小森さんは過去にJB TOP50で3度の年間タイトル獲得、そして2012年オールスタークラシックを優勝するなど数々の輝かしい成績を残している。 その彼が愛してやまないのが“レッグワームリグ”だ。 このリグへの信頼と実績の裏側には何があるのか。
そもそもレッグワームとはどんなワームなのか?
Basser編集部=写真と文
今年、JB TOP50で第1戦、第3戦を制し快進撃を続けるトーナメントアングラーがいる。 小森嗣彦さんだ。 小森さんは過去にJB TOP50で3度の年間タイトル獲得、そして2012年オールスタークラシックを優勝するなど数々の輝かしい成績を残している。 その彼が愛してやまないのが“レッグワームリグ”だ。 このリグへの信頼と実績の裏側には何があるのか。この記事はBasser2013年3月号に掲載されたものを再編集しています。
レッグワームが釣れる理由
レッグワームをデザインしたのは河辺裕和さん
「レッグワームをデザインした河辺(裕和)さんは天才です。絶対に足を向けて寝られません。
釣れる理由は多々あります。まずはテールの『スクリューアクション』でしょう。シェイクしたときに、シャッドテールが上下左右に360度動いて水を掻き回す。このときに出る微妙な波動が本物の小魚のヒレが出す波動と同じなんでしょう。半径5mの範囲のバスを寄せるアピール力も、地味すぎず、派手すぎず絶妙な頃合いです。ちなみに、この特性をテキサスリグ用のワームとして再現したのがモコリークローです」
「『ボディーは上下に動かない』のも超重要です。レッグワームはシェイクしながら引いてくると、左右にロールはするけど上下にバウンドしない。この特徴も本物の小魚と一緒なんです。たとえばフラットで横移動させると、水平移動する小魚に化けてくれます。どんなフィールドでもマッチ・ザ・ベイトできる絶妙な大きさも見逃せません。テナガエビ、ヨシノボリ、ワカサギ、オイカワ……、ありとあらゆるエサになります」
「フックをセンターに刺しやすいボディー形状と線も助かる。アクションの偏りが出にくいので思いどおりに操ることができますし、イトヨレも少ない。
ちなみにボディーのリブは若干ながらエアをホールドするので、ゲーリーマテリアルにしてはフォールスピードがスローになる傾向があります。水中で水平姿勢になりやすいのもダウンショットリグに適している点かもしれません」
「何より助かっているのは、アングラー側の操作の誤差を埋めてくれる懐の深さ。誰がどう動かしてもバスが好きな動きを出してくれるんですよ、こいつは。体調が悪かったり焦ったりしていてシェイクのリズムが崩れたり、強風でラインさばきがままならなかったり、ボディーがちょっとだけズレてたり……そんな状況でもレッグワームは釣れるアクションをし続けてくれる。これは比重が高いゲーリー素材だからこその特長ですね。ボディーに絶妙なハリがあって、復元力があるというか……。
とにかく、すべてにおいて『適度』なんですよね」
誰もが使うリグになっても永久不滅
ひとつ不思議なのは、誰もが使うリグになったにもかかわらずバスがスレないのはなぜか?ということだ。
たとえば厳寒期の亀山湖で行なわれるショップトーナメントでは、参加50名のうち40名がレッグワームリグをセットしていることもあるという。そして、上位5名中4名がこのリグ……というケースが実際に起きている。その話を聞いて、編集部では「水中でアラバマリグ状態になっているから釣れるのか……」という説まで出たほどである。
冬の亀山湖ではレッグワームリグが定番となっている
小森さんは言う。
「タックルセッティング、リーダーの長さ、ウエイト、使い手のリズム、投入するスポット……、さまざまな要因によってレッグワームリグは別の顔を見せます。誰が使っても違うリグになる。亀山湖でガイドしていて、僕とゲストがふたりともレッグワームリグを使っているのに、午前中僕は4尾、ゲストはノーバイトということがある。で、午後に入ると僕がデコ、ゲストが5尾になったりする」
「同じリグではあるんですが、実際はまったく異なるリグになっているということです。だからバスがスレないし、みんな使っていても釣れるし、差が出る。バスフィッシングの魅力のひとつである『幅の広さ』を教えてくれるリグなんですよ。それに気付いたから、僕はレッグワームリグをもっともっと掘り下げることに決めました。たとえばリーダー。かつては18㎝固定でしたが、今ではあらゆる長さを試して可能性を探っています。皆さんも『自分だけのレッグワームリグ』を見つけてください」
試合中に撮影した写真。レッグワームがちょっと曲がっているが、問題なく泳いでくれると小森。この懐の深さもレッグワームの魅力。高比重のゲーリー素材ならでは
サイズアップ版も登場! 2.9inレッグワーム(ゲーリーインターナショナル)
2016年に登場したレッグワームのサイズアップバージョン。特徴は上側が出っ張っている(テールを人の足に見立てたときにカカトに当たる部分)テールのデザイン。これはサイズアップしても2.5inが出す「本物の小魚と一緒」の波動を再現するための工夫だ。ボリュームが増したぶん、ベイトフィネスタックルでよりキャストしやすくなった。小森さんはダウンショットリグのほか、ノーシンカーリグ、ジグヘッドリグ、ネコリグ、リーダーレスダウンショットリグなどで使用する
……次回、なぜ釣れるのか!? 小森嗣彦の〝レッグワームリグ〞 :第3回 「操作法と状況別アクションバリエーション」
ダウンショットリグを得意とする
ふたりのアングラーが使用法を徹底解説!
2020/1/5