編集部2022年6月11日

千葉県/九十九里・栗山川河口のクロダイ&キビレ カニエサの前打ちでねらう! 後編

クロダイ-川 全国おすすめ釣り場 千葉

釣り方はサオいっぱいにラインを出し、できる限り流心に向けて振り込む。着底したらサオ先に神経を集中して、エサが川底を這うようにごくゆっくりと引いては止めてを繰り返す。

ねらうべき時間帯とポイント

写真と文◎時田眞吉 

 季節が夏に移ろいで海水温が上昇すると川から流入する冷水を求めて魚たちが河口に集まり出す。九十九里海岸に流れ込む栗山川はクロダイやキビレの魚影が豊富なことで有名だ。クロダイたちの常食であるカニ類をエサに前打ちでねらう。ひとたび掛ければ疾走が楽しめる。

この記事は月刊『つり人』2021年8月号に掲載したものを再編集しています

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ねらいめは流心

 かつてはナツメオモリの1~3号を付けてサオ下に垂らしてのミャク釣りが主体だったが昨今は前打ち釣りが主力。もちろん、エサは河口部に生息する豆ガニだ。

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メインのエサが豆ガニ。砂地に穴を掘って生息している。河口部に広く分布しているので食いも抜群

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付け方は後ろ足の付け根にハリ先を入れて甲羅方向にハリ先を少し出す

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モエビもおすすめ。尾羽根を取ってハリ先を刺す。フッコも大好きなエサだ

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ボケジャコは特エサ。冷凍されたものでも食いは変わらない。尻からハリを刺し貫く

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サオは前打ち用の6.3mにタイコリールをセット

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ハリを結んだハリスの端イトを切らずにガン玉を打ち、エサのカニが底を這いずるよう演出

 仕掛けはハリの近くにエサが流されずに川底で安定させるためのガン玉をひとつ付けただけ、というシンプルそのもの。川底にはいたるところにカキが生息しており、シンプルな仕掛けは根掛かりを回避しやすい。ハリスは最低でも2号。強引に取り込まないとカキにハリスが触れただけであっさり切れてしまうからだ。

 釣り方はサオいっぱいにラインを出し、できる限り流心に向けて振り込む。着底したらサオ先に神経を集中して、エサが川底を這うようにごくゆっくりと引いては止めてを繰り返す。

 アタリはサオ先が絞り込まれるようなハッキリしたものはほとんどなく、コツンとかブルブルとしたものがとても小さく現われる。違和感があれば即アワセがお約束。

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宮永さんも仕掛けを沖へと飛ばして広範囲に探る

 

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ハリはチヌバリの3~4号を使用

 

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ハリスは2号。強烈な走りを止めるため太イトで攻める

 

 

時間帯は干潮前後にねらいを絞る

 5月31日、正午に栗山川河口で宮永さんと待ち合わせた。朝マヅメが好時合なのでは!? と思っていたのだが、「九十九里界隈の河川の特徴として、下げ潮は川の流れが速く、上げ潮だと海からの潮が逆流します。このことから干潮前後の潮が緩む時に食いが立ちます。この傾向は40年前と変わりません。今日の干潮は午後1時過ぎだから、正午ごろからがねらいめですよ!」とのこと。

 また、釣り場となる河口の土手は、満潮時ではサオがだせず、ある程度潮が引くと土手下に護岸が現われ、そこからサオをだすほうが釣りやすいのだ。

 

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釣り人の姿がなくなった護岸。ついに宮永さんのサオが曲がる!

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こちらはキビレ。40cm級はなかなかの型。この釣果にホッと一息

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後日、宮永さんから送られてきた写真は、釣友が手にしたスズキ。クロダイ以上の魚影の多さだ

 宮永さんがエントリーする前から、数名の地元釣り人が前打ちザオを駆使している。ヒットエリアは足もとよりも流心寄りのカケアガリ付近らしく、タイコリールからラインを引き出して、サオを大きく振りかぶり仕掛けを飛ばしている。もちろん、エサは豆ガニ。そのほかモエビやボケジャコもおすすめでマゴチ、ヒラメ、コショウダイ、ウナギなども顔を出す。淡水魚のコイやニゴイも掛かってくるようだ。

 そんな地元の釣り人のサオがギュンと曲がる。水深がないためか、掛かった魚が下流に突っ走る。長いサオを活かして走りを止め、ゆっくりと引き寄せてくる。水面近くでバシャッ! と暴れる魚体はイブシ銀、クロダイだ。無事玉網に収めて計測すると44cmとなかなか。

 さらに35cmのクロダイをヒットさせるが、宮永さんのサオは沈黙したまま。干潮の午後1時を過ぎ潮が満ちてくると、地元の常連さんたちが1人、また1人と帰っていく。「彼らは毎日来ているから、時合に集中した短時間勝負なんですよ」と、宮永さんは1人になった釣り場でつぶやく。

 そして午後3時過ぎ。サオ先を注視していた宮永さんが大きく合わせた。と同時に弧を描く6mの前打ちザオ。タイコリールからミチイトが引き出されていく。下流に走る魚とともに宮永さんも移動しつつ、魚体を海面まで浮かせる。先ほどのクロダイよりも白っぽい!?

 玉網に無事収まったのは40cmを超えるキビレだった。宮永さんも面目を保ってホッと一息。シーズン初期なだけに、まだ釣果にムラがあるものの、照り込みが続けば本番突入。クロダイ、キビレの数釣りも楽しめるようになるはずだ。

 

栗山川河口

交通●京葉道路から千葉東金道路に入り、松尾横芝ICより県道62、58号経由で県道30号を左折。栗山川漁港入り口を右折
問合先●河井釣具店(0479・82・2503)

 

 


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