2012年のJB TOP50さめうら湖戦。優勝した山岡計文さんのメインパターンはミッドストローリングだったが、同船取材した記者は水面ピクピクに次々とバスが沸いてくる衝撃的なシーンを目にした。「水面はバスにとって特別な場所」という山岡さんに、夏の水面をバスのバイトで弾けさせる方法を聞いた。
先入観を捨てることがトップウォーターで釣るためのコツ
Basser編集部=写真と文
2012年のJB TOP50さめうら湖戦。優勝した山岡計文さんのメインパターンはミッドストローリングだったが、同船取材した記者は水面ピクピクに次々とバスが沸いてくる衝撃的なシーンを目にした。「水面はバスにとって特別な場所」という山岡さんに、夏の水面をバスのバイトで弾けさせる方法を聞いた。この記事はBasser2012年9月号に掲載されたものを再編集しています。
「ピクピク」の秘密
キーは「ワームの張りと比重」
優勝レポートに掲載した写真。市販品より細いことに気づいた方、いましたか?
上の写真は山岡計文さんが優勝したJB TOP50 2012年さめうら湖戦のレポート(2012年7月号)に掲載した写真だ。スーパーシャッドシェイプ4inを愛用している人は気づいたかもしれないが、山岡さんがピクピクに使っているこのワームは市販品よりひと回り細い。特注モデルというわけではなく、簡単にできるチューンなので試してほしい(※第4回で詳しく紹介します)。コーティングを剥がすことで、スーパーシャッドシェイプ4inは絶妙に水に絡むピクピク仕様に生まれ変わるのだ。
「いや、もったいないからミドストとかで使い古したのをチューンしてください。ジグヘッドリグとはハリを掛ける位置が違うので、チューンであり再利用方法です」
……さて置き、山岡さんがピクピクで重視するのは、ワームの「水への絡み方や水押し、波紋の出方」であり、それを左右する実質的要素は「ワームの張りと比重」だ。つまり、素材が軽く、張りがあり、短いワームほど水面にプカリと浮くので、水面に広がる波紋は大きいが、水中に垂れ下がって下方向へ水を押す力は弱い。逆に、素材が重く、しなやかで、長いワームほど、水面に広がる波紋は小さいが、水中に垂れ下がっている部分が強い波動を生む。この違いがバスのピクピクに対する反応を劇的に変えるのだという。
記者はリアルさやフラッシングの有無といった見た目の要素が重要なのだと思っていた。しかし、その考えが間違っていたことを、山岡さんはこの実釣取材を通じて教えてくれた。
さめうら湖であれほどバスの興味を引いたスーパーシャッドシェイプ4in・改が、この取材当日の七色ではまるで不発で、代わって有効だったのが、マルチスティック4.5inやワッキーワーム6inといった、重く、小魚とはかけ離れた外見や色のワームだったのだ。
ピクピクに浮上バイトした58㎝! ※七色貯水池は、小さいバスの数釣りは割と手軽に楽しめますが、ねらって40㎝以上のバスを釣るのは難しい釣り場です。いちおう
なんだこの口のデカさは!?
「こういうときはコレ、と言い切ることはできません。それはピクピクのシェイクの仕方についても同じです。釣りは、アングラー本位にならないことが大事だと思っています。バスと相談して決まったことだけが正解だからです。コレでどうスか? あ〜、やっぱりお気に召しませんか。ならコレでどうスか? まだダメですか……って、下手下手に出ながら釣りをしてると、何かの拍子にバスの反応が変る。お、ソレは悪くないね、みたいな。そこからは強気です。ならコレでこうしてやる、ああしてやるぞ、と(笑)。すべての釣りが自分はこんな感じなんですけど、なかでもトップやサイトはバスの反応が見られておもしろいから好きですね」
58㎝を釣ったあとでさらに40㎝台後半を追加。ご覧のとおり、ピクピクでは濁りの影響がないエリアを探して釣った