仕舞寸30cm以下という驚異のコンパクトさでバッグはもちろん、職場のデスクにも入ってしまうパックロッド。コンパクトさはすごいけど性能は如何ほどなのか。
これぞパックロッドの極み?
文◎長島祐馬
仕舞寸30cm以下という驚異のコンパクトさでバッグはもちろん、職場のデスクにも入ってしまうパックロッド。コンパクトさはすごいけど性能は如何ほどなのか。
筆者プロフィール
長島祐馬/1994年生まれ。ルアー全般を広く浅く履修済み。今ハマっているのはウキフカセやアユ。アジングとフライフィッシングは少々やり込んでいた時期もあった。9月から月刊つり人副編集長になりました。
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パックロッドの鏡
出張が多い、水辺が近い現場で働いている、バイク乗り、電車釣行派、サオの収納場所に困っている、のいずれかに当てはまるルアーマンはこのロッドを一度はチェックしたほうがいいと思います。そのワケは画期的なコンパクトさと機能の両立、バリエーションの豊富さにあります。
つり人社に入社して早3年。月刊つり人という毎月刊行される釣り総合誌は記事の大半を編集部員が取材して記事を作っています。取材に行くといつも思うのが、「自分も釣りしたい」ということ。取材相手が見かねて一緒にやりましょうよと言ってくれますが、仕事なのでそこは我慢(できていない時もあります)。しかし、コンパクトなパックロッドがあれば取材時でも荷物にならずに持ち運べて取材後に釣りできるのに、と常々思っているのもまた事実。
大学生の頃はバイクに乗って釣りに行っていたこともあり、パックロッドはよく使っていました。ただ、多用していただけに不満な点もありました。
パックロッドのいいところは言わずもがな、仕舞寸法の短さによる携行性です。バイクでも電車釣行でもどこに持ち運ぼうとも、日頃の収納ですら困りません。一方で悪いところと言われれば、継ぎが多いほど重い、標記より硬いことが多い、など気になるところはいろいろあります。個人的に一番の不満点は、飛行機の持ち込みには対応しているのかもしれないけど、普段使いのバックパックに入れると少しはみ出したりして絶妙に持ち運びにくいということでした。この絶妙なはみ出しはプライベートなら我慢できるかもしれませんが、取材では命とりです。「こいつ自分が釣りする気満々じゃん、ちゃんと仕事しろよ」と思われてしまっては信頼を損ないますから。
仕舞寸30cm以下ってそれサオですか?
そんな中で知ったのが、がまかつからリリースされている「LUXXE PACK STYLE」です。最初に見た時は「エッッ、こんなに小さいの!?」と驚きました。だって月刊つり人(B5判型)と大差ないんですよ。これならビジネスバッグですらすっぽり収まります。
パックスタイルA4 S66MLはなんと9本継! でも軽くてよく曲がる
パックスタイルにはA4とB4の2シリーズがあり、A4(29.7cm)やB4(36.4cm)の縦サイズに収まる仕舞寸法ということでその名前が付けられています。ちなみに、A4にはアジングも可能なFLクラスから万能的に使えるMLクラス、B4にはエギングなどにちょうどよさそうなMクラスがラインナップされていてさまざまな釣りに対応できるのも魅力的です。とはいえ仕舞寸法だけでロッドの良し悪しが決まるわけではありません。ロッドとしての機能も当然重要です。
僕が初めて使ったのは「パックスタイルA4 S66ML」。港湾部ねらいのボートシーバスに持っていきました。小さいバッカンにも収まるコンパクトさはすごいけど9本継ってやりすぎやろ…。いろいろ犠牲にした部分があるんちゃうの? そう思っていた時期が僕にもありました。
継いでみて最初に感じたことは軽いということ。継数が増えると重くなるため、9本継という本数では相当重くなるという先入観があったのかもしれませんが、意外なほど軽く感じます。
バイク釣行にももってこいです。もし8フィート台が出たらオカッパリシーバスに使いたい
扱えるウエイトは5~21g。重めのバイブレーションはやや厳しいですが、港湾部で活躍する7、8cmクラスの小型ミノーを含め、基本的なシーバス用プラグが扱えます。また、反発力が強めなので台船周りのピン打ちもやりやすいですし、スラックを使ったジャークもこなせます。60cmオーバーを掛けた時は根元までしっかり曲がり、大げさに走られることなくランディングできました。その様子は月刊つり人2024年1月号「パックスタイルで行こう! 第3回東京湾でボートシーバス」に掲載されているので詳しくはこちらをご一読ください。コンパクトなだけでなくロッドとしての機能も充分。これで一気にこのシリーズへの信頼と期待が高まりました。
ボートシーバスの一幕。50~60cmクラスと遊ぶにはかなり楽しいです
60cmオーバーも難なくランディングできました。使ったルアーは7cmのフローティングミノー
アジのアタリも取れるS49FL
これなら取材にも持ち込めると思い、次に使ったのは「パックスタイルA4 S49FL」。今度は取材終わりにアジングで使ってみました。アジングは少々やり込んでいた時期があったので、普段は専用ロッドを使用しています。ハイエンドモデルと比べてしまうのは酷ですが、正直に言うとアタリはボケます。しかし、全く出ないわけではありません。そのアタリの出方に慣れてしまえば充分アタリは拾えました。釣れたアジは豆サイズでしたが、ワームが口に入りきらずにゴソゴソするようなアタリも感じ取ることができるほどです。
アジングもアタリを取って楽しむことができました。使ったのはパックスタイルA4 S49FL
また、FLという表記。FLはULより軟らかいというがまかつ独自の表記なわけですが、表記より硬くなりがちなパックロッドでFLは無理でしょ、と半信半疑でしたが相応に軟らかくよく曲がる。0.6gのジグヘッドでもしっかりキャストできましたし、1.5gだとむしろちょっと重いくらい。20cmオーバーのアジが掛かればとても楽しいはずです。しかもソリッドティップ採用。
圧倒的なコンパクトさと充分な機能性を兼ね備えたパックスタイルシリーズ。バイクや電車での釣行はもちろん、出張先で、仕事の前後に、ちょっとした空き時間で釣りが楽しめるロッドだと思います。聞くところによると新たなモデルも開発中だとか?今後も期待です!
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