源流テンカラ釣りの黎明期から、日本の各地で野営・遡行技術を磨いてきたことで知られる瀬畑雄三さん。その瀬畑さんを長く取材し、自身も源流釣りを愛好する丸山剛さんに、日頃から実践する源流釣行のノウハウを紹介してもらう。第2回目はタープ編。
タープをスムーズに張れると野営が楽しくなっちゃいます!
解説◎丸山剛
源流テンカラ釣りの黎明期から、日本の各地で野営・遡行技術を磨いてきたことで知られる瀬畑雄三さん。その瀬畑さんを長く取材し、自身も源流釣りを愛好する丸山剛さんに、日頃から実践する源流釣行のノウハウを紹介してもらう。この記事は『つり人』2018年9月号に掲載したものを再編集しています。
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タープを張る
源流釣行における野宿方法は、人によってスタイルが異なるが、大きく分けるとタープ派、ブルーシート派、ツェルト派、テント派に分類できる。
その中で最も軽くて多様性があるのがタープだ。
タープは高価だが、それなりに作られていて、ハトメ部分、あるいはロープを掛ける部分(アイ)は何度使っても切れない。また、昔は少なかったアイの数も多くなって、どのようにも張ることも可能になった。
丸山さんは近年、自立式の蚊帳テントタイプ(アライテントのカヤライズ)とタープの組み合わせを使っている。
カヤライズはテントタイプなので、ポールを持たなければならないが、自立するのでとても快適。
今回は、同じくアライテントのLタープとカヤライズのセットで幕場を作る方法を紹介。
テント場選びで大切なのは、川の増水でも水没しない場所、平らな場所を選ぶこと。
雨が降る心配がなければ河原も快適だが、やはり河畔林の中が安心だ。
河畔林の中なら、今回のように木の間にPPロープ5mmを張って、それを中心にし、家形にタープを張るのが一番やりやすい。
これがタープ張りに活躍するPPロープ(5㎜径)
◆関連動画でタープの張り方をチェック!
タープを被せる中心のロープを張る
1.最初にタープを被せる中心のロープを張る。木へのロープの固定はインクノットを使用。やり方は簡単でまず下から上に1周させる。
2.そのまま今度は上から下に通すようにする(写真は作業しやすいように先端を2つ折りにして通している)
3.このように上から下に抜けばOK。
4.この要領でセンターになるロープを寝床にしたい平らな場所の上に通す。
タープを被せる
5.ロープにタープ(の中心線)を被せる。
6.次に中心線の両端のアイを小カラビナと小スリングを用いてロープに固定する。小スリングとは写真のパーツで、あらかじめ自分で作っておく。丸山さんは忘れないように収納時は小カラビナに付けている。
7.小カラビナから外した小スリングを、写真のように結び目を手で押さえてロープに巻き付ける
8.そのまま一方向にくるくると数回転。
9.最後に少し余った先端の輪に小スリングの結び目を通す(バッチマン結びという)。
10.するとこのようになる。
11.出来たパーツは巻き付け部分を指で押さえると動かすことができ、引っ張ると固定されるようになる
12.小カラビナでタープのアイと繋げばこのような状態になる。これでタープのセンターをまずきっちりロープに張る。
タープの四隅を固定する
13.タープの四隅のロープをしっかり張る方法は複数ある。まずは木の枝に掛けて3つの石で固定する方法。木のセンターにロープを掛ける(インクノットでOK)。
14.次に左右2つの石で押さえる。
15.最後に前に大きめの石を乗せれば完成。
タープを張るコツ
いい場所に木があれば直接木にインクノットでもよい。
根のしっかりした草付きも使える。
このように複数の草の根をまとめてインクノットするのがコツ
屋根がピンと張ったしっかりとしたタープが出来た。
カヤライズを組み立て、タープの下に置いて銀マットを敷けば寝床の完成!
次回は焚き火術について解説します!
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