9名の日本人選手がボーターとしてフル参戦し、大きな注目を集めた2019年B.A.S.S.セントラルオープン。 ここでは、日本人選手が決勝に進出した際のメインルアーを公開。なぜ、そしてどのようにこれらのルアーを使ったかがわかれば、日本のフィールドにも生かせるヒントがあるはずだ。
セントラルオープン・ファイナリストを支えたルアーたち/松下雅幸/第4戦グランドレイク8位入賞
Basser編集部=文
9名の日本人選手がボーターとしてフル参戦し、大きな注目を集めた2019年B.A.S.S.セントラルオープン。その結果は、全試合で日本人が決勝(競技2日目終了時点の上位12名まで)に進出と、日本のみならずアメリカでも大きなインパクトを残したシーズンとなった。ここでは、日本人選手が決勝に進出した際のメインルアーを公開。なぜ、そしてどのようにこれらのルアーを使ったかがわかれば、日本のフィールドにも生かせるヒントがあるはずだ。
●サカマタシャッド6in(デプス)+5gジグヘッド#3/0(サンプル品/オーナーばり)
ボディーウォーターに近い、水深のあるボートドックの中層に浮いているラージとスポッツをミドストでねらった。
松下「ねらっていたのは水通しのいいスポットに浮いた夏のバス。プラでボートドックの脇をかすめるように通ってハミンバードのダウンイメージでバスの存在を確認し、本番ではそこをミドストで通しました。かなりのバイトが得られたので、この釣りでベースのウエイトを作るプランでした。サカマタのミドストは夏の琵琶湖の取水塔や橋脚などでもよく釣れるので試してほしいです」
●イヴォーク2.0(デプス)+45MF#2(オーナーばり)
キッカーねらいのカバークランキングで使用。フックを大型化するため、ショートシャンクで前後のフック絡みを起こしづらい「45MF」を装着した。
松下「イヴォーク2.0は、僕的なカバークランクの超一軍ルアーです。強めのアクションと障害物への食いつきやタッチ感、姿勢の復元の早さなど、どの性能も優れてる。とにかく根掛からなくて釣れるクランクです。弾性率の高いロッドだとカバーにヒットしたときにクランクが跳ねてしまうので、グラスや低弾性カーボンロッドをおすすめします。ちょっとしたカバーをクリアするだけなら普通のカーボンロッドでもいいですが、アメリカのウッドカバーはとにかく量と規模が半端じゃないので、クランクがカバーをかわす状態にしてくれるロッドじゃないとやり切れません。
また、カラーも重要で、濁っているときはチャート系を使い分けます。僕がイヴォークを好きな理由に、チャート系カラーのラインナップの豊富さも挙げられます。ささ濁りなら『琵琶湖チャート』、濁りなら『ガンメタチャートグリッター』、強い濁りには『ブルーバックチャート』と、選択肢が極めて多いです。50㎝くらい潜らせたときにルアーが見えなくなるかどうかのカラーを選ぶようにしています」
●スイートビーバー(リアクションイノベーション)+ジャングルフリッピングフック#4/0(オーナーばり)+7gバレットシンカー
松下「ミシシッピリバー戦の初日に強烈な体験をしました。僕がバルビュータのテキサスでかなり丁寧に撃ったカバーから、コアングラーに3発バスを抜かれたんです。そのとき彼が使っていたのがスイートビーバーでした。正直バルビュータのフリップにはかなり自信があって、自分が撃たれたあとからやられるなんて考えたこともなかったんです。それまでは、『アメリカのバスはいるとこに落とせば食う』という感覚もあったんですが、ルアーひとつで大きな差になると痛感しました。ちなみに、2日目に僕もビーバーでカバー撃ったら釣れました(笑)。フリップベイトに関しては水をバタバタ動かすものとそうでないもの、どちらもないといけないようです」
●Bカスタム3/8oz(デプス/リアブレードを#5に大型化)
サカマタシャッドで釣っていた中層のバスをねらう手段として、スピナーベイトも用いた。
松下「カーブフォールでゆっくりねらうため、ブレードを大型の#5に交換しています。トレーラーフックは必須で、試合時はこれにスプリットテールトレーラー(ZBC)をつけてさらに視覚的アピールをプラスしました。スイートビーバーの話もそうですが、アメリカのバスは想像以上にルアーを選んでいます。バスプロの友達もアメリカにたくさんいるのですが、うまい奴ほどスピナーベイトのスカートを巻き替えたり、ジグに必ずラトラーをつけたり、細かいところを工夫してます」
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今号では、日本人選手たちが目覚ましい活躍を見せた2019年B.A.S.S.セントラルオープンを振り返り、彼らの戦いぶりや来期への展望などをまとめています。
すでにB.A.S.S.オープンに出場していた加藤誠司さん、伊豫部健さん、木村建太さん、松下雅幸さんに、今年がルーキーイヤーの伊藤巧さん、青木大介さん、北大祐さん、片岡壮士さん、北嶋一輝さんを加えた9名の日本人参戦は史上最多。それぞれ環境も立場も違う日本選手たちは、何のために海を渡り、そこで何を見て、何を感じたのか。参戦初年度でエリート昇格を果たした伊藤巧さんの躍進の理由や、これから待ち構えている試練、師匠である田辺哲男さんから託された言葉などに迫ります。
また、クライマックスを迎えた国内の主要トーナメントレポートも充実。JB TOP50では超新星・藤田京弥さん、TBCでは利根川の帝王・沖田護さんの最終戦に編集スタッフが密着取材。彼らの圧倒的な強さの秘密や、年間タイトル獲得に至る激戦の模様をお届けします。
2019/11/06