都市河川で手軽にクロダイをねらうならワームの釣りがオススメだ。 ゴロタやカキ瀬をねらうので根掛かりとの戦いになりがちだけど、フリーリグ+ホッグ系ワームならノーストレス! 草深幸範さんの釣行に同行したところ、1日の釣りでロストはたったの1回。 40cm後半の大型クロダイ3尾をゲットしたフリーリグを巻く釣りを紹介しよう。
クロダイ&キビレをねらうフリーリグの仕組みと構造
写真と文◎編集部
この記事は『つり人』2020年10月号に掲載したものを再編集しています。
都市河川で手軽にクロダイをねらうならワームの釣りがオススメだ。
ゴロタやカキ瀬をねらうので根掛かりとの戦いになりがちだけど、フリーリグ+ホッグ系ワームならノーストレス!
草深幸範さんの釣行に同行したところ、1日の釣りでロストはたったの1回。
40cm後半の大型クロダイ3尾をゲットしたフリーリグを巻く釣りを紹介しよう。
草深幸範(くさぶか・ゆきのり)
1976年8月14日生まれ。東京都出身、在住。
バスフィッシングのルアーを手がけるメーカー「ボトムアップ」の社員であり、バストーナメントに参戦するバスプロでもある。根掛かりさせずにボトムを丁寧に引く釣りが得意でクロダイの釣りもすぐに大好きになった。
ボトムアップ公式サイト https://bottomup.info/
フリーリグを巻く理由
草深さんがクロダイとキビレねらいで使っているのはフリーリグのみ。
理由は数あるリグのなかで最も根掛かりしにくく、根掛かりした際も外しやすいからだ(水深3m以浅のハードボトムの場合)。
細い棒状のシンカーが遊動式になっているので、岩の隙間などに挟まっても軽いロッドワークで簡単に抜けてくれる。飛距離が出やすいのも特徴だ。
フリーリグに3in前後のホッグ系ワームをセットして遠投し、シンカーがボトムをこする状態をキープしながらただ巻きするのが基本。
アタリがあるけど乗らないときなど、魚の活性が低いと読んだらリールを巻くのではなくロッドワークでワームを引くことでスローダウンすることもある。
障害物をじっとり舐めるようにワームを引くことが可能だ。
プラグでボトムをタイトに攻めると根掛かりが頻発してしまうが、フリーリグならば果敢に底を擦ってもスルスル抜けてきてくれる。
シンカーが何かに当たった際のイレギュラーアクションがバイトチャンスになる。
ハリーシュリンプ3inのグリパンチャートに乗らないアタリがあったので色をレッドクローに変えた直後のヒットだった。サイズは47cm!
根掛かりしてしまった際は巻くのを止めて、ロッドを縦に軽く煽ったあとにラインテンションを抜いてみる。
ティップをできるだけ高く掲げた状態でラインを張ったり緩めたりするのがコツだ。
それでも外れなければロッドとラインを一直線にして引っ張るしかないが、細軸のオフセットフックを使っていればハリが伸びて回収できることが多い。
3時間ほどの釣りであれば1回もラインブレイクしない日がほとんどだという。
この魚が食べてきたのは沖にあるカキ瀬。シンカーにゴツゴツと感触が伝わってくるのでリグを引くとすぐにわかる。ちなみにグーグルアースで殿町エリアの航空写真を確認するとカキ瀬があるところだけうっすらと色が変わっていた
フリーリグの基本アクション
サオを立てた状態でただ巻きするのが基本。
ラインの角度が立つので根掛かりしにくい。風が強い時は仕方なくロッドを寝かせる。ねらいはゴロタやカキの瀬だが、草深さんは何もないゾーンもしっかり引いていた。
単発の障害物に魚がついていることも多いからだ。
リーリングが基本だがアタリが出なければ縦方向のサオさばきで引くことも。
リールで巻くよりスローに引けるので低活性の魚でも追いやすい。
リグが岩に接触した時に出るイレギュラーなアクションは本気食いのチャンス!
ワームではあるがただ巻きがメイン。
バイブレーションを引くイメージに近いが、ハリ先が隠れているので根掛かりしにくい。
サオを立ててリーリングするとラインが「張らず緩めず」になりやすい。
ピンと張った状態から一段階緩んだ状態だ。
ラインの存在感が水中で出にくくアタリを出しやすい理想の巻き具合だ。
アタリとアワセ
最後にアタリとアワセについて。コッ……コッ……というシンカーが底に触れる感触をたしかめながらリトリーブしているとゴッと生命反応が出る。
これはアタリだが合わせてはいけない。
そのままリトリーブを続けるとグイーンと重みが乗るようなアタリが出ることがあり、それがアワセのタイミングだ。
クロダイもキビレもワームをかなり長距離チェイスし、バイトの際もいきなり丸呑みするのではなく、軽く噛んで放すことを繰り返す傾向がある。
シンカーが石に強く当たってワームにイレギュラーな動きが出たときなどに本気食いすることが多いと草深さんは感じている(そのチャンスを増やすためにロングキャストが重要だ)。
フッキングはサオを煽るのではなく、リールのハンドルを速く回す巻きアワセがよい。
乗ったらサオを立ててクロダイを寄せよう。
ドラグは強めに設定しておいて(ロッドを曲げ切ったあたりでジジジ……と出るくらい)、ゴロタやカキ瀬にラインをこすられないように心がけよう。
根掛かりが少なくストレスフリーで、なおかつアタリが多いのがフリーリグを巻く釣り。
小さな掛からないアタリが連続したかと思いきや急に重みが乗るあの瞬間はすべてを忘れさせてくれる。日常の隙間に最高の一瞬を!
当日の釣り場
多摩川下流右岸の殿町エリアがメインエリア。
長い護岸の足もとにゴロタが入っており、沖にはところどころカキ瀬がある。この日は沖のカキ瀬にアタリが集中していたが、目の前のゴロタ際を泳ぐクロダイも見えた。
交通●キングスカイフロントの駐車場のビジター利用が可能。釣り場まで徒歩1分!
殿町エリアの護岸。足元にはゴロタがあり、沖にはカキ瀬がある
この日メインポイントになった多摩川の殿町エリアには広大な浅場が広がっている。「東京フラット」と呼ばれることもあり、多くの釣り人に愛されている
同行の友人が釣った30cm級のキビレ。同じ場所、同じ釣りでクロダイもキビレもねらえる
オススメ釣り場
旧江戸川・舞浜大橋上流
数100mにわたりゴロタが敷き詰められた人気釣り場。
20mほど沖に入った荒いカキ瀬がナイスなフリーリグ場になっている。
交通●見明川上流側のパーキングから歩いてエントリー
旧江戸川・葛西臨海公園横のゴロタ
全体的にフラットな地形。沖は砂泥になっており、キャストで届く範囲にカキ瀬がありねらい目。
交通●江戸川区なぎさ南駐車場から歩いてエントリー
東京都・神奈川県/多摩川
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