよりも産卵に適した場所であるかないかのほうが重要である。水深が5mでも海底に変化がなく、海藻や岩礁もないような場所は、クロダイもやってこない。しかし水深が10m以上あっても、海底には海藻が生い茂り、岩礁や砂地も点在しているような所にはやってくる。

09 白く見えるのが砂地、その際は岩礁帯に海藻が密生する溝。まさに乗っ込みクロダイのポイントである

 浅場がよいといわれるのは、このような産卵に適した場所が、水深のある所よりも浅い場所に多く存在するからだ。だから、浅場という言葉は絶対ではなく、可能性がより高い地形と解釈されたい。

 そして南西風だが、これは内房地区でクロダイをねらう場合に注目したい項目だ。春先は強い南西風が吹くことが多い。代表的なのが春1番だ。この南西風、内房地区では乗っ込みクロダイを呼び込む風となる。

03 内房は南西風が吹くと海が荒れニゴリが出る。これが乗っ込みの好条件となる

 神奈川方面から千葉方面へと、陸に向かって吹く風は温かい表面の海水を運んできて、底の冷たい海水を追い出すため水温の上昇が期待できるうえ、海底の泥や砂を大きく動かすことでイソメなどのエサも巻き上げられる。そのニゴリは魚の警戒心も解いてくれる。だからこそ、南寄りの大風が吹いたシケ後は絶好のチャンスとなるのだ。ただし、地磯などではウネリも残っているため無理はしないこと。大荒れ後は、エッ、こんな所で!? と言うような港内でもヒットしてくるので、安全な釣り場で楽しみたい。

02 思わぬ浅場の小さな堤防、それが乗っ込みシーズンにはレコードクラスの釣り場になる

中編「仕掛けとエサの選び方」へ続く……










2019/4/3

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