房総リザーバーの凄腕として知られる羽生和人さんは虫ルアーをサーチベイトとして使っている。その理由とテクニックを解説してもらった。
虫ルアーでサーチせよ
写真と文◎編集部
房総リザーバーの凄腕として知られる羽生和人さんは虫ルアーをサーチベイトとして使っている。その理由とテクニックを解説してもらった。
この記事は「Basser」2019年10月号の記事を再編集しています
羽生和人(はぶ・かずひと)
1982年生まれ。東京都出身、在住。房総リザーバーをホームに、厳寒期を含むオールシーズン安定した釣果を叩き出す。虫ルアーやネコリグを用いたパワーフィネス、ディープレンジのダウンショット、夏場のフィーディングフィッシュ、そしてサイトフィッシングなど、房総リザーバーで好釣果を上げるための釣りを高次元にこなす。
房総リザーバーの環境が「ブーン」の味方
エンジンのプロスタッフとしてロッドやルアーの開発を行なっている羽生和人さんは、小森嗣彦さんを師とし、長年亀山湖を中心とした房総リザーバー郡で腕を磨いてきたスーパーロコアングラーだ。
そんな羽生さんはエンジンの公式チャンネルにて『月刊羽生和人』というコーナーを担当している。その動画のなかで頻出するのが虫ルアー「ブーン」だ。しかも、高水温期のルアーのイメージが強いこの虫ルアーを、冬〜早春の水温が10℃を切るような季節にも使い、結果を出している。
さらに気になったのがその使い方。リザーバーにおける虫ルアーは、サイトフィッシングやチョウチンなど、バスが見えている状況や「ここぞ」というピンスポットで使われることが多い。
しかし羽生さんは、まるで巻きモノを使っているときのようなエレキのスピードでボートを流し、次々と岩盤際やカバーにブーンをキャスト。ストライクゾーン内を高速ドッグウォークさせて回収し、また次のキャスト。使い方が完全にサーチベイトのそれなのである。
わずか1.2inのボディーサイズながら、ドッグウオークで強く水を動かすブーン。カエルとバス密度の濃い房総リザーバーなら、食わせに長けたサーチベイトとして機能する
羽生「房総のリザーバーはカエルが非常に多いのが特徴です。早春のアカガエルパターンが有名ですが、春に限らず夏も、そして初冬までカエルの鳴き声が聞こえます。とくに亀山湖、三島湖、戸面原湖はそうですね。
つまり、ブーンでイミテートするベイトは、房総においては基本カエルなんですよ。
カエル=フロッグのイメージがあると思いますが、大型のアカガエル以外にも、サイズの小さいアマガエルやモリアオガエルもたくさんいるので、ブーンのサイズでしっかりマッチザベイトになります。
房総のバスがこれらのカエルを常食しているのは間違いありません。捕食されるシーンも見たことがありますし、なによりローライトコンディションなどで多くのカエルが鳴いている日は、水面のルアーへの反応が極端によくなりますから」
ブーン3兄弟
(上から)
ブーン
食わせ力とサーチ力を兼ね備えた虫ルアー。3~ 12月であれば、羽生さんはこのルアーからキャストをはじめることが多い
ブーンチン
沈む虫タイプ。ブーンよりも自重があるため、枝などにラインが干渉したチョウチン状態でも水面までルアーを落としやすい
デカブーン
その名のとおり、ブーンの大型版。より大型のカエルを演じたいとき、アピール力を上げて深いレンジからバスを引っ張りたいときに使用
ブーンの断面図。広い空気室で浮力を確保。ボディー下部が肉厚(ソルトインボディー)なため、サイズ以上に下方向への水押しが強い
次回は虫ルアーを使う時期と場所について解説します!