毛バリを水面に浮かべるドライフライ・テンカラはビギナーにも分かりやすく、この釣りの魅力を存分に知ることができる。魚が水面を割り、毛バリをくわえ込む瞬間は、脳裏に焼き付くほどのスリルがある!
フライとテンカラのクロスオーバー
写真と文◎編集部
こちらの記事は月刊『つり人』2021年7月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。
毛バリを水面に浮かべるドライフライ・テンカラはビギナーにも分かりやすく、この釣りの魅力を存分に知ることができる。魚が水面を割り、毛バリをくわえ込む瞬間は、脳裏に焼き付くほどのスリルがある!
目次
ビギナーこそ毛バリを浮かべて
上州屋坂戸店店長の大沢健治さんは小誌にたびたび登場する渓流釣りのマルチアングラー。秩父の渓をホームグラウンドに源流、本流と幅広いフィールドで渓魚を追う。テンカラ、エサ、フライ、ルアーと4釣法を楽しみ「近年は魚が浮いてる時期になると、フライよりもテンカラ釣りがメインです」と話す。
木や石に化けてアプローチする大沢さん
水面下までヤマメ、イワナが浮いてくるのはエサとなる羽虫が飛び交うからだ。小誌発売のころは水生昆虫が羽化する最盛期であり誰もがテンカラで釣果を得やすい。
大沢さんは毛バリを沈める釣り方をメインにするが、ビギナーこそドライテンカラをやってほしいという。
「毛バリを浮かべているとどこを流しているのかも魚が出る位置もよく分かります。それに食った瞬間が見えるのは非常に喜びが大きいんです」
どんな道具を揃えればいいの?
肝心の毛バリは市販品で構わない。入手しやすいのはパラシュート、エルクヘアカディス。これにドライシェイク、ドライジェルといった「フロータント」と呼ばれる撥水剤を塗ると、ぽっかり浮かべて使うことが可能だ。ちなみに大沢さんは黄色いボディー材にキジの剣羽根を2回巻いたシンプルな毛バリを愛用している。
この日メインで使用したのは黄色いボディーに剣羽根を2回巻いた毛バリ。ハリはオーナー「天野テンカラ」2~3号
「サオはできる限り短いほうが楽に振れます。ある程度いろんな川で使いたいのであれば3.3mがおすすめです」 ラインはテーパータイプが飛ばしやすい。ハリスは軽くてしなやかなナイロンの0.6~0.8号がよい。
ナイロンテーパーの「テンカラミディー」を愛用
ハリスはナイロン6X(0. 6号)もしくは5X(0. 8号)
ハリスの長さは1mが基本
ラインにコブを作り、そこに引っ掛かるようにハリスをぶしょう付けで接続
ドライジェルを少量を指に出して毛バリを何度かつまむようにして塗る。ハリスにも塗布するとよく浮く
ビギナーでも釣りやすいのは、ずばり小規模な渓流である。今回訪れたのは秩父荒川支流の薄川。2mほどの川幅で頭上が開けた部分も多く、毛バリを振りやすい里川である。走る魚影も濃く、大沢さんは好んで入渓する。