伊藤巧のB.A.S.S.参戦記 セントラル2戦を終え年間レース暫定首位!ルイススミスレイクは亀山湖だった。
ルイススミスレイクは亀山湖だった。
サイト・ビー=まとめ
絶体絶命の危機からの凌ぎ
ルイススミスレイクで開催されたセントラルオープン第2戦を8位で終え、AOYレースでリーダーとなった伊藤巧選手。試合終了直後、この試合を振り返ってもらいました。
伊藤選手はこの試合、スポッツとラージのミックスバッグをねらって2つのクリークをラン&ガンする戦略を組んでいました。
初日、スポーニングフラット沖にポジショニングするメスのスポッツとビッグラージねらいのメインにする予定だったのはフラチャット18g+レディーバランス。プラではシャローフラットにウィードが絡むエリアを南風が吹いたタイミングでねらい手ごたえを得ていました。スカートのカラーは初戦のクリスタルSと同じくホワイトクリスタルにコンフィデンスがありました。手持ちが1個だったため巻き替えて試合に臨むという「またしても」な展開。
そしてスポッツねらいでボルケーノグリッパー1/2oz+レディーバランスとカワシマイキーのパターンも組んでいました。岩盤際を腕がパンパンになるくらい速く巻いて、岩盤の角などで追い込ませるようにバイトさせるイメージです。
「このレイク、見た目が亀山なので亀山の釣りを試しました」
もちろん亀山湖にはスポッツはいませんが、亀山のイメージをスミスレイクに当て込んでいく感じでイメージを沸かせました。
走行中にプロペラが割れてロワーケースに激突し、ケース上部が破損。走行不能となってしまったのです。
「終わった……エリート昇格無理だ……」
とっさにそう思ったという伊藤選手。
本部とのやりとりの結果、ボートを本部に陸送し修理することに。修理自体は20分で完了したものの、移動を含め3時間以上のロスとなってしまいました。しかも、すでに釣っていたキーパーはルール上リリース。とはいえ、走行不能という最悪の事態から、なんとか4時間釣りができる状態にまでリカバーできたことは不幸中の幸いでした。
「短い時間で完璧に直してくれたサービスクルーには感謝してもしきれないです」
そしてリスタート。「デカいのはあきらめて、今日は揃える」。そう判断した伊藤選手は5inヤマセンコーのヘビダンと3inファットヤマセンコーのダウンショットでリミットメイクに成功。11Lb9ozで52位。決して悪くない成績で初日を終えたのです。この初日のリミットメイク、成績こそ目立たないかもしれませんが超ファインプレーでした。一年を終えて振り返ったとき、ここがターニングポイントになるかもしれません。
「亀山湖の釣り」で大マクリ
2日目は本湖下流のミドル~ディープでスポッツのプリスポーナーをねらいました。クロステールシャッド4inのロングリーダーダウンショットで1時間のうちにリミットメイク。ロングリーダーなのは魚探に映るバスがボトムから3m浮いていてたため。ファーストフォールで気づかせて追いかけさせるイメージで釣っていきました。推定ウエイトは12Lb(およそ5.4kg)。5尾で10Lb前後のウエイトが多かったこの試合。ここからいかに3Lbオーバーを混ぜるかが上位にジャンプアップするためのカギでした。初日のスコアは団子状態だったので、1~2尾いい魚が混じるだけで大幅なマクリが期待できます。
リミットメイク後、中流でカワシマイキーの超高速巻きを試すと4Lbのラージと3Lbのスポッツがバイト! 雨のインレット絡みでした。シチュエーションもルアーも「亀山湖」……。伊藤選手は亀山湖ののむらボートによく通い同湖の釣りを学んでいました。その経験が異国の地で生きたのです。
カワシマイキーの超高速巻きはH-1グランプリで競っていた福島さん(牛久沼ロコ)のグリグリ巻きから派生したものだと伊藤選手は言います。
結果、2日目のウエイトは15Lbジャスト! 5位まで順位を上げて決勝に臨むことになりました。
そして最終日。
この日は晴れてカワシマイキーの釣りはワークせず。
朝にクロステールシャッド4inのロングリーダーダウンショットで2尾はキャッチしたものの、減水の影響もあり時合が短い印象。
ライアンクリークに向かい、カワシマイキーを投げようとしたところでバックシートのアングラーが岸ベタのワッキーリグでノンキーパーを釣ったのを見て方針転換。水深5mの場所の水面下1mで食った印象だったと伊藤選手。「魚は壁際に浮いているけど、カワシマイキーはスルーされているかも……」と感じました。
そこで選んだのはスレンダーグラブ(テールカット仕様)の1/16ozジグヘッドワッキー。岩盤際でシェイクしつつフォールさせました。実はこれも亀山の釣り。アフター期の岩盤の定番パターンです。丁寧に撃っていきリミットメイクに成功。「完全に亀山フィネス!」。
最終日のウエイトは8Lb13oz。最終順位は8位でした。
最初にも書いたとおり、オープン残り2戦で暫定年間順位は1位。
アメリカ挑戦初年度にしてこの成績……。
「次の試合はミシシッピ。釣りをしてみないことには何もわかりません。初戦だと思って緊張感をもってコツコツやっていきます。今回は多くの人にたくさん心配をかけてしまいましたが、皆さんのおかげでなんとか繋がりました。次戦も頑張りますのでよろしくお願いします」
B.A.S.S.セントラルオープンとは?
Basser2019年3月号でお伝えしているとおり、2019年は多くの日本人選手がアメリカのトーナメントに挑みます。
なかでも最多の日本人選手が参加するのがB.A.S.S.セントラルオープン。
オープンシリーズはエリートシリーズの下部カテゴリーという位置付け。
年間上位がエリートへの昇格権を得る仕組みです。
セントラルオープンに参加する日本人は青木大介選手、伊藤巧選手、伊豫部健選手、片岡壮士選手、加藤誠司選手、北大祐選手、北嶋一輝選手、木村建太選手、松下雅幸選手。
第2戦は4/25-27。アラバマ州ルイススミスレイクが舞台。
魚種はラージマウスとスポッツ。キーパーは15in。
選手たちはスポーン~ポストスポーンのバスをねらうことになるのではないか?
というのが日程が発表されたときの大方の読みでした。
トーナメントレギュレーション等は発売中のBasser2019年3月号で詳報しています
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水辺へ行こう。一緒に釣りしよ。
表紙をクリックすると試し読みができます
今号は、私たちが友人、子ども、家族の先生となって一緒に釣りを楽しむための特集です。
たとえば、近年の学校では「友だち同士で水辺に近づかない」と教育されます。つまり、大人たちが積極的に水辺に連れ出さないかぎり、子どもたちが自分から釣りに親しむようになることはほとんどありません。
「バス釣り」という素晴らしい遊びをもっと多くの人に知って楽しんでもらうために、まず私たちに何ができるのか。その方法を一冊にまとめました。
鬼形毅さんは、自分の子どもを釣りにのめり込ませる方法を教えてくれます。
そのほか、釣りへの導入としてのガサガサの楽しみ方や、釣り掘りの上手な利用の仕方、オススメのタックルや初心者でもバスをキャッチしやすいルアーカタログなど、5月の連休に読者の方が誰かにとってのよき「先生」になるためのヒントが満載です。
また、国内外の熱いトーナメントレポートも見逃せません。
BPTの設立とそれに伴う主要選手の大量流出を受け、トップレベルのトーナメントアングラーが集うのは今回が最後になる可能性が高いバスマスタークラシック。その節目の大会を制したオット・デフォーの戦略と、クラシックの行く末とは……。
日本国内ではJBTOP50が開幕。サイトの達人である三原直之さんと山岡計文さんの手に汗握る一騎打ちのもようを掲載。また、W.B.S.やTBCなどのウイニングパターンも必見です。
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2019/04/28