「霞ヶ浦水系でも、ビッグベイトの出番は必ずといっていいほどあります」 と言う山本訓弘さん。サイト、ブラインド両極面での使い方を解説してもらった。最終回ではバスを目視できていない状況(ブラインド)でのビッグベイトの使い方をご紹介。
ブラインドでのビッグベイティング
写真と文◎編集部
「霞ヶ浦水系でも、ビッグベイトの出番は必ずといっていいほどあります」
と言う山本訓弘さん。サイト、ブラインド両極面での使い方を解説してもらった。
この記事はBasser2019年9月号に掲載したものを再編集しています。
山本訓弘(やまもと・のりひろ)
1992年生まれ。淡路島出身。ヒューマンアガデミー大阪校のルアービルダー専攻を卒業。
現在はリューギの営業企画を担当し、全国を飛び回る。
地元・淡路ではフィールドの清掃活動を精力的に行なっている。好きな食べ物は白米と卵。
ブラインドでは切り札的な存在に
バスが見えていない、濁りの強い流入河川(雁通川、夜越川など)ではギルロイドJr.を使ったブラインドの 釣りがメインとなる。
夜越川などは濁りが強く、ブラインドの釣りがメインとなる
山本「ギルロイドJr.は波動の強さを生かして、バスを引っ張り出したいときに使います。感覚としてはクランクベイトやスピナーベイトに近いですね」
使い方は、スローシンキングのギルロイドJr.を任意のレンジまで沈めてから、ハンドルを「グリグリッ」と高速巻きする。
このルアーは偏平ながら厚みがあり、ヘッドとジョイント部、そしてテールなどボディー全体で水を噛むため、速巻きするとルアー周辺の水を塊ごと動かすような強い水押しを発生する。
山本「ギルロイドJr.はスピードによるリアクション、そして強い水押しによるリアクションバイトが期待できます。
水を強く押すだけならリップ付きのビッグベイトでもよいのですが、それだとバスが浮いてきたりチェイスしてきたときに、ウォブルにアクションが限定されてしまい、ターンやジャークなどの小技を利かせることができません」
ちなみに、ブラインドの釣りでは、ビッグベイトが先発投手になることは少ない。
夏であれば、まずはバックスライド系など定番のルアーでカバーを撃ち、その日の状況を確認する。
それらの釣りでバイトや反応が得られないと判断したとき、リアクションに全振りしたビッグベイトの出番となる。
山本「夏は朝夕しかチャンスがないと思われがちですが、食わせ方がリアクションなら昼でもチャンスはあります。
これは僕の持論なのですが、デカいバスほど真夜中にフィーディングしてて、そこから時計が一周した昼間にも時合が来ると
思ってます。朝イチを逃してもあきらめてはいけません」
ギルロイドJr.を引く際は、ギア比7前後のハイギアリールを限界の速さで巻く。ハンドル2回転から5回転まで、ダッシュさせる距離は状況によって使い分ける。
バイトはダッシュ後のポーズの瞬間に出ることが多い
ギルロイドJr.を高速引きした瞬間。大きく水を動かしているのがわかる
ねらう場所
ルアーを通すのは水門、アシ、橋脚、石積みなど、バスが潜んでいそうなあらゆるストラクチャー。
流入河川では流心などオープンウォーターもチェックする。
水門
アシ
石積
橋脚
ビッグベイトのパワー
バスフィッシングはそのときのフィールド状況やバスのコンディションを読み解き、適切に対応していくことが正道だとされるが、山本さんのビッグベイト理論はそれらを半ば飛び越えたところにある。
つまり、アングラー側が自然や魚に合わせるのではなく、その存在感とパワー、そしてリアクション誘発能力で、濁っていようが、食い気のないバスだろうが問答無用で反応させて口を開かせてしまう。
そんな力をビッグベイトは持っている。
山本さん使用ルアー・タックル
上から
・ハドルトラウト6inトーナメントモデル(キャスティーク/廃盤)
フック前後:フェザードピアス#3・白(リューギ)サイトで使用する山本さんの超1軍ベイト。
「ハドルはとにかくルアーが持つ魔力が半端ない。
テールの動きなのか、比重なのかはわからないですけど、とにかく魚を反応させます」。
個体差や水温に合わせて0.6~1.8gのネイルシンカーを挿入しスローシンキング仕様にする。
・ハドルトラウト6inトーナメントモデル(キャスティーク/廃盤)
フック:ヒッチフック#1(ザップ)×2
フック:ヒッチフック#1(ザップ)×2
背中のやや側面にアシストフックを2本装備し、腹にハリガネを通すことでボトムに引っ掛けやすくしたボトム専用機。
・ギルロイドJr.ブーツテール(イマカツ)
フック前:ピアスツインブルータル#2(リューギ)フック後:ピアスツインブルータル#3(リューギ)
おもにブラインドの釣りで、中層の高速引き&ポーズで使用。厚みのある偏平ボディーと特殊な形状のテールが水を大きく孕んで動かす。高速引きの距離は50cm~2mと使い分ける。
・ミラクルコール(リューギ/プロトタイプ)
フック前:ピアスツインブルータル#1(リューギ)
津風呂湖をホームとする玉置証さんが監修したスイムベイト。テールのみが回転するニュータイプで、集魚力が極めて高い。今取材でも複数回バイトを得たがフックアップせず。
[ギルロイドJr.ブーツテール用]写真左
ロッド:グラディエーターアンチGA-74XHCディフューザー(レイドジャパン)
リール:レボビースト(アブ・ガルシア)
ライン:R18フロロリミテッド25Lb(シーガー)
[ハドルトラウト6in用]写真右
ロッド:グラディエーターアンチGA-74XHCディフューザー(レイドジャパン)
リール:レボSX7(アブ・ガルシア)
ライン:R18フロロリミテッドBASSハード20Lb(シーガー)