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編集部2016年11月27日

篠塚亮のテトラ撃ち道場 :第5回(全5回)

Basser バス釣り

冬といえばテトラ撃ちの季節!!JB TOP50屈指のテトラーである篠塚亮先生に、厳しい冬の釣行で心のよりどころとなるテクニックを伝授してもらいましょう!今回は利根川から常陸利根川へ移動して、本題の「見えるテトラ撃ち」がスタート。

テトラには近づいて釣るのが断然有利!

編集部=写真・文 もりなをこ=イラスト

冬といえばテトラ撃ちの季節!!
「え? そうなの?」という方もいるでしょうけれど、そういうものだと思ってください。
そしてテトラ撃ちといえば「しのつか」さんです。
「しのづか」ではなく「しのつか」です。
JB TOP50屈指のテトラーである篠塚亮先生に、厳しい冬の釣行で心のよりどころとなるテクニックを伝授してもらいましょう!


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※この記事はBasser2013年2月号に掲載されたものを再編集しています

sinotuka01講師=篠塚亮(しのつか・りょう)

1980年生まれ。東京水産大学(現・東京海洋大学)卒で、同大学の先輩である並木敏成さんのあとを受けて卒論の題材に「ブラックバスの釣獲調査」を選ぶ。学生時からJBマスターズやNBCチャプター茨城に参戦。2006年にTOP50へ昇格。主な戦績は2009年JB TOP50 第5戦桧原湖優勝、2013年JBジャパンスーパーバスクラシック北浦優勝。2015年JB霞ヶ浦年間優勝など。

ブログ「シノツカ君、幸せそうなの。

山形1生徒=ヤマガタ(Y)

1978年生まれ。世界中のバス釣り雑誌編集部員のなかで、篠塚先生のテトラ撃ちをもっとも長時間見ているランキング1位(TOP50で同船して通算6日間分見ている)。

s4生徒=ササキ(S)

1984年生まれ。2013年のオールスターで優勝した小野俊郎さんのウイニングエリアは利根川のテトラ帯。そのオールスターの2日後、篠塚先生に教わったとおりに、オカッパリで同じテトラ帯をねらうとナイスフィッシュを3尾キャッチできた。

254-dojo-026a テトラ撃ちとは……消波ブロック(通称テトラ)帯のバスをねらうため、ブロックの隙間にリグをプレゼンテーションしていく釣り方。

穴に接近して撃つべし!
接・近・し・て・撃つべし!!

 利根川から常陸利根川へ移動して、本題の「見えるテトラ撃ち」がスタート。ここでは水面下にテトラが見えているし、水深がありそうな場所も偏光グラス越しにわかるので、少なくとも「何をやっているのかわからない」ということはなさそうだ。

y3 いや~、ここは釣りしててだいぶ落ち着きます。

s4 普通にシェードの中にバスがいそうですもんね。

y2 けど、ここはテトラ帯。俺らが今まで撃つのを敬遠してた場所だよ。

s4 撃つ釣り大好きな先輩がテトラを避けてた理由って何です?

y2 テトラって回収不能の根掛かりが多いよ。植物系カバーだったら、引っ掛かりやすい場所でも60LbくらいのPEラインを使えば無理やり回収できるけど。

s2 60Lbでもテトラに引っ掛かったら終わりですよね。

y3 ということで、まず知りたいのは「根掛からずにテトラを撃つ方法」です。

sinotuka01篠塚 簡単ですよ。ねらう穴の真上からリグを落とし込めばいいだけです。真っ直ぐ落としたリグは、真っ直ぐ持ち上げれば引っ掛かることはまずありません。

Q.回収不能の根掛かりを避けるにはどうすれば? 254-dojo-012 A.ラインを乗せる場所をきちんと決めてから撃つことですね。
ポイントは「ラインとテトラの接点」だ。ラインに接する部分が「テトラとテトラが重なっている箇所(V字の溝)」になると、シンカーが引っ掛かってしまう。それを避けるには、「テトラの面」にラインを乗せること。こうすることで、フッキング後に魚ごと根掛かることも回避できる

y3 そっかー……、って、そこまで大胆に撃つ場所に近づいていいもんなんですか?

sinotuka02篠塚 大丈夫ですよ。というか、近づいたほうがいろいろな意味でよく釣れます。「ねらう穴にできるだけ接近する」のは、テトラ撃ちの基本中の基本だと思ってください。きっと近づくことでバスにプレッシャーを掛けてしまわないか気になるんですよね?

y3 はい。

sinotuka01篠塚 テトラというしっかりした障害物の中にいる魚をねらうので、静かに近づく分にはまったく問題ありません。ボートでも大丈夫なんですから、オカッパリではほとんど影響がないはずです。

s4 なるほどです。では、接近することのメリットって何ですか?

sinotuka01篠塚 まず、「リグをしっかり隙間に落とせる」ということですね。

y3 とにかく落とせないと釣れませんよね。それは朝イチの場所で痛感しましたよ。

sinotuka01篠塚 理想は完全にバーチカルに落とし込める立ち位置やボートポジションをとることです。「穴撃ち」といえば以前、ボートのロックフィッシュゲーム(根魚のルアー釣り)で面白いことがありました。同船した男女のお客さんのうち、リールの扱いがままならないから、女性のほうがよく釣っていたんです。

s4 ままならない、から?

sinotuka01篠塚 はい。男性のほうは釣り慣れているのでキャストしたがるんですよ。でも、女性はクラッチを切ってリグを落とすのが精一杯。で、女性だけがポンポン釣る、と。

y3 魚がいるところにちゃんとルアーが入っていたのは女性のほうだったんですね。

s3 バーチカルに釣っていたから。

sinotuka01篠塚 そういうことです。でも、理由がわかった僕としては、投げて釣りたくなるわけですよ(笑)。あと、ロックフィッシュってバスに比べてヘビーシンカーを使うんですけど、軽いほうが食うんじゃね? みたいな(笑)。試しました。

y3 どうでした?

sinotuka01篠塚 ぜんぜんじゃないですけど、釣れませんでしたね。「バーチカル」と「きちんと落とし込めるシンカーのウエイト」が、技術よりも優先されるということ。これはバスのテトラ撃ちでもいっしょです。

s3 きちんと落とせて釣れるし、根掛かりも極端に減るし、バーチカルに釣るのはいいことづくめですね。

バイトのあとも接近していたほうが断然有利!


sinotuka01篠塚 接近ネタは続きますよ。ティップから真下を釣るときと、フリップして軽く振り込んだときで、リグを操作していて何か違いを感じませんか?

y2 ごく近距離でフリップしただけでもラインがテトラに擦れるようになります!

s2 ラインがキズつきそうでイヤですよね~。

sinotuka01篠塚 ふたりが無意識にしているように、ティップの位置を高く保つことで、テトラとラインが急な角度で擦れないようにすることはできます。けど、バイトがあってアワせたら強く擦れるのは避けられません。そういう意味でも、やっぱり接近することが大事なんです。

s4 真上から落として、真上にアワせれば、擦れませんもんね。

sinotuka01篠塚 実際には擦れるんでしょうけれど、テトラに乗ったラインが急角度で折れている状態で強く擦れるよりは遥かにマシです。少なくとも、アワせた瞬間にスパッといくことはありません。

y3 根掛かりとラインブレイクが「接近」で解決されました! でも、オカッパリでもボートでも、ねらう隙間にそこまで近づけない場合もけっこうありますよね。そういうときはどうすれば?

sinotuka01篠塚 キャストする前に、「ラインを乗せる場所」をしっかり決めてから投げることです。テキトーにキャストして、足もとから離れた場所で、ラインがテトラとテトラが重なっている部分(V字の溝)に挟まってしまうと、それに誘導されてシンカーが挟まって、回収不能になります。そうならないように、「テトラの面」にラインを乗せて、そこから真下へ落とし込むようにすればいいんです。

y4 (実践中)……あ、なるほど。こりゃ簡単です。ラインをこの状態にしてリグを操作すれば、「掛けたあとで魚ごと根掛かり」みたいな最悪のケースも未然に防げますね。

sinotuka01篠塚 「タックルセッティング」と「接近」の重要性がわかったら、あとはリズムよく撃てるようになるために、ひたすら撃つことです。テトラ撃ちもカバー撃ちの一種ですから、慣れによって手数を増やすことが大事です。

テトラ撃ちのダウンショットはリアクションバイトを誘うリグ


y3 「カバー撃ちの一種」という話が出ました。ということは、低水温期でもバスの目の前にスコンとリグが入ったら、意外と簡単に食ってくるんですか?

sinotuka02篠塚 しつこく誘って食ってくるケースよりも、入れてすぐにアタったり、重みが乗ってシェイク中のサオが止まったりすることが多い、リアクションの要素が強い釣りです。だからフォールは重要ですね。リールのスプール回転でラインを送るのではなく、テンションフリーでストンと落とさないと釣れません。穴に接近できる場所では、フリップの要領で使うラインをあらかじめリールから引き出しておきます。穴が少し遠い場合は、ピッチングのフィニッシュでロッドを立てて、そこからロッドを倒し込んでいくことでリグをフリーフォールさせます。

y3 カバー撃ちの基本ですね~。テトラ撃ち、愛せそうです。

s4 リアクションねらいだから冬も効くんですね。

sinotuka03篠塚 そうです。引っ掛かりにくいように細身のシンカーを使ってますけど、「食わせよう」として必要以上に軽いシンカーを使うと、穴には入らないし、フォールスピードが遅くなってリアクション効果が下がるしで逆に釣れなくなります。

テトラ撃ちの手順
写真は軽く振り込むくらいの距離にある穴を撃っているところだが、足もとを釣る場合も手順は同じだ。

254-dojo-013 リグを振り込むときは、フィニッシュでロッドを立てる(ティップのポジションを高い位置に持ってくる)


254-dojo-014 ①からロッドを倒し込んでいくことで、ラインにテンションを掛けずにリグをフリーフォールさせる。ファーストフォール一発でリアクションバイトしてくることがもっとも多いので、ストン!と落とし込むことが大切だ。シンカーがボトムに着いてもすぐにはラインを張らず、ソフトベイトをふわっと漂わせる。その後、トントントン!とシンカーを軽く暴れさせるイメージでアクションをつけ、再びラインテンションを抜いてふわっとさせる。誘って食わせる意味合いもあるが、こうすることでリグがより深くまで落ちていく穴を探しているのだ。「トントントン! ふわっ」を3回やって、さらに落ちていく気配がなければピックアップ

254-dojo-015b「トントントン!」とシンカーを暴れさせ、バスにアピールしつつより深い穴を探す

254-dojo-015c「すっ」と2段階目のフォールが始まる場合もある

254-dojo-016「トントントン! すっ」と2段階目のフォールに成功したら、そのボトムでまた「トントントン! ふわっ」を行なう。3回やってさらに落ちていく気配がなければピックアップ

254-dojo-017撃っているストレッチのおよその水深が掴めたら、いちいちリールでラインを巻き取らずに、フリッピングの要領でリグをピックアップする。次の振り込みの精度が高まり、手数も増える


 
 

 

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2019/11/27

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