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編集部2023年6月7日

アジングで釣果UP!ワームのカラーセレクト術

アジ 魚種別釣りガイド

ワームメーカーで商品企画開発をされている方にアジングワームのカラーレクト術について聞いた。

結局最後は食わせのワームカラーで決まる!

写真と文◎松本賢治

 

 

 

教えてくれたのは

 

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ワームメーカー『フィッシュラボ』の商品企画開発。マアジの自己記録は愛媛での45cm。ライトゲームやロックフィッシュゲームが特に好き。アジ料理が得意。滋賀県在住

 

 

カラーの考え方

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アジングがブレイクして十数年。これまで多くのアジング専用ワームがリリースされてきた。どんなルアーカテゴリーの釣りでも、カラーセレクトは必須ではあるが、正直それほど気にしなくても釣れてしまうカテゴリーもある。実際に「カラーは気にしない」というアングラーも多い。

だが、アジングに関してはカラーが攻めや食わせに大きく影響するものとして重要視されている。それはおそらく、数釣りができるだけにカラーによる反応の違いが検証できてしまうのもひとつの要因だと考えられる。そう、1日1尾釣れるか釣れないかのカテゴリーでは、なかなか検証のしようがないからだ。そんなこともあり、アジングにおいてのカラーバリエーション、カラーセレクトに対するアングラーの考えは進化のスピードが著しく速く、しかもこだわるほどに釣果に反映されるため面白いわけだ。

もちろん、アジングもレンジやアクション、リトリーブスピードなど攻めへ対する細かい部分のイメージは必要だが、ベーシックなテクニックさえ知っていればあとはワームカラーのセレクトだけでも充分に楽しめるところが人気の秘密でもある。今回はワームメーカー『フィッシュラボ』の長澤耀さんにカラーについて話を伺った。

「うちはすべてハンドポワード(ハンドメイド)でワームを作っているんで、好きな形状はもちろん好きなカラーの組み合わせが何通りも自在に作れるのが最大の特徴です。試したい色もすぐに少量で作れるんで、テスト釣行前にサッと作って行くこともよくあるんです。そのハンドリングの軽さがハンドポワードのメリットですね。インジェクション(機械での射出成形)だと、作るのに手間も時間も掛かるし、試作品が出来上がってもイメージと違ったら修正で、さらに時間が掛かってしまってテストも遅れる。ただ、大量生産はできますけどね」

難しく繊細なカラーも作りやすい。そのため、ハンドポワードでしか作れないカラーも多くある。歴史を振り返ると、ワームはハンドポワードから始まり、さまざまなパターン(ツートンなどの組み合わせ)が世に出ている。それに対しインジェクションは近年ようやくツートンなどが機械で可能になったという。

「例えば、ヘッドだけカラーが違うとか、テールの先だけ違うとか、コアカラー(芯だけ色を付ける)もできる。そういう細かい部分だけ色を変えることもハンドポワードなら比較的簡単にできるんです」

 

 

カラーローテーションとはアピールを考えること

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長澤さん自身、頻繁に大型アジを求めて遠征するほど、オフシーズン以外は常にアジを追っている。もちろん、ワームカラーのことを考えて。

「魚によって、効き色ってあるんです。効果的な反応のある色。アジだと金といわれています。アジの視力はそこまでよくはないようですけど色は認識できるみたいです。金に反応がいいというか、よく見えるようです。これは本能的なものだと思います。ウチもいろんな状況で使えるように、いろいろなカラーを出しています。現時点で25色ぐらいかな。たとえば、チャートなんかは自然界には存在しないカラーじゃないですか。でも、よく釣れる時がある。きっと、チャートに対しても本能的に反応しているのかなって思いますね。でも、チャートが効き色になるのか単に目立つから反応しているのか……そこはわかりません。ちなみに、チャートが何に見えているのか? っていうのは、自然界にない時点で魚にも自然には見えてはないんちゃうかなって思いますけどね。個人的には、アジの活性が高い時やマヅメ時なんかは、チャートはよく効く。あと、ソリッドカラーもですね。これらはアピールが高い系。逆にクリア系はナチュラルな感じ。光を透過しやすいんで自然に溶け込みやすい。エビや稚魚も透けているのが多いでしょ」

ソリッド系とクリア系。ソリッド系のようにシルエットが濃く出るカラーは存在感がありアピールは強くなる。対してクリア系は光を透過するため輪郭がボケてシルエットを曖昧なものとする。潮に馴染みやすくアピールは弱くなるナチュラル系。

「アピール度を上げたいときは、シルエットの出るソリッド系のカラーを選ぶようにしています。オレンジ系やホワイト系……色というかソリッド系ですね。それにグローが入っていれば、なおさらアピール度は上がります。この考えはナイトでもデイでも使えるんですけど、強いていうならデイではナチュラル寄り、ナイトではアピール寄りがいいですね。ちなみに明るい常夜灯周辺では、シルエットが出るソリッド系がいいです。あと、ナチュラル系でもシルエットが出やすいカラーもいい。例えば、ブラウン系ですね」

では、アジの活性によるカラーの使い分けはあるのだろうか?

「アジの活性が高い時はアピール系がいい。でも、釣れているからって同じカラーばかり使っているとスレやすくなる。だから、アピール系のカラーローテーションをしていくと、より釣れ続くと思います。それが、数釣りをするコツですね。逆にスレている時はナチュラル系をローテーションします」

 

 

迷ったらアピールの強いカラーからスタート

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ここまで話してきたことは、セオリー的なことであり決して釣行当日の正解ではない。季節やエリアによるエサの違い、潮色の違いなどで状況は常に違い当たりカラーも異なってくる。その答えを探すのがアジングの面白さでもある。

「同じ場所でも日によって当たりカラーって本当に違うんです。例えば、真っ暗なポイントでセオリー的にはアピール系カラーが強いはずやのに、釣れるのは真逆の地味なナチュラル系だったりすることもあるんです。絶対にその日その場所の当たりカラーがあるんで、それを見つけた人が数を釣る。だから、絶対にカラーローテーションはしたほうがいいですし、いろいろなカラーを用意しておくほうが、釣果が出やすくなるわけです」

とはいえ、最初に選ぶべきカラーがわからない方も多いはずだ。

「僕も迷うことがあります。そんな時は一番アピールの強いカラーから使っていきます。ソリッド系ですね。おそらく、最初に反応してくるのは一番活性の高いアジのはずですよね。だから、目立つカラーのワームで一番活性の高いアジから釣っていくイメージです」

そういえば、前述した効き色の金(ゴールド)は選ばないのだろうか?

「金は色というか金ラメですね。カラーでいうと、クリアゴールドラメは定番カラーですね。中間的な存在のカラーでいつでも使える万能色で、ゴールドラメやレッドラメは人気もあります」

釣りカテゴリーを問わず、よく聞くのが地域ごとの当たりカラーだ。アジングではどうだろうか?「多少はありますが、アジングに関しては全国的に見ても圧倒的にソリッドのチャートが人気です。クリアのチャートはソリッドに比べるとナチュラル寄りなのでデイゲームや常夜灯周辺で効果的です」

 

 

ラメやツートン(コアも含む)の効果とは?

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「ゴールドラメやシルバーラメ、レッドラメに続いて最近では蛍光ラメが出てきています。ラメはアミの集合体をイミテートしたりしています。実際にラメの有無ですごい釣果に差が出るわけではないんですけど、あるとないとでは変わってきますね。それは日によります。例えば、ラメなしのほうがナチュラル寄りになるんで、そういう使い分けはしますね」

 

 

ツートンで見え方を変えられる

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これまで、シルエットというキーワードが何度も出てきたが、シルエットとカラーの関係性とはなんなのだろうか。「やっぱり、カラーがはっきり出ているほうがシルエットはハッキリします。ツートンでも前後(ヘッド側とテール側)でカラーを変えているもの、特に色の出ているヘッド側とクリアなテール側の組み合わせをシルエットで見てみると、やっぱり前のほうはシルエットが出て後ろのクリアはぼやける。この時、アジはシルエットの濃い側を食べようとしてくるんですが、そこにはフックがあるんで掛けやすくなるわけです。さらに、ワーム サイズが2inだとすると前のシルエットだけ見えるんで、ワームを2inより小さく見せることもできる。つまり、2inの波動は出ているけれどそれより小さいサイズ感のシルエットで食わせたい時に選ぶのが前後のツートンということになります」

これまでカラーセレクトやローテーションのベーシックを説明してきたが、これらをベースにあらゆる状況でイレギュラーなカラーを試してみてほしいと長澤さんは言い、自身も、テストを繰り返す中でド定番カラーだけでは面白くないため、他社が出さないような個性的なカラーにも注目している。

「僕が大切にしているのは、やっぱり見た目のキレイさです。使っていても楽しいですからね。たとえば、ド定番のチャートであっても、海外で作ると一般的なチャートカラーになるんですけど、ウチでは、そこにまた手を加えて違った色味にしています。さらに、“これ釣れるんか?”っていうカラーも作っています。もちろん、製品化しているカラーはテスト済みですから、必ずハマる状況があるはずです」

フィッシュラボ製品のカラーは新製品が出るタイミングで2、3色増えるリズム。ド定番から外れた釣れるカラーなら、きっとアジの反応もフレッシュに違いない。

 

 

 

※このページは『つり人 2023年6月号』を再編集したものです。

 

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