船のルアー釣りで使われるルアーの代表格・メタルジグ(以下、ジグ)。釣具店に行くと、さまざまな種類のジグが並んでいるが、何を基準に選べばよいのだろうか?ここでは、ジグの基本的な形状や素材、カラー選択などを解説。前編は形状についてまとめています。
メタルジグって何を基準に選べばいいの?そんな疑問を解決します
文◎編集部
この記事は北海道 海ルアー白書 船釣り編 (North Angler's COLLECTION)の記事を再編集しています
釣具店に行くと、さまざまな種類のジグが並んでいるが、何を基準に選べばよいのだろうか?ここでは、ジグの基本的な形状や素材、カラー選択などを解説します。
ジグウエイトの目安
海域によってポイントの水深は異なる場合が多い。その際に悩ましいのはまず「ジグはどれくらいの重さを準備すればよいのか」 だろう。だいたいの目安としてはは下記の計算をするのがおすすめ
水深×2(または3)=その場所にあったメタルジグのウエイト
例えば水深80m なら160~240gということになる。
ただ、沈下速度を変えたいときや潮流の速さ、ジグの形状や素材によっては、状況に応じてウエイトを変えていく必要がある。
とくに、釣り船で重要なのは、船中である程度ジグウエイトを合わせること。オマツリ(周りの人と仕掛けが絡まること)防止のためにも徹底したい。
差がつくのはナゼ?
釣れない状況に直面したらシャクリ方を変えるのがひとつの方法だが、それでも限界を感じることがあるだろう。では、どうすればよいか?「ジグなんてどれも一緒、魚がいれば何でも釣れる」と言う人もいるが、同乗者の間で釣果に差が出るのはよくあることだ。 釣り座の影響もあるかもしれないが、変えてもひとりだけ爆釣ということもある。
もちろん、使用するロッドやアングラーの体力が違えば、同じジグを使っていたとしても水中で同様の動きをしているとは限らない。 ゆえに、自分の体力やシャクリのリズムに合ったジグをみつけるのが釣果を上げる方法のひとつだ。 そのためにも、ジグの形状や素材による違いを知っておきたい。
形状
ジグの形状は、同じウエイトであることを前提として「ショート」、「セミロング」、「ロング」、「スロー系」と、長さ別で大まかに4つに分けられる。対象魚が捕食しているベイトのサイズや形状に合わせることは、釣果を伸ばすための前提条件と言ってよい。以下がそれぞれの特徴だ。
ショート
ウエイトが軽いものが多く、引き抵抗も軽いためハイピッチで小刻みに動かすことができる。コンパクトなシルエットゆえ、意外に底取りもしやすい。カタクチイワシなど、小型のベイトが捕食されているときに有効
セミロング
現在、最もバリエーションが豊富。ロングとショートの利点を兼ね備え、両者の中間的な特性を有する。ビギナーは迷ったらこのタイプがおすすめだ。ちなみに、北海道ではどの海域でもパイロットルアー(最初に投入する一本)として使われている
ロング
一般的に引き重りするものが多く、ハイピッチのジギングだと身体への負担が大きい。主にロングジャークのメソッドで、アピールさせるように使う。その長さから、イカナゴやスルメイカなどの細長いベイトが捕食されているときにハマるタイプ
スロー系
全体的に扁平な形状で、「木の葉型」とも呼ばれる。近年、このタイプのジグはスロージギング用に設計されたものがほとんど。ゆえに、ゆったりしたジャークにもよく反応しアクションを起こす。フォール(落とし込み)時のアピール力も極めて高い
ウエイト配分
ジグのウエイト配分は、沈下速度やフォール姿勢などに影響を及ぼす。「センターバランス」、「フロントバランス」、「リアバランス」の3つに大別され、それぞれの特徴は以下のとおり。
センターバランス
最も多くのジグに採用されているウエイト配分。シャクリ後のフォールで横を向きやすく、フォール時間が長く取れるのでアピール度が高い。引き抵抗が軽く非力な人でも扱いやすいため、ビギナー向きとも言える。もちろん、ベテランも多用する
フロントバランス
シャクリを入れてジグが飛び跳ねた後に、自動的に前方から落ちていくアクションが特徴。沈下速度はやや遅め。大きくジャークしながらリーリングをするような誘い方が有効
リアバランス
最も沈下速度が速く、ボトムを手返しよく探るのに適している。重心が後方にあるため、キャスティングの際に飛距離が出るのも特徴
※現在、オフショア用ジグについては、極端なフロントバランスやリアバランスは少なく、「センターバランスのフロント寄り」、または「リア寄り」というタイプが多い
素材
ジグの素材は鉛が一般的だが、鉄やアルミ、タングステンなども使われている。これらは比重の低い順に アルミ<鉄<鉛<タングステン となる。比重の違いでもアクションや沈下スピードに差が出る。
鉛
一般的に最も使われている素材で、扱いやすい。1投目に結んで、その日の状況をつかむためのパイロット的な使い方が適している。サイズはベイトになっているであろう捕食物に合わせるのが基本。その際、天候や時間帯、水深に合わせてカラーを選択。それでもダメならほかの素材のジグを試してみる。
鉄
潮が止まっていたり、風がなく鉛のジグでは船の真下にしか落ちていかないときなどに試してみたい。鉛よりも着底するまで時間がかかる分、若干斜めに落とすことができ、より広範囲を探れる。また、シャクった後の滑走やフォールまでに漂っている時間が長く、魚に食う間を与えやすい。喰い渋り時に有効だ。
アルミ
鉄よりもさらに比重の小さい素材。同じ重さであれば鉛の数倍のシルエットになり、同サイズなら超軽量になる。必然的にフォールスピードも遅くなり、アクションが大きくアピール度が高い。ジグと言いながらプラグを動かしているような感覚に似ているかもしれない。混雑した船で使う場合は、周囲とのトラブルになり得るため船長への確認が必要。
タングステン
比重が大きく、同重量であればよりコンパクトな形状になる。その特性が活きるシチュエーションは、潮の流れが速いときや二枚潮のとき。また、ほかのアングラーよりいち早く着底させたいときに最適だ。ベイトサイズが小さい場合にも有効。潮が速いと、ジグが底に着いても船が流され、ラインが揉まれて着底が不明確になることがある。ラインが出ていくからまだ着底していないように感じ、いい加減着底しただろうとリールを巻き始めると根掛かりで「プッツン」。そんな事態もタングステンの感度のよさで回避できるかもしれない。
カラー選択
釣りをしていると、なぜかハマる「アタリカラー」がある。ただそれは状況によって変わり、今回のアタリカラーが次回も通用するとは限らない。釣行時は「備えあれば憂いなし」、各色用意しておきたい。
最低限おさえておきたいカラーは次の6パターン。小魚をイメージできるブルー系とグリーン系、そしてシルバー系。アピール色の代表格といえるピンク系。生きているイカに近い色といわれ、イカが食われているときに有効なアカキン(レッドゴールド)。水深のあるポイントや潮が濁っているとき、朝夕のマヅメ時に実績のあるグロウ(夜光)など。
なお、道内では海域を問わず「ブルピン」と呼ばれる、ブルーピンクが高い支持を得ている。ナチュラル色のブルーとアピール系であるピンクの混合は、最初に使うカラーとして選ぶアングラーも少なくない。サクラマスジギングで人気のグリーンゴールドや、近年ではゼブラカラーも注目されている。ゼブラカラーに関しては、あえてシルエットをはっきりさせず、物体がいっぱいいるように見せる効果があるようで、オキアミがベイトの際やシルエットを変えて見せたいときに試してみたい。
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