都心を潤す大河川のひとつが荒川である。その流域は多彩で広大。河川敷の各所にテナガエビの隠れ家がある。ここでは厳選7ヵ所をご紹介。
自動車、電車、自転車で行く!超有望釣り場ガイド
案内◎大川雅治
都心を潤す大河川のひとつが荒川である。その流域は多彩で広大。河川敷の各所にテナガエビの隠れ家がある。ここでは厳選7ヵ所をご紹介。
この記事は月刊『つり人』2021年8月号に掲載したものを再編集しています
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和光市/笹目橋上流テトラ
3列コンクリートブロックの隙間を撃つ
彩湖のやや下流、笹目橋の上流右岸に300mほど続くテトラ帯がポイントだ。上流に行くほど浅く、下流ほど深い。3列にコンクリートブロックがあり、沖側の流れに近いブロックが見ポイント1えるくらいの潮時が釣りやすい時合である。
ブロックの隙間に仕掛けを入れる釣りがメインで1mほどの短ザオがあると便利。テナガエビのほかブッコミ釣りで大型のコイ、レンギョ、ソウギョもヒットする。
車で河川敷に入れるのは土日のみ。基本は6~20時に利用ができるが、不定期に閉門するので入れないこともある。川横にベタ付けも可能だが、路面は悪い。最低地上高の低い車は注意が必要。駐車に関する問合先はなく、行ってみてダメなこともある。
テトラ帯が300mほど続く。正面に見えるのは彩湖の吐き出しで、5月下旬から写真のサイズがコンスタントに釣れた
満潮時のようす
テトラの隙間を釣るのが基本だ
●交通:首都高速5号線・高島平ICで下り、R17を経由して県道88号を左折。新河岸川に架かる芝宮橋を渡って河川敷へ
川口市/戸田橋下流左岸テトラ
入口が分かりにくいものの、これぞ穴場スポット
戸田橋下流の左岸(川口市)側にある三領運動場の前が好ポイントになる。500mほど続くテトラ帯をねらうのだが、白くて新しいテトラの下流に位置する古いテトラ帯がよい。潮に合わせてテトラの隙間を探る。なお右岸のゴルフ場の下は立ち入り禁止。
車では付近のコインパーキングを利用し、徒歩で河川敷に出る。近い駐車場でも600mくらい距離がある。電車なら川口駅西口を下車して徒歩約25分。入り口が分かりにくいのが難点で、三領運動場のトイレ横に小道があるのでそこからアクセスする。戸田橋直下の川口(左岸)側も釣れるが足場が悪いため要注意である
古いテトラ帯があるエリアがエビの釣果は有望
5月下旬の釣果
●交通:三領水門メモリアルパーク、もしくは三領運動場を目指す。好釣り場は三領運動場の裏
北区/岩淵水門
釣り場も広い超人気釣り場
先の記事でも紹介しているとおり、岩淵水門は荒川流域で特に人気のポイントである。中之島は荒川側の石積の隙間をねらうのがよく、潮時によっては流れが強い時間帯もあり1号くらいの大きめのオモリもあるとよい。
景色はよく、とても人気の釣り場だが、連日釣り人が入るため場荒れはしている。3mくらいの長ザオで広範囲に探るなどの工夫は必要だ。また遊歩道近辺も人気の場所で、潮位が高い時も釣りが可能。水門の隅田川向かいの護岸は入りにくいもののよく釣れる。子どもは救命胴衣着用をすすめる。
駐車場は土日のみ営業、収容台数は少なく満車の可能性もある。
岩淵水門全景。ここから流れが隅田川に分岐する
中之島は周囲の石積み全体がポイント
●交通:首都高速5号線・王子南ICで降りて県道306号北本通りを北上。北清掃工場前を右折して荒川知水資料館を目指す
足立区/都市農業公園・芝川
ファミリー釣行にもってこい!
テナガエビは農業公園側の芝川がポイントだ。コンクリート護岸の先が石積になっており、その近辺をねらう。石積は隙間が狭いため根掛かりしやすいので、十字テンビン仕掛けが生きる。やはり干潮前後が釣りやすく、よく釣れる。芝川水門外の荒川との合流点はフェンスがあり侵入できない。
テナガエビのほかにもハゼをエサにブッコミ釣りでウナギ、コイ、ニゴイが有望だ。荒川サイクリングコースの人気スポットで農業公園の散策だけでなく体験メニューもある。釣りに限らずファミリーで楽しめ、レストラン、軽食もある。
なお、潮位が高いと深い急流になるため落水には注意が必要。子どもには救命胴衣の着用をすすめる。
芝川水門周辺
この釣り場もまた石積み護岸の際を釣るとよい
●交通:鹿浜橋I Cを下りて川口方面へ。県道107号に入り都市農業公園駐車場へ。農業公園駐車場79台 100円/30分当日最大900円、5~8月の期間は9:00~18:00
足立区/江北橋周辺
干潮時は左岸、満潮時は右岸がねらいめ
江北橋の足立区側、橋の真下辺りのゴロタ場がポイントだ。ただしテナガエビは干潮前後のみの釣り場と考えたほうがよい。潮が高くなると流れも強くなってしまう。潮の高い時は対岸北区側の石積でテナガエビが釣れる。
なお満潮前後はシーバスやウナギも有望で昨夏はクロダイも釣れた。潮の高い時は流れが強く、深くなるので落水に注意したい。近辺にトイレはない。ブッコミではアカエイも釣れるが、アタリが強烈なのでサオの紛失に注意しよう。
江北橋左岸側(足立区)は干潮前後がよい
江北橋右岸側(北区)は満潮前後がねらいめ
●交通:日暮里舎人ライナー・扇大橋駅から江北橋左岸緑地まで徒歩15分
足立区/小菅駅周辺
野鳥の楽園のすぐ側にあるゴロタ場を探る
東京メトロ鉄橋上流にある公園(荒川千住新橋緑地ワンド)裏のゴロタ場がポイント。石間を探りながら釣るので根掛かり対策の十字テンビン仕掛けをおすすめする。潮が高くなっても釣りになる。
伊勢崎線の鉄橋下も釣れるが騒音がつらい。鉄橋近辺にはハヤブサの仲間のチョウゲンボウがいて、バードウオッチングファンに人気である。
潮が高い時は水深もあり、流れが強くなる。落水には充分に注意し、子どもはもちろん大人でも救命着の着用が望ましい。
千住新橋緑地ワンド付近のゴロタ場がポイント
看板にはヨシ原のサンクチュアリとある
●交通:東武伊勢崎線・小菅駅から徒歩8分
足立区/隅田水門
へチと障害物を探るべし
隅田川と荒川の繋がる隅田水門はシーバスで人気のポイント。駅から徒歩で行けるので電車釣行が可能だ。水門の荒川上流方向の護岸に入ることができ、テナガエビは濃くないがハゼやセイゴは多くいろいろ楽しめる。夜になると荒川側でウナギも有望だ。水門にはテトラがないので、障害物と壁面ブロック周りを探る。干潮時が釣りやすい。
隅田水門の上から荒川を望む
水門前の上流側の護岸がテナガエビのポイント
潮が利いていると強い流れが生じる
●交通:東武伊勢崎線・堀切駅から徒歩1分