手作りの味がにじみ出た小ブナ釣り用の羽根ウキ仕掛け。複数の羽根ウキを通した構造は、数珠シモリ仕掛けとも呼ばれ、川底の凹凸を羽根ウキの浮き沈みで判断しやすい。また、水深の変化があってもウキ下を細かく調整する必要がなく、無精仕掛けの異名もある。左2組は今回おすすめしている羽根ウキ2段シモリ仕掛けで、中通し玉ウキは極小サイズの00号がちょうどよく、羽根ウキの長さは7~8mmとやや大きめにする
ウキ釣りで謳歌する水郷の冬
写真&文◎葛島一美
冬の淡水ウキ釣りといえば、オカメタナゴ(タイリクバラタナゴ)と小ブナが人気だ。共通するのは、どちらも繊細な仕掛けを使いこなすこと。基本を押さえて、昔ながらの「寒の釣り」に挑戦してみよう。
目次
- ・タナゴ仕掛けの親ウキの選び方
- ・タナゴ仕掛けのイトウキ選び&オモリ調整
- ・厳寒期の小ブナ釣りの数珠シモリ仕掛け
- ・羽根ウキシモリの作り方
羽根ウキシモリの作り方
材 料
上から安全カミソリ、仮止め用粘着テープ(パーマセルなど粘度の低いタイプが好適)、穴開け器具(小もの釣り用具の取り扱いのある釣具店で入手可能)、紙ヤスリ(100番前後の荒落とし用と240番前後の仕上げ用を用意)。羽根芯は上からニワトリ(非売品)、カモ(1袋500円程度)、白鳥(1袋750円程度)。※穴開け器具と羽根芯の購入先は大塚「関釣具店」(tel 03・3941・9622)
蛍光塗料
刷毛付きのマニキュアタイプの蛍光塗料が使いやすく好みの色を選ぶ
手 順
▼小ブナ釣り用の羽根芯は太めの部分を選び、羽根の残り跡は荒落とし用と仕上げ用の紙やすりでこすり落とした後、塗料の乗りを考慮して羽根の肌全体に軽く紙ヤスリを当てておく
▼次は羽根芯のカット。飛び散らし防止として粘着テープに仮止めしたら、使いやすいように1cmほど刃先を出した安全カミソリで好みの長さにカットしていく
▼続く穴開けは羽根芯の中心をねらうこと
▼多少斜めに傾いても問題ない
▼ミチイトは硬めのナイロン製がよく、号数は0.3~0.6号。先端を鋭く斜めにカットして……
▼イトを羽根芯に通す
▼好みの個数を通し終えたら、必要な長さのミチイトを発泡製のミニ仕掛け巻きに巻き込み、通し穴を締めるため水に数分浸す。通し穴が大きくてゆる過ぎる場合は40~50℃のぬるま湯に20~30分浸すと解消できるはず
▼仕掛け吊し器は100円ショップで見つけたディスプレイスタンド。まずはミニ仕掛け巻き部を粘着テープで止め、仕掛け下部にはゴム張りガン玉0.5~1号を挟んで、濡らした羽根ウキを数時間乾燥させる
▼発色をよくする目的で白の蛍光塗料を2回下塗りする
▼本塗りは好みの色でよい。塗り方は刷毛で隅々まで塗ろうとせず、ぼってりと落として手早く伸ばしたら……
▼塗料の残り分を刷毛で吸い取るように押さえるのがコツ
▼だいたい本塗り3回で釣りに使える丈夫さと発色に出来上がる
こちらの記事は『つり人』2021年3月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。