チョイ投げでメインターゲットとされるシロギスは北海道南部以南から九州の沿岸部に生息している魚。きれいな砂底を好み、イソメなどの底生生物をよく捕食している。群れで生活するとされており、一度釣れると同じポイントで複数尾釣れることも多い。魚体の割に引きは強く、淡白な白身で美味なためファンの多い魚だ。
気になるサーフをちょっとのぞき見
あらゆる生命を育む広大なサーフ。中でも手前から急深になっている三保半島の海岸はさまざまな魚達のエサ場となっており、釣り場としても一級ポイントだ。サーフファンなら誰もが知っていることだが、実際、海の中を見たことがある人がどれくらいいるだろうか。それでは、釣り人の好奇心をくすぐる、サーフの海中散歩へご案内。
この記事は月刊『つり人』2021年11月号に掲載したものを再編集しています
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目次
はじめに
急深のサーフを水中観察そこには意外な魚たちが!
清水港を覆うように張り出している三保半島は、富士山と関連する世界文化遺産として登録された「三保の松原」を有する景勝地。また半島をぐるりと囲むサーフは手前から水深があり潮通しも抜群で、大小問わずさまざまな魚がねらえる一級釣り場としても有名である。
都心からのアクセスもよく、駐車場も数多く整備されている人気サーフゆえ、各所の水深や海底の地形といった釣り場の情報はすでに多く世の中に出回っている。しかし、映像や写真として水中の様子が鮮明に残されているものは少ない。
というわけで、今回はカメラを搭載した水中ドローンを導入し、三保半島の人気サーフポイントに潜航。貴重な水中写真とともに、三保半島のサーフが持つ魅力に迫ってみた。
①約40m 沖、水深25 mのガレ場の上に群れるサクラダイ。ホンソメワケベラの姿も見られた(三保真崎海水浴場)
②サーフと言えばお決まりのクサフグ。50 尾ほどの群れで回遊していた(三保真崎海水浴場)
③秋といえば季節来遊魚。青い体色の美しいソラスズメダイのほか、白と黒のコントラストが目を引くハタタテダイも確認できた(真崎灯台跡右側)
ポイント① 三保真崎海水浴場
三保半島の中でも特に人気が高いのがこのエリア。正面の沖堤防との間が狭い水道になっており、潮の流れが強くカゴ釣りやジギングの実績場となっている。また流れの弱いところはエギングでアオリイカもねらいやすく、フカセ釣りもおすすめ。背後の駐車スペースには200台ほど止めることができ、土手下にはトイレもあって便利
ここはやはり、沖堤防との間の水道が気になるところ。波打ち際から10mほど進んだあたりから徐々に傾斜がきつくなり始め、約20m先では30°ほどの角度で落ち込んでいた。ここではクロダイとコショウダイの姿を確認。
25mと一番水深が深くなる水道の中心あたりでは、直径50cmから1mほどの岩が積み重なったガレ場を発見。その周囲にはメジナやニザダイといった磯の魚が着いており、サクラダイの群れも居着いていた。潮通しがよく障害物も多い場所なので、青物やアオリイカの好ポイントになっているのもうなずける。
正面の沖堤防との間は水深が約25m あり、そこにはゴロゴロとした大岩が転がるガレ場が広がっていた。その周囲にはサクラダイやハナダイなどの群れが着いており、大きなニザダイが1 尾泳いでいた。タイミングによってはさまざまな魚たちが立ち寄りそうな場所である
突如目の前に現われたのは30㎝ほどのメジナ。これくらいのサイズなら群れでいることが多い魚だが、1 尾でポツンと泳いでいた。生息地によって生態が異なるのか、興味深いシーンだった
カケアガリに沿ってゆったりと泳ぐ大型魚を発見。驚かさないよう近づくと、50㎝以上はありそうなコショウダイだった。カゴ釣りや投げ釣り好きにとっては心躍る瞬間。これ以上の大物も潜んでいそうな気配!
ポイント② 真崎灯台跡右側
三保半島の突端、清水港の入り口に位置する真崎灯台跡の右側に広がるエリア。こちらも①に次ぐ人気ポイントである。
沖へとカメラを進めると、20m先でも傾斜は比較的緩やか。①ほど大型の魚の姿は見られなかったが、海底にカキ殻や貝の殻がたくさん落ちていた。もしかしたらタコが食事をした後なのかもしれない。
釣りの対象ではないが、面白かったのは季節来遊魚たち。海底に沈んでいたビールケースにはハタタテダイのほか、大きなヒレが美しいキリンミノカサゴが3尾身を寄せていた。
海底に突如現われた貝殻の山
沖へ約30 m、水深13 mに沈んでいたビールケースの上に何かが3尾鎮座。硬い棘に毒を持つミノカサゴの仲間、キリンミノカサゴである。こんな魚が釣り場の海底で静かに暮らしているなんて、水中をのぞいてみないとわからないだろう
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