「よくこの川でコイが泳いでいるな」と橋の上から水中を眺めていたそんな近所の川こそが、パンコイの舞台。ロッド1本にエサは食パン、ミチイトにハリを直結するシンプルな仕掛けで1年中楽しめ、誰でも簡単に大物の引きを味わうことができる。まさに「安近短」なビッグゲームなのだ。
コロナ禍で熱視線。最も身近なビッグゲーム! 今回は、パンコイの3つのメソッド、「浮きパン」「枝パン」「沈みパン」を紹介。
編集部=文
この記事は『つり人』2022年4月号に掲載したものを再編集しています。つり人のバックナンバーは定期購読をお申し込みいただくとデジタル版バックナンバーが4年分以上読み放題! 詳しくはこちらをどうぞ!「よくこの川でコイが泳いでいるな」と橋の上から水中を眺めていたそんな近所の川こそが、パンコイの舞台。ロッド1本にエサは食パン、ミチイトにハリを直結するシンプルな仕掛けで1年中楽しめ、誰でも簡単に大物の引きを味わうことができる。まさに「安近短」なビッグゲームなのだ。
パンコイの道具立て
浮きパン&枝パン用タックル
沈みパン用タックル
浮きパンにはバス用のワームフック「キロフック・ハイパー#1」(カツイチ)、沈みパン用に「管付きチヌ5号」(がまかつ)を用意。沈みパンに使うカミツブシは「ウォーターグレムリン」の約0.8g
エサに使用するのは食パン。できるだけ「もちもち感」のあるものを選ぶ。パサパサしているパンは水に濡れたときにすぐグズグズになってハリ持ちが悪い。コンビニやスーパーで買えるものだと「超熟」がおすすめだ。できるだけ賞味期限が長く(時間が経つとパサつく)、厚みは6枚切りがちょうどよい
バイトシーンに大興奮! 基本の「浮きパン」
コイが目視できる小規模河川や水路などがパンコイに適したフィールド。今回取材を行なったのは手賀沼(千葉県)に注ぐ大堀川の上流部
いつも近所の川で見かけるコイたちがターゲット
パンコイの基本はパンを浮かせて釣る「浮きパン」だ。水面のパンがコイに吸い込まれる瞬間は興奮もの。
道具のシビアさはないものの、アプローチには繊細さが求められるのがパンコイ。パンをできるだけ自然に流すのが理想で、ラインの影響を受けてパンが不自然に動いていたり、あるいは流れがある場所で留まっていたりすると、コイは警戒してなかなか口を使ってくれない。
パンが波紋を立てたり、不自然な動きをしたりせず流れていればOK
ラインにドラッグか掛かってしまうとこのようにパンが波紋を立ててしまう。この状態のパンは絶対に食われない
まずは、立ち位置から下流に向かってパンを流していく。ねらいどころはコイが溜まっているスポットや、水面でパクパクしているところ。
キモは、あまり遠くまでパンを流さないことだ。距離が遠くなればなるほどパンのコントロールが難しくなり、イトがたるんでフッキングも決まりづらい。仮にうまくヒットさせたとしても、自分とコイの中間のポイントがすべて潰れてしまう。よって、食わせどころは遠くても自分から15mくらいまでにしたい。
また、必ずリールから手でラインを引き出しながらパンを流そう。スピニング、ベイトいずれの場合も、スプールフリーに頼ってラインを放出すると、わずかながらラインに抵抗が掛かってパンが不自然な動きをしてしまうからだ。
ラインメンディングが重要!
コイがパンに食いついても、焦って早アワセをするのは厳禁。コイがパンを口に入れ、水中に引き込んでからたるんだイトを全力で巻き取り、ラインが張った状態から力強くアワせる。この釣りで最も興奮する瞬間だ。
パンが引き込まれたか目視できない距離にある場合は、水面を這うラインが動いたのを合図にフッキングする。コイが水面に出ても、ラインが持っていかなければ我慢だ。ただしこの方法は難易度が高いため、やはりパンがしっかり見える範囲で食わせるのがいいだろう。
浮きパンのセッティング
浮きパンで使うのはハリ持ちのよいミミ+白身の部分。ここを長さ5㎝、厚み2㎝ほど取って使用する。ミミのほうから一度刺し抜く
フックを反転させて、反対側からもう一度刺す
完成。パンが2 点でフックに固定されるので、ハリ持ちがよくなる