親ウキと組み合わせるイトウキは浮力のない樹脂製が主力(ハンドメイドする時は芯になるイトを結んで樹脂で固めて作るなどの方法がある)。1粒は仁丹粒よりも小さく、一般的には1つの仕掛けの中に5~8個を並べて使う。親ウキとイトウキは、別々に購入したものを自分で仕掛けに組むこともできるし、淡水の小もの釣りに強い釣具店であれば両者がセットされた完成仕掛けもある。まずは1組2000円前後の完成仕掛けを購入して実際に使ってみるとよいだろう。連動シモリ仕掛けの特性をある程度理解できたら、親ウキとイトウキを別々に選んでオリジナル仕掛けを組んでみると面白い。
ウキ釣りで謳歌する水郷の冬
写真&文◎葛島一美
冬の淡水ウキ釣りといえば、オカメタナゴ(タイリクバラタナゴ)と小ブナが人気だ。共通するのは、どちらも繊細な仕掛けを使いこなすこと。基本を押さえて、昔ながらの「寒の釣り」に挑戦してみよう。
目次
- ・タナゴ仕掛けの親ウキの選び方
- ・タナゴ仕掛けのイトウキ選び&オモリ調整
- ・厳寒期の小ブナ釣りの数珠シモリ仕掛け
- ・羽根ウキシモリの作り方
タナゴ仕掛けのイトウキ選び&オモリ調整
親ウキと組み合わせるイトウキは浮力のない樹脂製が主力(ハンドメイドする時は芯になるイトを結んで樹脂で固めて作るなどの方法がある)。1粒は仁丹粒よりも小さく、一般的には1つの仕掛けの中に5~8個を並べて使う。親ウキとイトウキは、別々に購入したものを自分で仕掛けに組むこともできるし、淡水の小もの釣りに強い釣具店であれば両者がセットされた完成仕掛けもある。まずは1組2000円前後の完成仕掛けを購入して実際に使ってみるとよいだろう。連動シモリ仕掛けの特性をある程度理解できたら、親ウキとイトウキを別々に選んでオリジナル仕掛けを組んでみると面白い。
そして連動シモリ仕掛けを使う際は、仕掛け全体の浮力を「水面下で定位するゼロバランス」か「1秒1~2cmくらいの微速で沈下していくシモリバランス」に調整する。具体的には板オモリによる浮力調整が必要で、その際は親ウキの浮力が大きくないことから、0.1mm厚の薄いタイプをあらかじめ用意しておく。水深30cm未満のごく浅いホソを釣る時や、寒い日で魚のアタリが特に小さい時などはゼロバランスが有効。オカメタナゴの遊泳層を広く探れる、ギリギリのシモリバランスも調整できるようになると、より多くのシチュエーションでアタリが取れるようになる。
釣りのスタートは仕掛けのオモリ調整から
寒タナゴ釣りで最も多用されるのは1秒1~2cmくらいずつの微速で沈下していくシモリバランス。まずは釣り場に出かける前に、板オモリを使って自宅でオモリ調整(浮力調整)をしておく。その際、木製の親ウキは少し水分を含むので、調整時も釣り場で使う時もしばらく水に浸してウキの浮力を安定させておくとよい。そしてミチイトのたるみや水のニゴリ具合、油の有無などによって、シモリ加減は微妙に変わることがあるので、釣り場でも面倒がらずに微調整を行なうようにする
板オモリは1年も経つと、表面が粉を吹いたように白く変色して劣化する。すると浮力バランスも崩れるので、オモリ調整は定期的に行なう
板オモリはミチイトに巻くこともあるが、タナゴ用に売られている両端フック式のハリス止メならその上に巻くのがよい。なお、浮力調整は必ずハリまで付けた状態で行なう
手 順
▼板オモリは極薄の0.1mm厚を選び、5~6mm幅の長方形に切り取る
▼和バサミの刃先を端から幅2mm程度の個所にあてがい、折り目を付ける
▼この折り目にミチイトを付けた両端フック式ハリス止メの一端をはさんで仮止めする
▼次に仮止めした1片に刃先を当てて、後ろから板オモリを折り返す。同じ要領で数度折り畳んで充分な長さを巻き込む
▼自宅での浮力調節は水を張った深めのゴミ箱を利用すると便利。まずは大雑把に細くカット。親ウキが沈むスピードが徐々にゆっくりになるのを確認しながら数度この作業を繰り返す
▼最終段階の微調整は板オモリの端を慎重に小さく切る
▼間違って切り過ぎた時には小片を挟むと簡単に修正できる
こちらの記事は『つり人』2021年3月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。