ここ数年で人気が急上昇中の船からのマダコ釣り。これ以上ないという手軽さが魅力であり釣りビギナーでも充分にチャンスがある。と同時にハマると奥が深く、抜け出せない沼のごとしだ。手釣りとサオ釣りのキホンのキから応用まで解説する。
全くの初心者には竿を使わない「手釣り」がおすすめ
レポート◎編集部
ここ数年で人気が急上昇中の船からのマダコ釣り。これ以上ないという手軽さが魅力であり釣りビギナーでも充分にチャンスがある。と同時にハマると奥が深く、抜け出せない沼のごとしだ。手釣りとサオ釣りのキホンのキから応用まで解説する。
この記事は月刊『つり人』2020年8月号に掲載したものを再編集しています
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第1回
第2回
第3回
全くの初心者には竿を使わない「手釣り」がおすすめ
これからタコ釣りデビューをするなら、ほぼ手ぶらでOKの手釣りがおすすめだ。千田船長も「これからタコ釣りに入門するなら手釣りから始めてもらいたいですね。底の起伏の感覚やタコが乗る感触など文字どおり身体で覚えられますから」と言う。
投入の合図と同時に軽く手前にテンヤを放る。水深分の渋イトをあらかじめ出しておく
渋イトが巻かれた木枠は無料で貸し出してくれる。50号のオモリがセットされたテンヤは船宿で購入できる。最近はさらにアオリイカ用やタコ用の餌木をセットするスタイルが流行中だ
木枠にあらかじめ渋イトが巻かれ、その先にはスイベル、先イトもある。これは船宿が無料で貸し出してくれる。その先に結ぶテンヤは船宿に常備しているから必要な分だけ(最初は2~3セット)購入しておく。根掛かりでなくなった場合は船上で追加購入が可能だ。エサのイシガニも付いている。クーラーボックスのほかに用意すべきものは指サックとタコを入れておくネットとハサミくらいなものだ。
指サックを使って海底を探る
手釣りの魅力は手軽さだけではない。釣れるタコの平均サイズが大きいのだ。テンヤのハリは大きいため小型のタコは掛かりにくく、結果的に良型が中心になる。しかも、ハリもイトも頑強なため大型が掛かっても安心して取り込める。
シーズン初期でもテンヤの釣りなら良型が中心だ
釣り方は簡単。同船の場合はオモリ号数も50号で統一されているので、あらかじめ水深分以上の渋イトを足もとに引き出しておき、軽く正面へテンヤを放り、着底したら指サックをはめた人差し指の上に軽く渋イトを乗せ、トントンとリズミカルに小突けばいい。高さのある小突きにするのか、ズル引くような小突きにするのかは海底の起伏に応じて決めればよく、変化を感じたら軽く聞いてみて、重みを感じたら鋭く強くアワセを入れる。
サオを使わない分、浮上したタコが船の底や側面に張り付いてしまいやすいので、なるべく上半身や腕を海側に出して取り込もう。型がいい場合は船長や隣の釣り人にひと声かけてタモ網で掬ってもらおう。
「餌木も釣れるけどイシガニの威力も絶大。餌木を使っていてアタリが遠いとこれのせいかと不安になるけど本物は疑うことがありませんから」と千田船長。船宿常備のテンヤは縛ったタコ糸の余りをゴムに巻き付けるだけなので装着も簡単
飯田栄一さんもコンスタントに釣って軽くツ抜けを達成。去年は5ハイで11㎏だったというから「テンヤは型がいい」を証明している
記念すべき2020年の船中1パイ目をキャッチしたのは手釣り派の平木清さん。去年は3.6㎏の特大をキャッチしたそうだ
河口泰英さんと親せきのなおちゃんのコンビは息ぴったり。やはりテンヤ+餌木がトレンドのようだ
第2回「竿釣りの魅力と道具」へ続く……