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編集部2022年8月23日

【東扇島西公園】編集部クロハのわらしべトライアスロン【後編】

ハゼ 魚種別釣りガイド

ハゼ釣りの素朴な疑問が解消されること間違いなし。子どもや友人とハゼ釣りを楽しみませんか?

クランクをハゼに。ハゼをマゴチに!!

文◎編集部
この記事は2021年つり人10月号の記事を再編集しています

トライアスロンの世界一が決まった東京湾で、五輪スケールのビッグドリームをぶち上げた男がいた。編集部員・黒羽の夢は夜ひらく!?

東扇島のマゴチ釣りには「秘密」が存在する

1日の流れはこうである。まずは早朝から多摩川・殿町エリアの護岸でハゼを釣る。その後、午後からハゼエサのマゴチ釣りの本場として有名な東扇島西公園に移動。終了時刻は未定。「釣るまで帰りません!」と夜間戦闘も辞さない構えである。

タイトルFSFSなし

ハゼクラ初挑戦の黒羽の自己研鑽はリトリーブ中も止むことはない。事前に印刷しておいた過去のつり人を読みながら釣る。このページ下に貼っているハゼクラ入門記事にまとめているのでハゼクラ入門の参考にしていただきたい

幸い、ハゼクラとミャク釣りでは初体験ながら順調にアタリが出て、午前中だけでおよそ50尾のマハゼをゲット。しかも6~7㎝とマゴチのエサに最適なサイズばかりだ。

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根掛かり回避のためにフロントフックを外す手もあるが、泳ぎのバランスが崩れることがあり、また5尾に1尾のペースでフロントにも掛かるためこの日は付けたまま使用した

 

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順調にキャッチを重ねる黒羽。最終的には時速5尾のペースで釣ることができた。ミャク釣りで30 尾ほど追加しマゴチのエサ確保はバッチリ! ハゼはエアポンプをセットしたオトリカンに入れて持ち運んだ

 

昼食後に東扇島に移動し、16時からマゴチ釣りを開始した。

慎重な黒羽には秘策があった。事前に東扇島西公園のマゴチ釣果をSNS等でチェックしてある恐ろしい事実に気付いていたのだ。それは「釣る人は複数尾釣っているが、多くの人はデコっている」という傾向である。これはつまり「シークレット」の存在を意味する。インターネット網を調べ上げ、現地に忍びを放ち、黒羽が「ある団体」の影に辿り着いたのは釣行前日のことだった。東扇島情報に明るい勇竿釣具店を通じてコンタクトをとったところ、なんと釣行日に団体トップ・オブ・トップの精鋭4名が西公園にレクチャー役として駆けつけてくれることになったのだ。新人とは思えない抜かりない下準備である。

その団体の名は「西公園マゴチ賢者会」。創始者の高橋健太さんのこの地でのマゴチ歴はなんと20年超! 西公園ができる前にすでにここでマゴチを釣っていたという。つまり、西公園沖に生息するマゴチの歴史はこの男との戦いの歴史というわけだ。西公園のなかでも特にマゴチ釣りが達者なアングラーにひとりずつ声をかけ、現在の構成員は約10 名。二軍が存在するというから恐ろしい。ちなにに一軍への昇格条件は「いい日は1日2桁、よくない日でも1尾は釣る」が基準だという。

高橋さんはマゴチシーズンの6~9月は週に2、3回西公園のマゴチ釣りを楽しんでいる。1日の平均釣行時間は3~4時間だが、1尾以上釣れる確率は9割で、その半分は3尾以上の釣果に恵まれるという。黒羽のリサーチによるとこの公園でマゴチ釣りをする人の多くがノーフィッシュに終わっているなか、これは驚異的な数字である。

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西公園での釣果。マゴチだけでなくヒラメやイシモチ、シマイサキが掛かることも。朝と夕マヅメがチャンスタイムで、3~4時間の釣りで5尾釣れることも珍しくないという。ちなみに夜も日中もチャンスがある。潮回りはとくに気にしていないが、潮止まりの直前と直後はアタリが出やすい傾向があると高橋さん

16時から創始者の手厚い手ほどきを受けマゴチをねらう黒羽。そこには数々の驚きがあった。第一のサプライズは、仕掛けの操作がほぼルアーフィッシングだったことだ。沖の砂地をねらいキャストしたあとは、1秒間に50cmのペースで仕掛けを引いて一瞬ストップ、また引く、という動作の繰り返し。事情を知らない人が見たらハゼエサだとは思わないだろう。ちなみにマゴチがハゼを襲うと「コンッ」という小さい前アタリがあり、その後ラインテンションを張らず緩めずの状態にして食い込みを待つのだという。「ハゼをぶっ込んで置きザオでアタリを待つ」というイメージだった黒羽のヒザは開始5分で震えていた。そのほか、タックルや仕掛け、ハゼの選び方、アタリ後の対応に至るまで、ありとあらゆる細部に20年間の試行錯誤の結果が注入されていた。

聞いた話をイラストにしたので見てほしい。

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穴の大きいスイベルによりオモリがミチイトまで遊動する「ケンタテンビン」( 高橋さんの自作) がメインウエポン。ハゼをくわえたマゴチが違和感を感じにくいため食い込みがよい。テンビンなしの中通しオモリでもOK だが、テンビンがあったほうが根掛かりをかわしやすく、飛距離も伸びる傾向がある。オモリは4~6号の出番が多い。西公園では堤防から20 ~ 40 mのゾーンが砂地でマゴチが多いため、40 m飛ばせるセッティングで挑みたい

 

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ハゼは口刺し。下アゴから上アゴにハリを貫通させる。上アゴの硬い部分に刺すことでキャスト時に外れにくい。ハリを付ける際は観賞魚用のネットごしにハゼを包み込むように持つとよい。ハゼは6~7㎝のものがアタリが多いという

 

スクリーンショット (49)

マゴチの場合、まず「コツン」と小さなアタリが出る。ここで合わせては絶対にいけない。マゴチはハゼをすぐには飲み込まず、まずはカミカミして殺し、そのあと落ち着いて捕食できる場所まで持って行くからだ(ここで合わせたい)。前アタリを察知したらラインを張らず緩めずの状態にして待ち、その後走ったらフッキングしよう。前アタリから20 秒待っても走らないときはオモリを5㎝だけ引いてみる。ここで重みがあればハゼをくわえたマゴチがジッとしているということ。5㎝だけ動かすことで食い込みを促進させることができると高橋さん。繰り返すとどこかのタイミングで走ってくれるという

 

スクリーンショット (48)

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東扇島西公園は大混雑。「だからこそハゼを引く釣りが輝くんです」とはマゴチ賢者会の創始者・高橋さんの言葉。「この状況ではカニ歩きしながらルアーで広範囲を探るのは現実的ではない。同じ立ち位置での釣りになるわけですが、生きたハゼを引いていると遠くからマゴチを寄せられると実感しています」

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西公園沖はマゴチの産卵場所になっている。そのため乗っ込みの4月下旬からシーズンが開幕し、9月いっぱいまで楽しめる。とくに9 月初旬は最高の数釣りチャンスで、高橋さんは過去に1日18 尾釣ったこともあるという(しかも午前中だけの結果)。適度な濁りと雨、風がある日がチャンス

豊富なノウハウに圧倒されつつも感動する黒羽。いったいどれだけのトライ&エラーを繰り返せばここまで厚みのあるレクチャーができるのだろう? 釣りの世界は本当に奥が深い……。今日釣ってこの内容を読者の皆様にお伝えすることで自分の人生も拓けていきそうな気がする……、と、そう思っていた午後6時。「最大のチャンスタイム」と聞いていた日没直前、キャスト後のフォール中にサオが大きく持っていかれたではないか。すかさず渾身のフッキングを決める!

「アタリが話と違うけど! どうだっていいぜ! 問題はナシ!」

はたして上がってきたのは……? 釣りはいつだって驚きに満ちている。新入編集部員の釣り人生はまだ始まったばかり。がんばれ黒羽! 負けるな黒羽!

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「最大のチャンスタイム」と言われた日没直前、黒羽のサオに強いアタリが!

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ハゼを食ってきたのはまさかのサバ! ええ、サバだって最高に嬉しいです!

 

 

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