全国おすすめ釣り場。「山梨県/釜無川サツキマスのエサ釣り」をご紹介します。
アマゴの降海型「サツキマス」が増えることを願って
この記事は月刊つり人2018年5月号の記事を再編集しています
全国おすすめ釣り場。「山梨県/釜無川サツキマスのエサ釣り」をご紹介します
文◎井上聡
利根川をホームグラウンドに記憶に残るヤマメやイワナとの出会いを求めて全国に足を伸ばす。奔流釣り倶楽部「渓夢」会長
目次
- その1
- サツキマスを増やす取り組み
- 放流個体が釣れた!
- その2
- 6月の再訪。輝く本流アマゴ
- 開始すぐのドラマ
- その3
- 思わぬゲストと可憐なアマゴ
- サツキマスとの出会い
サツキマスを増やす取り組み
甲斐の国を流れる釜無川と笛吹川は、天下の名将・武田信玄が統治していた地域を流れる。
釜無川と笛吹川が合流して富士川となるが、釜無川は昔から暴れ川として民を苦しめており、その氾濫を抑えるために設置された「信玄堤」は、川の流れを変えて水害を減じる当時の人々の努力の象徴として今に伝わる。川岸には、今もその名残りを見ることができる。
現在、サツキマスが生息する川は、サクラマスのいる川に比べてもずっと少ないが、富士川や釜無川にもかつては多くのサツキマスが見られた。だがその数は減少の一途を辿っている。
南アルプス市鏡中條に住む丹澤昌幸さんは、「南アルプスネイチャー王国プロジェクト」のサツキマス部門の代表者として活躍している釣友。
「(釜無川を含む)富士川を人々が釣りや自然観察によって交流する拠点にしたい」
「子どもの頃に見た、サツキマスがたくさん泳ぐ富士川をまた見たい、子どもにも見せたい」
という志のもと、釣り仲間にも参加を呼び掛け、現在は協力の申し出があった南アルプス市にサツキマスの保護増殖・河川環境の改善を働きかけている。
私は丹澤さんと知り合った縁から、昨年の5月に釜無川を訪問。稚魚放流の効果を調べるため、釣りにも協力してほしいと声を掛けていただき、別の友人も連れてまず5月にサオをだしに行った。すると幸運にも、友人にアブラビレがカットされたサツキマスが釣れた。
放流個体が釣れた!
丹澤さんたちは、それまでの放流活動に加えて、平成28年秋には南アルプス市の協力でアブラビレをカットした体長15~20㎝のアマゴ稚魚約2400尾を同じように放流。
友人が釣ったのは、そのうちの一尾であり、丹澤さんたちの期待どおりに調査のための検体を提供することができた。
検体のサツキマスは、海まで降ったかどうかを、県の水産技術センターが調べることになっていた。
なお、本来は「アマゴが海まで降って再びソ上してきたもの」がサツキマスだが、ここでは本流の戻りアマゴの可能性がある個体も含めて、銀化して大型化し、本流をソ上してきたと思われる個体を広くサツキマスと呼んでいる。
いかにも本流育ちという白銀のボディー
次回はそれから1ヶ月後の釣行をご紹介します。
山梨県/釜無川 霊峰富士を眺めて夢は本流サツキマス その2(全3回)