琵琶湖で、スモールレイクで、トーナメントで、そしてアメリカで……。世界規模でデカバスを魅了しているサカマタシャッドのミッドストローリング。このルアーの誕生秘話からミドストテクニックまでを開発者である奥村和正さんをはじめとする4人のアングラーに聞いた。
「人的プレッシャーが一定のラインを越えると、バスはより大きいルアーを選ぶようになる」
この記事は『Basser』2022年4月号スト系特集号に掲載したものを再編集しています。Basserのバックナンバーは定期購読をお申し込みいただくとデジタル版バックナンバーが4年分以上読み放題! 詳しくはこちらをどうぞ!琵琶湖で、スモールレイクで、トーナメントで、そしてアメリカで……。世界規模でデカバスを魅了しているサカマタシャッドのミッドストローリング。このルアーの誕生秘話からミドストテクニックまでを開発者である奥村和正さんをはじめとする4人のアングラーに聞いた。
この記事の内容
証言②:トーナメントアングラー(JBTOP50プロ)
黒田健史(くろだ・けんし)
魔法のルアーではないが総合的力でジャンル№1
正直なことを言うと、僕にとってサカマタシャッドは「これじゃないと絶対に釣れない」という類のルアーではありません。もちろんよく釣れるルアーではあるんですが、同じミドストで使うならフルークでもまぁ釣れると思います。 ただ、サカマタにはフルークにはない豊富なカラーラインナップがある。とくにアユとかワカサギみたいなベイトフィッシュ系のカラーがあるのは大事です。そのうえサイズ展開も豊富で、ヘビーウエイトのような比重違いのモデルまでラインナップされていて隙がない。これってすごいこと。あとは、Feco登録されているからトーナメントでも使える(笑)。こんな理由から「やっぱりサカマタだな」となりますよね。ボクがミドストで使うサカマタは5inがメイン。一般的に3in前後のワームが使われることが多いミドストとしてはかなり大きい部類に入ります。
サカマタシャッド5in(デプス)+スーパーラウンドジグヘッド3.5g(ケイテック)
[推奨タックル]
ロッド│エクスプライド2610ML(シマノ)
リール│ステラC2500S(シマノ)
ライン│ピットブルG5 0.8号(シマノ)
リーダー│フロロ8~12Lb
トーナメントのようなフィールドにプレッシャーが掛かる状況では、どうしてもルアーが小型化していきます。しかし、ほかのアングラーがこぞって小型のワームを投げている状況でプレッシャーがある一定のラインを越えると、逆に大きめのルアーに反応が集中することがある。これはトーナメントだけでなく、週末の人気レイクでも起こる現象です。
そのいい例が、2021年のJBTOP50最終戦の弥栄湖でした。エレキ限定の小規模なフィールドで、50名以上のトッププロが何日も湖全域をぶっ叩きまくるわけです。そんななか、僕はサカマタ5inのミドストで3位に入賞しました。優勝した青木唯君も168㎜のラストエースを使っていました。
ただしルアーを大きくする場合、あくまでそのフィールドにいるベイトサイズから大きく逸脱はしないほうがいいです。逆に普段大きめのベイトが食われているフィールドなら、どんなにプレッシャーが掛かっていても迷わずルアーを大きくしていいと思います。「どこまでは小さいルアーが効いて、どれくらいプレッシャーが掛かると大きいルアーが効き始めるか」という線引きが圧倒的にうまいのが山岡計文さん。去年のJB津風呂湖戦で、周囲の選手が5㎝のワカサギにサイズを合わせたルアーでミドストしてるなか、ひとりだけサカマタ5inのミドストでボコってましたから(笑)。
また、サカマタほどのサイズと水押しがあるルアーなら、ライブコープがなくてもサーチベイト的に使うことも可能です。たしかにライブスコープはあったほうが効率は良くなりますが、このルアーサイズなら多少レンジがはずれていても魚を引っ張ってくれます。
黒田さんがサカマタ5 ~ 6inをミドストで使う際は、写真のようにワームのヘッド先端をジグヘッドの下に逃がしてセットする。これは山岡計文さんに教えてもらったフックセットで、このワームのヘッド先端がクランクベイトのリップと同じ機能をはたしてよりロールしやすくなる。サカマタの6inに3.5gのジグヘッドを付けるとトータルの重量は約20gになり、それを通常のミドストタックルよりも硬くて長いロッドで動かし続けるのはかなりの重労働。ルアーが自発的にロールしやすくしてやればやり切れる