ご紹介するのは大阪府泉佐野市食品コンビナート港発でねらえる「アジ」です。鬼アジと呼ばれる40㎝オーバーも釣れるかも?!
友ヶ島周辺で良型ギュンギュン! 目指せ鬼アジ
レポート◎高崎冬樹
この記事は『つり人』2020年6月号に掲載したものを再編集しています。
高崎冬樹
昭和35年生まれ。神戸市北区在住。得意な釣りは磯のグレ釣り。友釣り歴は30年以上だが、ここ数年はご無沙汰……。フリーのライター・カメラマン・編集者
ドウヅキ3本バリエサはオキアミ
大阪湾の沖釣りといえば、いまやテンヤタチウオが代名詞のようになっているが、かつて年末頃にタチウオが終了した冬場からはメバル、ソイをねらい、春を過ぎるとマダイ、シロギスやカサゴ、イシモチなど小ものの五目釣り、船によっては大型アジねらいというのが、おおまかな季節の流れだった。
胴に乗る柔軟なサオがアジ釣りにマッチ
今年は4月初旬でもタチウオをねらっている船がある一方でアジ釣りの遊漁船も多い。泉佐野・食品コンビナート港から出船している海新丸の宮下稚域船長によると「冬場からずっとアジが釣れ続いている」とのこと。冬の人気魚だったメバルがなかなか釣れなくなった近年は食べて美味しいアジに人気が集まるのだという。
海新丸はお客さんが多い日は2隻態勢での出船
ポイントは大阪湾口に位置する友ヶ島周辺で潮の流れる方向や速さで島の南北、水深30〜60m付近をねらう。
釣り方はドウヅキ式3本バリの仕掛けで底付近の流し釣りだ。水温が高くアジの活性も高くなる初夏以降はサビキ仕掛けでもねらえるが、水温12℃前後の4月初旬現在は空バリにオキアミを刺してねらっている。そのためアジメインながらもマダイやガシラなど他魚も食ってくるため「マアジ五目」というふれ込みでの出船である
4月4日の土曜、海新丸は2隻態勢での出船。お客さん同士の間隔たっぷりで、ゆったり釣りができるのがありがたい。同乗させてもらったウイークデイは出船することが少ないサブの「ベイ海新丸」だった。
オモリで底を叩かずじっとアタリを待つ
出船は午前9時とのんびり。40分ほどかけてポイントの友ヶ島北側に到着した。「ここは、ポイント名でいうたら赤松の横です」と宮下船長。本来の「赤松」にはタチウオねらいの船が集結していた。いまタチウオの数は少ないが大型が多いらしい。タチウオ人気は相変わらずだ
いよいよ実釣。船長に釣り方のコツを聞いてみる。「ねらうのは底付近。オモリをほんの少し底から切ってじっと待つだけ」という答え。
魚探に映ったアジの群れ。ねらうのは底付近。底から浮いたアジは食いが悪い
以下が船長に教わったコツだ。
●オモリで底を叩かない。
●オモリを底で引きずらない。
●タナ取りでオモリを着底させるときはドスンと落とさない。そうっと置きに行く感じ。
●サソイはかけない。
「大阪湾口のアジ美味いで〜」と海新丸の宮下船長
「あとはできるだけ胴に乗る柔軟なサオを使うだけ」と船長。それほど水深変化もないので、時おり、確認の意味で底を取り直せばよいだろう。またアタリがあってもアワセは御法度。サオにググ〜っと重みが乗るのを待つだけだ。その後は早巻き厳禁。ゆっくり定速で巻き上げよう。
エサのオキアミは3Lサイズ。真っ直ぐになるよう尾羽根から刺す
この日、午前中は多い人でも数尾の釣果だったが、午後からはよい群れを発見、にわかに活気付き、多い人で20数尾の釣果。サイズは27、28㎝平均、大きいものは尺オーバーだから申し分なし。残念ながらマダイなど他魚は混ざらなかった。
アジは船内に抜き上げてもよいが良型はタモですくってもらうのが無難
今後、季節が進み梅雨を待たずして30㎝オーバーは当たり前。鬼アジと呼ばれる40㎝オーバーも釣れるようになるので楽しみだ。
交通●京阪神方面からは阪神高速湾岸線の泉佐野北IC を出てすぐの信号を右折し突き当たりを右折。1つ目の信号を左折すれば海新丸の乗り場。
遊漁船●海新丸(☎ 072・469・2332)マアジ五目の乗合料金はエサ、氷付きで7000 円
イチオシギア
ハヤブサ『船極 鯛五目 胴突3本鈎』
海新丸・宮下船長のイチオシ仕掛けがこれ。回転ビーズ仕様で仕掛け絡みがほとんどなく、ハリスにフロロカーボンの『シーガー』を採用しているため強度、感度とも抜群。「何よりシンプルなのがええな!」と船長がいうのはチモトにビーズなどがないこと。アジの場合はビーズや夜光玉があると食い込み時の邪魔になりハリ外れが多くなるのだとか。
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