<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=170559842213036&amp;ev=PageView&amp;noscript=1">
編集部2021年10月26日

全国おすすめ釣り場ガイド 東北 宮城県 七ヶ浜町/東宮浜埠頭〜東宮浜港ほか ハゼ五目

全国おすすめ釣り場 宮城 PICKUP

  古くから仙台、もしくは近郊の沿岸部に住む人にとってハゼは最も身近な魚のひとつである。正月に食べられる雑煮では、ハゼの焼き干しを出汁に使うのが宮城流。「焼き干しサイズ」と呼ばれる良型をねらおう!

「焼干しサイズ」に「肘たたき」良型への思い入れが強い宮城のハゼ釣り

レポート◎道下 裕 

この記事は『つり人』2019年12月号に掲載したものを再編集しています。

 古くから仙台、もしくは近郊の沿岸部に住む人にとってハゼは最も身近な魚のひとつである。正月に食べられる雑煮では、ハゼの焼き干しを出汁に使うのが宮城流。「焼き干しサイズ」と呼ばれる良型をねらおう!

道下 裕
昭和39年生まれ。仙台市在住。「次代への釣り文化継承」をライフワークとし、仙台を拠点にフリーマガジン「月刊フィッシング・フリーク」を刊行。近年はスポーツや教育を通じて、子どもたちを取り巻く環境とも向き合っている

宮城のハゼ文化

 古くから仙台、もしくは近郊の沿岸部に住む人にとってハゼは最も身近な魚のひとつである。たとえば松島湾周辺に伝わる「数珠釣り」(「じゅずっこ」と発音されることが多い)。今でいう「ミミズ通し」のような道具を使ってアオイソメをタコ糸に通し、数珠状の団子を作りエサと仕掛けを兼ねる(釣りバリを使わない)独特なスタイルの伝統釣法がある。ハゼが口いっぱいにエサを頬張った瞬間、吐き出す前に抜き上げるイメージの釣りといえばよいだろうか。これは現在に比べてエサの入手が難しく、海藻類が多い釣り場で根掛かりを防ぐために生み出されたものとも聞く。

 また、食に関してもハゼは切り離せない側面を持つ。代表格は正月用の雑煮。ハゼの焼干しで出汁をとり、ハラコ(イクラ)と凍み豆腐、セリほか山海の幸を添えるのが宮城流。淡白ながら濃厚な出汁と、素材の旨味が織りなす妙味はおすすめしたい絶品だ。

 もっとも現代では、いずれも「伝統的な」という断りがつくが、それでも正月近くになると魚屋の店頭にはハゼの焼干しが吊るされる。地域に根ざした良き時代は、まだまだ廃れてはいない。

 

探りとチョイ投げでねらう「焼干し」サイズ

tba12_ph_02_09「焼干しサイズ」と呼ばれる良型。「肘たたき」という、30㎝近い個体を指す言葉もある

 

 久々に菖し ょうぶた蒲田浜(七ヶ浜町)のショップ、釣キチを訪れた。店主の福来さんとは、以前から良型をねらえる時期になったらハゼ釣りに出かける約束をしていたのだが、そろそろ近郊では好感触が発信され始めたらしい。

 福来さんが向かったのは七ヶ浜半島を塩釜方面、要害浦に面する東宮浜埠頭。ハゼ釣りでは一級のポイントとして知られる砂押貞山運河にほど近い、塩竃(しおがま)湾寄りの岸壁である。

 

tba12_ph_02_01-02平日にも関わらず東宮浜埠頭は釣り人で賑わっていた。車を釣り座の近くに停め、サオを2〜3本だすスタイルが主流。「今日は、いまひとつアタリが遠い」とは先行者

 

tba12_ph_02_02まず、岸際から探る「釣キチ 七ヶ浜店」店主の福来さん。サオ先を小さく動かし、常に誘いながらハゼをねらう。仕掛けを投げ込んでアタリを待つよりも勝負が早いのだという

tba12_ph_02_04エサはアオイソメを短く切って一本掛けにする。長すぎると空アタリが多い。アイナメに威力を発揮するイワゴカイも活躍することがある

 平日の日中にもかかわらず、埠頭には十数台の車が停車。1、2本の置きザオを備えながら、近くの足もとを探り釣りしている人影が見える。私たちは比較的間隔が開いている一角に入った。

 トップの先端をグラスソリッドに交換した投げザオ。セットしたのは7号のタル付きオモリに赤キスバリの10号である。市販のハゼ釣り仕掛けはテンビン付きの2本、3本バリのものが主流だが、当地では1本バリを好むファンも多いという。

 仕掛けを投入し、何度か誘っているとハゼとは違う重みがサオ先に乗った。水面に姿を見せたのは「ガザミ」と呼ばれるワタリガニ。ハサミを広げると30㎝近いサイズ。近ごろの仙台湾では、これをメインにねらうファンがいるほど数が増えている。

 早々に東宮浜埠頭を見切った福来さん、次に向かったのは東宮浜港の東側の防波堤。

「朝方は小さいのが釣れたけど、いまはアタリが落ち着いたね。でも、そろそろ上げ潮になるから期待できるかもしれないです。先週はよかったよ。28㎝のハゼが2尾混じった。〝焼干し〟を超えて〝刺し身〟サイズでした。時期的にはまだまだイケると思うけどね」とは常連らしき先行者のコメント。なるほど、潮が動き始めたらアタリがポツポツ出始めた。ハゼ釣りは時合も大事だ。古きよき伝統に思いを馳せながら、お正月用のハゼを調達しに行くのも悪くない。

 

 

tba12_ph_02_07東宮浜港から東宮神社の間を流す遊漁船。七ヶ浜、塩釜、松島エリアでは船によるハゼ釣りも人気が高い

 

tba12_ph_02_011169良型が揃った過去の取材の釣果。船、オカッパリを問わず、数とサイズに幅がある七ヶ浜・松島エリアのハゼ釣り

 

イチオシギア

オリジナル仕掛け

tba12_ph_02_kakomi01

 当地は仕掛けに対するこだわりが強く、メーカーで特注品を誂えるショップ、船宿が珍しくない。なかでもこれは変わり種。熊手のように3本バリが配置された「シャコエビ専用」。ほかにも独特なものがあるので、当地を訪れた際には話のタネにショップを覗いてみるとよいだろう

 

p 092-103-02

 

釣キチ 七ヶ浜店

tba12_ph_02_kakomi02

住所=宮城県宮城郡七ヶ浜町菖蒲田浜 字牛ノ鼻木2-1 営業時間=4時半〜18時(年中無休) 問合せ先=☎022・357・7577

 

◆釣り場情報

 

 

 

 

おすすめ記事

記事検索

  • 検索フィールドが空なので、候補はありません。

月刊つり人 最新号

つり人 2020年5月号

列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。