浜田川のクロダイ釣り場はある程度探れる水深が保たれている東関道の陸橋よりも下流域になる。ただし最下流に架かるメッセ大橋から海側は遊歩道に柵が設けられているので、約1㎞弱の区間の両岸が釣り場になる。
ストレスの溜まる川からスレレスの消える川へ
写真・文◎編集部
街中の汽水域に潜む好敵手。そんなクロダイの本領がいま各地で発揮されている。幕張のオフィス街の小さな都市河川で満潮までの上げ潮数時間をねらい3人で12尾。もはやこれは穴場ではなく本場というべきかもしれない。そしてそんな新たな本場はあちらこちらに誕生している。
この記事は月刊『つり人』2021年7月号に掲載したものを再編集しています
◆関連記事東京湾のクロダイ・キビレの今。生態面から研究者が解説 第1回(全3回) >>
目次
- 第1回:違法係留船が減って釣りやすくなった浜田川
- 第2回:カニエサが有効
- 第3回:オーバーハングが浸る水位でアタリが連発
カニエサが有効
そんな大山さんとクラブの枠を超えて古くから交流がある郡雄太郎さんと片野博之さんの3人が、釣り場から歩いて10分ほどの幕張新都心のビジネス街にあるコインパーキングに集合したのはゴールデンウイーク明け直後の朝8時。
長潮で満潮は13時。朝は冷たい雨が降りしきるなかで釣りを開始した。
浜田川のクロダイ釣り場はある程度探れる水深が保たれている東関道の陸橋よりも下流域になる。ただし最下流に架かるメッセ大橋から海側は遊歩道に柵が設けられているので、約1㎞弱の区間の両岸が釣り場になる。
太陽の角度によって、やはり日陰になる側が有利というが、この日のように小雨や曇天時はあまり変わりはない。
「エサはイソガニがいいですね。ツブでも釣れますが、この川には塩分濃度の関係かイガイはほとんど付いていない。ボサエビとかカニを食べているんだと思います」
大山さんのおすすめのエサはイソガニ。このエリアは夏になってもイガイはほとんど付着しないという。ハリはOHサスガチヌ3号、ハリのフトコロにBのガン玉を打つ
こちらは郡さんの装餌法。ガン玉はハリのチモトに打ち、ハリは二本目の脚の付け根から刺し、ハリ先はカニのフンドシを避けて甲羅に抜く。ハリはチヌR4号、ガン玉はBまたは2B
郡さんのタックル。THEヘチリミテッドBB4 305とTHEアスリートヘチ88W-TGの組み合わせ。ミチイトはTHE黒鯛フロロ2号でハリスはシーガーグランドマックス1.5号
柵のない沖堤などと違ってしゃがみこむような姿勢で落とし込みことはできない。サオを持つ手を柵より川側に出してサオ1本分のストロークを落とし込んでいく。ヘチ寄りの水深は深くても2mと浅いため底でのアタリが多いが、最盛期になると水深80cmで水面下30cmくらいのタナで食ってくることも多いという。
「こういう浅い釣り場は食った魚が下に行けないので、沖に向かって走るのが特徴。サイズ以上の強い引きが楽しめます」
係留船は減ったものの係留ロープ、ブイ、梯子、沈船などはいたるとこにある。食わせたらどちらに魚を誘導するかを考えて落とし込む必要がある
足もとはオーバーハングになっていているのでヘチに沿って落としてもエサは壁際からは離れてしまう。そのため郡さんは大きく沖側に振り込んでから奥側へエサを送り込んでいた
この界隈にはシーバスも多く、カニエサに食ってくる
左岸を下流に向かって探っていくと橋付近の底で大型がヒット!
第3回「オーバーハングが浸る水位でアタリが連発」へ続く……