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編集部2021年12月25日

シーバスルアーと「ただ巻き」の関係性をマルジン・嶋田仁正さんが解説 前編

シーバス-川 シーバス-海 魚種別釣りガイド

ただ巻き一択といっても過言ではない嶋田のスタイル。嶋田が提唱するルアーローテーションの必要性は食わせるレンジを当てるための最短距離。レンジは水圧に左右され、そのすべてはただ巻きで操作される。

ルアーの原理、流れの原則から見た「ただ巻き」

編集部=文

 ただ巻き一択といっても過言ではない嶋田のスタイル。嶋田が提唱するルアーローテーションの必要性は食わせるレンジを当てるための最短距離。レンジは水圧に左右され、そのすべてはただ巻きで操作される。

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ルアーの原理、流れの原則から見た「ただ巻き」

 基本的にただ巻きしかしない嶋田。

「シーバス用ルアーは、ただ巻いて動くように作ってあるから。シーバス用のロッドって基本的に長いでしょ。バス用みたいに短くない。それは、巻くルアーばっかりだからだよ。9ftの竿でバンバン、アクションさせるのはそれなりに(人間側に)パワーがいるし、ルアーも動くルアーじゃないとね。バス用ミノーって、ほとんどジャークベイトでしょ」

「そして、陸っぱりからシーバスをねらうには飛距離も必要だから。ルアービルダーが作るシーバスルアーは、ただ巻きが一番釣れるはずなんだよ。もちろん、最初からジャークベイトとかトゥイッチ専用とか謳ってるルアーは別だよ。よくある、(シーバスルアーで)ジャークもするっていうルアーもジャーク専用設計でない限り沖では動いてないからね」

 今でこそ、アクションさせてバイトを誘発させるビッグベイトシーバスが流行りつつあるが、ここで嶋田が説明するのは、あくまでスタンダードサイズの話。シーバスには、ただ巻きがマッチするのは今も昔も変わらない。そもそも、ただ巻きとはベイトのどういう状態をイミテートしているのか?

 

「平和な状態だよ。でも、ただ巻きでもずっとただ巻きではなくて、流れの強弱に応じたただ巻き。まず、大抵の場合、流れは左右どちらからか流れてる状態にあるじゃん。だから、ルアーって何かしら流れの抵抗を受けてる。その抵抗が緩めば速く巻くし、強ければ遅く巻く。答えは、ただ巻きなんだけど、ただ巻いてるだけじゃない。それを常に心掛ける。それだけ」

 では、流れを切ることに関して嶋田はどう考えるか?

「流れを切るとダメというほどではないけど、あまり切らないほうがいいよね。釣りをする以上、どうしても多少は流れを切ることになるんだけど、それも切り方だよね。流れを切るってことは、流れの壁にルアーが当たってる(抵抗を受けてる)ってことじゃん。」

「その時に、その流れの強さを無視して通り過ぎることを『切る』っていうと思うんだけど、その切る時にリトリーブを弱める。弱めてるうちに流れの壁をスッて越える。食われる時って、こういう時だよ。それを演出するために、ただ巻きをする。簡単でもないけど、そんなに難しいことでもない。昔はナイロンラインだったから難しかったけど、今は感度のいいPEラインだからね。誰でも流れの抵抗を感じれるはず」

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「『ガマダス135F』(マルジン)もただ巻き用のルアーだよ。だけど、ジャークさせて使ってる人は結構いて釣れるっていってくれてるけど、“動きませんよ” って。足元でやれば左右に飛ぶんだけど、沖では動いてない。そもそも、ジャークさせるルアーと構造が違うからね」

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『UKBB160F』(マルジン)はフッキング率が高いという嶋田。それは水平姿勢にある。「ペンシルみたいに半分浮いてないから、魚が出れば水圧でほぼ乗る。デッドでただ巻きだと表層を背中を見せながらロールしながら浮いてくる。潜らせて強い抵抗を受けるとS字になるけどね。このルアーのカテゴリー?何にも属さない」。ただ巻きで使うならナイトがいいようだ

 

 

 嶋田が言うようにタックルが進化した現在、流れの抵抗を感じながら巻き方を変えることは基本だとも言えるのかもしれない。だが嶋田が流れの抵抗を把握する解像度は、そのだいぶ先を行っている。一例を挙げれば、垂直方向における流れの抵抗の違いも強く意識するのが嶋田の釣りだ。

「川を例に挙げると、下げ潮時は基本的にボトムより表層の流れのほうが効いている。下流に向かって表層水は速く、底近くの水はゆっくりと動いている。これが上げ潮になると、比重の高い海水が淡水の下に潜り込むように上流に向かって流れてくる。いわゆる塩水くさびと呼ばれるものだけど、その時は逆に表層水よりもボトム近くの水のほうが流れの抵抗は強くなる。」

「このように流れの抵抗は表層と底層とで違ってくる。さらに言えば、水面直下は水の抵抗が少ないという特徴がある。当然流れはあるが、その下の層に比べて抵抗がだいぶ少ない。その証拠に、アクションさせるためにある程度の抵抗が必要となるS字系のルアーは水面直下ではS字を描かせづらい。少し潜らせないと上手くねらった動きを出せないでしょ」

 そして嶋田は、この垂直方向における流れの抵抗の変化を、水平方向における流れの抵抗の変化と同等に考えているようなのだ。...後編に続く。




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