日本の海のルアー釣りはこの魚から始まったといっても過言ではない。美しい、いぶし銀の魚体は、釣り人をどこまでも高揚させる。そのうえ、身近な釣り場でねらえることが何よりもうれしい。
シーバスの生態に加え、ルアー、タックル、アプローチの基本を学ぶ
写真&文◎新保明弘 写真◎つり人オンライン
※この記事は『海のルアー釣り入門』(新保明弘著/2014年出版)を再編集したものです
日本の海のルアー釣りはこの魚から始まったといっても過言ではない。美しい、いぶし銀の魚体は、釣り人をどこまでも高揚させる。そのうえ、身近な釣り場でねらえることが何よりもうれしい。
目次
- 【サーフのシーバス釣り】潮通しのよい岬状または河口に絡むサーフをねらえ
- 【サーフのシーバス釣り】入り江状のサーフも条件次第で好ポイントに
- 【サーフのシーバス釣り】タックルは若干強め
- 【サーフのシーバス釣り】ミノーを中心に、飛距離の出るルアーメインで
- 【港・防波堤のシーバス釣り】回遊性の強いシーバスは潮通しがよいポイントをねらう
- 【港・防波堤のシーバス釣り】岸壁際は攻略次第で昼夜問わずねらえる
- 【港・防波堤のシーバス釣り】テクテクトロウリング。略してテクトロ
- 【港・防波堤のシーバス釣り】水面からボトムまでを一気に探る岸壁ジギング
- バチ抜け=多毛類の産卵行動
- タックル選択と攻略法
- 【鮎パターン】稚アユ、落ちアユのシーズンに合わせてシーバスのシーズンもやってくる
- 【鮎パターン】稚アユシーズン。ルアー選択の基準
- 【鮎パターン】落ちアユシーズン。ルアー選択の基準
- 【鮎パターン】その他のベイトパターンについて
バチ抜け=多毛類の産卵行動
流されたバチ(イソメ、ゴカイなどの多毛類)を待ち伏せして捕食するシーバスをねらうバチ抜けパターン
バチ抜けとは多毛類の産卵行動の総称で、釣り人や漁業者以外ではなかなか耳にしない言葉である。ちなみにバチとは多毛類のこれまた総称であり、多毛類とは釣りエサでおなじみのゴカイ、イソメといったミミズに細かい足の生えたような生物の仲間である。バチ抜けには季節とタイミングがある。東京湾などでは12~5月初旬に見られ、12月下旬から4月の厳寒期~春に多い傾向がある。流入河川や干潟などの浅瀬が多い地域では特に顕著だ。満月の大潮の満潮時刻、特に夕マヅメに砂泥地の中で生活している多毛類が水面に浮き上がり、産卵行動をする。時には水面を無数の多毛類が泳ぎ回る光景を観察することもできる。
タックル選択と攻略法
ルアーは流されるバチをイメージする。小型シンキングペンシルはその1つ
ルアーはとにかく水面を漂うバチをイメージすることにほかならず、小型のシンキングペンシル、トップウオータープラグなどが中心となる。ロッドはライトな8ftクラスを選択する。ラインもPEであれば0・6~0・8号の細めを、ショックリーダーも合わせて2・0~3・0号をセットしたい。
ポイント選択とねらい方だが、バチが密集しているポイントへ直にキャストする……のではなく、その潮下、流れの下流側で若干離れた場所にある障害物周りがよい。産卵行動を終えたバチが潮に乗って流されてくるのを、シーバスが障害物の影に隠れながら捕食する。流されたバチはベイトフィッシュのように激しく逃げ回ることはない。シーバスもゆっくりと近づいて吸い込むように捕食する。そのためルアーをしっかり見られてしまい、バイトさせることが難しい場合が多い。パールホワイトやチャートなどの目立つルアーだけではなく、ボディーが半透明のクリアータイプなども用意してローテーションすることが必要である。
ルアーの動かし方は、基本的に水面直下をスローリトリーブするが、なるべくロッドを立ててラインがルアーよりも下流に流されないようにする。ラインが水面に作る波紋はバチが水面を泳ぐ波紋に近いため、それを見にシーバスが来てしまうと、警戒してしまう傾向にある。基本的にキャストはダウ ンクロスが望ましい