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編集部2021年9月10日

ディープフォレスト・菅沼史朗さんに訊く、わがままが生んだオリジナルフロッグロッド「GLOK」

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鬼形毅さん、今井亮介さん、菅沼史朗さんにご自身が手掛けられたフロッグ専用ロッドの設計思想を伺ったインタビューを公開します! 今回は菅沼史朗さんによるオリジナルフロッグロッド「GLOK」に込められたこだわりを教えてもらいました。

コンパクトフロッグのキャスト精度を究極まで高めたい

解説◎菅沼史朗

この記事は『Basser』2021年10月号に掲載したものを再編集しています。Basserのバックナンバーは定期購読をお申し込みいただくとデジタル版バックナンバーが4年分以上読み放題! 詳しくはこちらをどうぞ

 好評発売中のフロッグ特集『Basser』2021年10月号では、鬼形毅さん、今井亮介さん、菅沼史朗さんによる「フロッグロッドの現在地」と題した鼎談を掲載しています。日本におけるフロッグゲームのスタイルの変化やそれに対応したロッドが開発されるまでの流れはぜひ誌面をご覧ください! オンラインでは、お三方それぞれにご自身が手掛けられたフロッグ専用ロッドの設計思想を伺ったインタビューを公開します! 今回は菅沼史朗さんによるオリジナルフロッグロッド「GLOK」に込められたこだわりを教えてもらいました。

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菅沼史朗(すがぬま・しろう)

静岡県出身。人気フロッグメーカー、ディープフォレスト代表。自他ともに認めるフロッグマニアで、「ミクラ」「キュー」といったコンパクトフロッグは近年のフロッグシーンに大きな影響を与えた。2021年、満を持してオリジナルロッド「GLOK」をリリース。

生粋のフロッグフリークが欲しかったロッドとは

―― 菅沼さんは1年中フロッグを投げているとお聞きします。使い手目線から見て、どんなロッドが必要だと感じ、新作のオリジナルロッド「GLOK(グロック)」に落とし込んだのでしょうか。

菅沼 個人的な意見として、フロッグの重要性の99・9%がキャスト精度だと思っています。今はそこまでイージーなことは減ってしまったけど、最高のピンに一発でキャストが決まれば、着水とかワンアクション目で食ってくることが多い。だから、投げた後のことよりもとにかくバイトを出すためにキャストアキュラシーを高められるロッドにしたかったんです。

―― 菅沼さんが代表を務めるディープフォレストといえば、ミクラやキューといった極めてコンパクトなフロッグの印象が強いです。そういったフロッグにもマッチするのでしょうか。

菅沼 むしろコンパクトフロッグを基準に作ってますね。まずは短いこと。2モデルあるうちのひとつが6ft5inで、もうひとつは6ft3inとさらにショートです。前者がベーシック、後者がよりテクニカルにフロッグを扱えます。

GLOK63MH “Technical” & 65MH“Versatile”
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今年リリースとなったディープフォレストオリジナルのフロッグ専用ロッド。同社のミクラやキューなどコンパクトフロッグをより精度高く撃ち込んでいけるよう設計。基準となる6ft5inと、より接近戦でアキュラシーを高めたいときの6ft3inをラインナップ

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やや長めのリアグリップは操作とフッキングのしやすさの最大公約数を取った結果。先端はもちろん丸形。「道具は見た目にもこだわる」という菅沼さんの思いもデザインとして反映されている

キャスト時の曲がりやすさを重視した、オールシングルフットガイド

―― こだわった部分を教えてください。

菅沼 より軽快な操作性と、キャスト時の曲がりやすさを重視して、オールシングルフットガイドですね。ブランクのフィーリングは僕が昔から好きだったルーミスIMXのような、ハリがありながらもしっかり曲がり込むしっとり系。

IMX MBR844C(Gルーミス)
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フロッグにハマり始めたころ、市場に専用ロッドがなかったためこれを使っていた。菅沼「7ftのHモデルです。パワーがあるのに曲がるルーミスのブランクが好きで使っていました。使いやすいようにリアグリップをカットして、コルクも削って細くしています。通常サイズのフロッグはしばらくこのロッドで使っていました」

―― オールシングルフットなんて、ひと昔前のフロッグロッドでは考えられません。

菅沼 あとはグリップ。このレングスにしては長くとってありフッキング時にテコの原理で支えやすくなっています。もちろんグリップエンドは痛くならないように丸くしてあります。

 あとは、セパレートの前の部分(リールを握る手で触れるグリップ部)も少し長めにとってます。ここが短いと、ワンフィンガーでキャストするときに小指が落っこちちゃうんですよね。

――フォアグリップがないのにもこだわりが?

菅沼 見た目……(笑)、あと感度ですね。僕もフロッグロッドに感度は必要だと思ってて。たとえば、カーブやシュート軌道でブッシュの奥にフロッグを撃ち込んだとき、アングラーからフロッグが見えなくなることがよくあるんです。その状態でもフロッグがちゃんと動いているか、どんな水絡みでどっちに首を振っているか、ということも把握したいんですよね。最初こそ低弾性カーボンやグラスでサンプルを作ろうともしていたんですが、やはり最低限の感度は必要だなと。

――なるほど……。

菅沼 もともと、自分が大きく影響を受けたロッドがスティーズのリベレーター(6 ft3inのMH、レギュラーファストテーパー)なんですよ。知り合いのフロッグの使い手が、「これ、フロッグ用じゃないけどいいよ」って。しばらくそれを気に入って使ってたんだけど、グリップが短かった。リベレーターにインスパイアされて、自分のわがままを追加していったのがグロックなんですよ。

スティーズ631MHRB“リベレーター”(ダイワ)
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ima勤務時代、ダビートなどのコンパクトフロッグを使用するのに友人に勧められて使い始めた1本。本来はジャークベイトやフットボールなどの「ちょい重めの操作系なんでも用」だが、6ft3inのショートレングスと適度なパワーがコンパクトフロッグにちょうどよかった

■菅沼さんの愛用フロッグ

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ブロンズアイシェッド(SPRO)

30-3
ミクラ(ディープフォレスト)

31-2
キュー・エアー(ディープフォレスト)

32-2
エイト(ディープフォレスト)






Basser2021年10月号 4910175431010 表紙をクリックすると試し読みができます

定価:1,000円(税込)
出版年度:2021
A4変型判164ページ

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