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編集部2022年6月4日

船のタコ釣りの基本を解説! 2022年最新トレンドも 第3回(全3回)

マダコ 魚種別釣りガイド

一般的な仕掛けは図を参照してほしいが、注目すべきはオモリである。同船ではテンヤのオモリは50号で統一するが、エギタコの場合は「オマツリなどで他のお客さんに迷惑をかけないかぎりは自由」である。底が取れる範囲で軽くするもよし、あえて重くしてキビキビと動かすのも手だ。当然、オモリは軽いほうが根掛かりはしにくい。のでキャスト時のトラブルが減ること、リーダーの結びなおしの手間がなく結びの失敗によるすっぽ抜けなどもないことがメリットだが、直接ガレ場形状もスリムな棒状のほうが穴や隙間に入ってもすり抜けやすい。

餌木はタコ専用のものを

レポート◎編集部

 ここ数年で人気が急上昇中の船からのマダコ釣り。これ以上ないという手軽さが魅力であり釣りビギナーでも充分にチャンスがある。と同時にハマると奥が深く、抜け出せない沼のごとしだ。手釣りとサオ釣りのキホンのキから応用まで解説する。

この記事は月刊『つり人』2020年8月号に掲載したものを再編集しています

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餌木はタコ専用のものを

 一般的な仕掛けは図を参照してほしいが、注目すべきはオモリである。同船ではテンヤのオモリは50号で統一するが、エギタコの場合は「オマツリなどで他のお客さんに迷惑をかけないかぎりは自由」である。底が取れる範囲で軽くするもよし、あえて重くしてキビキビと動かすのも手だ。当然、オモリは軽いほうが根掛かりはしにくい。のでキャスト時のトラブルが減ること、リーダーの結びなおしの手間がなく結びの失敗によるすっぽ抜けなどもないことがメリットだが、直接ガレ場形状もスリムな棒状のほうが穴や隙間に入ってもすり抜けやすい。

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餌木の中にはエサ巻きタイプもある。船タコではエサとルアーのボーダーレス化が進んでいる

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こちらはイシガニを巻いたテンヤと餌木2本のハイブリッド

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軽いシンカーを使うほどボトムへ突き刺さりにくくなるから根掛かりが減る。オカッパリでは定番の浮力のあるシンカーを試すのも手だが、レスポンスのよい操作性は失われがちになり探りがスローになる

 ただし極端に軽いと浮き上がりやすくなり操作はしづらくなる。20~40号の間で水深や潮流に合わせて使うのが普通だ。やや重めのオモリを選んだほうが遠投しやすく、素早く沈ませられて、ダイレクトにキビキビと操作できるため釣りはしやすいのだが、根掛かりも増える。そこで最近流行しているのが捨てオモリ式の仕掛けだ。8~10号のリーダーに対して、ワンランクからツーランク細い4~6号のイトをオモリの上から餌木の長さ分結ぶ。これで根掛かりした場合、十中八九、捨てイト部分から切れるため、餌木やスナップなどをロストしにくくなるというからお試しあれ。

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安藤さんはオモリをサルカンにセットせずリーダーよりもワンランク細い捨てイトを介している。これで根掛かりによる餌木のロストが大幅に減ったという

 ちなみに餌木はタコ専用のものがおすすめだ。タコ専用餌木には大きな2本バリまたは3本バリが上向きに付いているので根掛かりしにくいためだ。特に底の起伏が激しい東京湾では放射線状に小さなハリが広がるイカ用の餌木のカンナでは根掛かりが増えてしまう。ただし、イシガニを使ったテンヤ仕掛けの上にイカ用の餌木をセットするのはアリ。実際にこの日もテンヤ+イカ餌木という組み合わせが活躍しており、この場合はイカ餌木が着底するのではなくテンヤの上に沈み込んでくるため根掛かりはしにくく、タコへのアピールやフッキング率は高まるとのこと。

 このほか、強めのロッドを使ってテンヤをサオで操作するなどのハイブリッド釣法も見られた。サオの釣りならではの遠投性、ボトム感知能力、ストロークを活かした根掛かり回避&アワセ、さらにテンヤが持つ大型への対応力。そこに餌木をセットすることで三者のいいとこ取りをねらったものだ。

 まさに百花繚乱。東京湾のマダコ釣りは長い歴史を持つが、ここ数年で劇的に変化しようとしている。

釣り座とキャストコース

 この日は川崎沖の堤防周辺のカケアガリをねらったが、堤防の直下には捨て石が入っており、捨て石の隙間こそマダコたちの格好の住処になっている。

 堤防に近づいたときは捨て石があるのでチャンスだが、根掛かりのオンパレードになることも多い。堤防から離れたときは捨て石がない砂地を探ることになりアタリが遠のくこともある。それに対して胴の間に入った釣り人は船首側から近づこうが船尾側から近づこうが適度にチャンスがある。しかもこうした捨て石の中で絶好と言われるのが砂地との境だ。根掛かりはそれほど多くなく、捨て石に潜んでいるタコは誘い出しやすいためだ。

 この日は左舷の胴の間に入った田口一志さんが25ハイを釣ってサオ頭だったが、ご本人いわく「みんながだいぶ釣りまくってアタリも減ってきたタイミングのひと流しで、ほとんど自分ばかりヒットが続いて16連発したのが効きました」と笑顔で振り返る。もちろん、好釣果の理由は釣り座だけにあるわけではないが、胴の間ならではの神コースをきっちりトレースできたのかもしれない。

 捨てイト派の安藤さんも左舷ミヨシから19ハイを釣った。

「コツはただ闇雲に遠投するのではなく、当て潮で仕掛けが船下に入ってしまうときにはオモリを40号と重くしてほとんど真下の釣りに徹します。遠投しても餌木の尻が自分のほうを向いてしまい掛かる姿勢になりませんから。払い出しているときは25号にして遠投して餌木の頭を自分のほうに向けて探ります」

 これまでは食味のよさだけを語られることが多かったマダコ釣りだが、なかなかどうして奥が深い。今年もマダコとの駆け引きを心ゆくまで楽しめそうだ。

 

 

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当日は川崎沖を中心に探った。釣り場は横須賀を除く東京湾全域で去年は出船してすぐの浦安周辺でもノリノリだったという。このような堤防周りを探る際は船尾、船首と交代で入れ替えて流していた

 

 

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右舷ミヨシから遠投スタイルの攻撃的な釣りで20パイの釣果をたたき出した本澤直也さん。タコ釣り歴6年で手釣りの経験はないという

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遠くに投げて「線」で探るのはもちろんのこと、釣り座の利を活かして広い範囲を「面」で探っていく

 

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左舷ミヨシは同船常連の安藤直輝さん。タコ歴5年で去年からサオ釣り派に転向。同時にアタリ即アワセの釣りに変えた途端に釣果が上向いたという。底に張り付かれてしまうこともほとんどなくなったとか

 

 

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小林一夫さんはテンヤをサオで扱い、大型を連発していた。もはや手釣りがテンヤ、サオ釣りが餌木という決まりはない。ちなみにテンヤのオモリは30号。この1.5㎏クラスはテンヤを底からわずかに浮かせた宙釣りで乗せた

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左舷胴の間に入った田口一志さんは終始船長と談笑しながら、ボトムとの対話も楽しんでいた

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「このサイズが多いということは夏以降も期待できますよ」と田口さん。この日は怒涛の16連発を含む25ハイでサオ頭だった(小型はすべてリリース)

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バケツの中はどこも賑やかだった。タコが逃げないように入れておくネットも必需品。タコ専用のものがベストだが、なければ大きめの洗濯ネットやヘラブナ用のスカリでもOKだ

 


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