岩手県と秋田県の県境付近、その岩手県側の西和賀町を流れる和賀川源流部は、比較的容易にソ行できる渓として源流ファンに人気がある。周辺は豊かなブナ林に覆われていて、渓に降り立つまでの行程もその風景を楽しみながらの山歩きになる。
豊かなブナ林が育むイワナの楽園
写真と文◎浦 壮一郎
この記事の内容
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山越えで入渓
岩手県と秋田県の県境付近、その岩手県側の西和賀町を流れる和賀川源流部は、比較的容易にソ行できる渓として源流ファンに人気がある。周辺は豊かなブナ林に覆われていて、渓に降り立つまでの行程もその風景を楽しみながらの山歩きになる。ブナ林を歩くと、時に道に迷う恐れもあるが、和賀川源流は登山道利用であることから方向を見失うこともない。それでいて天然のイワナたちに出会うことができるのだから、源流ビギナーにとってもありがたい存在だといえる。
焚き火の前で仲間と語らう時間は格別だ
アベレージは25cm 前後だが、良型も充分にねらえる
登山道の入口はひとつ山を隔てた支流の高下川沿い。和賀岳に向かう登山道のため迷うことはない。山越えの高低差は400mほどで、標高500m付近(登山口入口)からピークの900m付近まで登り、和賀川徒渉点の700m付近に降りる行程になる。個人差もあるが徒渉点までの時間は2~3時間といったところだ。
徒渉点から上流へ向かうと、まずは規模の小さなゴルジュが現われる。といっても地形図にもゴルジュを示す印がないように、少し狭くなっているという程度で、平水時なら泳ぎなども皆無で容易に突破できる。もちろん増水時はその限りではない。そこを抜けるとなだらかな流れが続き、快適な沢歩き、釣り歩きが楽しめるようになる。
サオ抜けをねらって尺イワナ
源流とはいえ入渓が容易とあって、魚影はすこぶる多いとはいえない。おそらくは入渓までの行程が短いため持ち帰りの釣り人も入るのだろう。願わくばキープするのは現地で食べる分だけにしてもらいたいところだ。現状、アベレージは25㎝弱。ただしポイントを見落とさず、また不用意に近づかなければ尺イワナに出会うことは充分に可能だ。
釣り方に関していえば、渓相がなだらかな区間が多いためテンカラもしくはフライフィッシングが最適。警戒心が高いイワナに対しては、距離を取ってアプローチできるフライに分があるかもしれない。なお、エサ釣りでも浅瀬を流すスキルのある人なら、ヒラキに出ているイワナを追い立てることもないはず。そうすることで安定した釣果が約束される。
ブナ林の中を通っている林道を使ってアプローチ
難所はなくビギナーでも安全にソ行できる
●管轄漁協:西和賀淡水漁協(TEL0197・82・2270)
※この記事は月刊『つり人』2018年4月号に掲載したものを再編集しています。情報は掲載時のものです。解禁日・入漁料等は管轄漁協にご確認ください
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