小森さんは過去にJB TOP50で3度の年間タイトル獲得、そして2012年オールスタークラシックを優勝するなど数々の輝かしい成績を残している。 その彼が愛してやまないのが“レッグワームリグ”だ。 このリグへの信頼と実績の裏側には何があるのか。
・真冬の亀山湖
・2007年JB TOP50弥栄湖戦
・2009年Basserオールスタークラシック/霞ヶ浦
・2011年Basserオールスタークラシック/利根川
・2012年JB TOP50北浦戦
・2012年Basserオールスタークラシック/利根川
真冬の亀山湖
小森さんがレッグワームリグを本格的に使い始めるキッカケになったのが、2006年末から2007年頭にかけての亀山湖ガイド。それまで小森さんにとってダウンショットリグといえばリーチ(ロボワーム)だったが、この冬はレッグワームで釣りまくり厚い信頼関係が生まれた。今ではレッグワームリグは亀山湖の大定番になっており、とくに厳寒期は非常に多くのアングラーがボートに積んでいる。レンタルボート店の大会で上位5名中4名がレッグワームリグ……ということもあった。1月中旬の朝マヅメ。フィーディングモードのバスをねらい、シャローフラットでレッグワームリグのミドストを行なうの図
越冬場となるワンド内で、水深10mにある立ち木の脇にレッグワームを通す。立ち木への根掛かり対策としてショートキャストでアプローチし、ボトムを感じながらシェイクして横移動させる。ドラッギングでは立ち木の枝にラインが干渉する確率が高く釣りにならない
12月中旬。水深10mラインをドラッギングで流す。GPSにあらかじめ入力されたコースを辿る。魚探の扱いに長け情報量が豊富な小森さんと、横に動かしたときに真価を発揮するレッグワームリグの特徴がガッチリ噛み合うパターンだ。冬季の亀山湖では、キャスティングと比べ効率で勝るドラッギングでレッグワームリグを操ることがほとんど
冬の亀山ではアタリの出方は大きく分けて4通りだと小森さん。「ファーストフォール後にラインを張ったら重い」、「シェイク中にグーッと重くなる」、「シェイクを止めた瞬間に重くなる」、「シェイクからズル引きに移行した瞬間に重くなる」の4つ。いずれの場合もロッドストロークを長めにとり、スイープにアワせる
2007年JB TOP50弥栄湖戦
11月2~4日 9位「亀山湖で効く釣りは全国どこでも通用する」と信じる(スモラバやパワーフィネスといった前例があった)小森さんは、2007年のJBTOP50シリーズでレッグワームリグを積極的に登用した。それが実を結んだのが弥栄湖戦だ。小森さんは同リグで連日40尾以上のバスをキャッチするという驚異的なラッシュで9位に入賞。近くに浮いていた選手に「何のワーム使ってるの?」と聞かれたが当時はまだシークレットにしていたという。見た目からサターンワームと勘違いした選手がいたそうだ。
2009年Basserオールスタークラシック/霞ヶ浦
10月31日~11月1日 準優勝レッグワーム・イコール・小魚のイメージで、おもにクリア~ステインウォーターで多用していた小森さんだったが、2009年からマッディーウォーターでも投入。オールスターでは消波ブロック周りのテナガエビ食いバスを多数キャッチした。それまではエビといえばカットテールワーム・ワッキースタイルだったが、「レッグワームでもイケる」ことに気付いたという。
ショートディスタンスで消波ブロックのエッジを撃つ。アクションはボトムでのリフト&フォール。バスは消波ブロックのアウトサイドについており、内側のテナガエビをねらっている位置関係だと考えた小森さんは、最初の着底後にリフト&フォールを1~2回で回収する速いテンポで釣っていった。リグが消波ブロックから離れるとバイトの確率が減るからだ
テキサスリグによるカバー撃ちのような感覚で、レッグワームリグをピンスポットに送り込む。着水→ 着底→ リフト→ 着底→ 回収と、「いれば食うでしょ」感覚でスピーディーに釣っていく。ワンキャストにかける時間は10秒より短いことが多かった
レッグワームリグだけで2日間9尾キャッチに成功し、湖上で優勝を強く意識した小森さんだったが、赤羽修弥さんに届かず準優勝に泣いた
2011年Basserオールスタークラシック/利根川
11月19~20日 準優勝利根川大会でもレッグワームリグがメインになった。水温が低下傾向のなか行なわれた同大会では、低活性バスを相手にリアクションバイトをねらいやすいハイテンポのリフト&フォールが活きた。
ブレイクが絡む消波ブロックのエッジをリフト&フォールでねらった
レッグワームリグでは2日間で6尾をキャッチしたが……
シャッドの釣りで押した吉田秀雄さんに130g差で敗れまたしても準優勝
2012年JB TOP50北浦戦
6月8~10日 4位JB TOP50の霞ヶ浦水系戦では、レッグワームリグが優勝、入賞にたびたび絡んでいる。テナガエビなどの甲殻類やヨシノボリ、イナッコなど、この水系のメインベイトとレッグワームが近いことが理由だと小森さん。また、「淡水としては塩分濃度が高い霞ヶ浦水系では、同じく塩入りのゲーリー素材が効くのかも……」と試合中こぼしていた。
ヘビダンによる杭撃ちでキーパーをキャッチする小森さん。ワームはレッグワーム……ではなく4inマイクロクローラー。産卵直後でバスの動きが鈍いため、杭の直近でワームをステイさせて食わせることを想定し、浮力が強いマイクロクローラーをセレクト。また、レッグワームはギルバイトでテールをちぎられやすいという弱点があり、ギルが極端に多いエリアではほかのソフトベイトを使うことが多いという
沖の浚渫(水深2~3m)のキッカー獲りでもレッグワームリグが活躍。操作はボトムでのシェイク+横移動
試合3日目はハードボトムエリアでレッグワームリグ。強風で湖が荒れていたため、バスがハードボトムの凹凸に隠れていると読み、シェイクの合間にステイの時間を作ることを意識した。レッグワームオンリーでリミットメイクに成功した瞬間、「レッグワーム最強!」と吠えたことが記者の印象に残っている
護岸にボートをベタ着けし、ボトムをとりながらレッグワームリグをシェイク+横移動。オカッパリでも実践可能なキーパーパターン
2009年から2010年にかけて、小森さんはJB TOP50の霞ヶ浦水系戦を連覇。どちらにもレッグワームリグが貢献した
2012年Basserオールスタークラシック/利根川
10月27~28日 優勝!小森さんが「僕とレッグワームリグの集大成」と言うオールスター制覇。初日の4尾はすべてレッグワームリグでキャッチ。2日目は1300gのキッカーとキーパー2尾をキャッチ(そのほかシャッドとテキサスリグで1尾ずつキャッチ)。二度の寸止めを乗り越えての優勝だった。
利根川の支流である根木名川のハードボトムをレッグワームリグで釣るパターンがメイン。強風だったため、シェイクなしのズル引きで確実にボトムを捉え、ハードボトムを察知したらシェイクしてステイさせておくと深いバイトが出たという。低活性のバスに対応したアクション
水門の係留船をレッグワームリグで撃つ。ハードボトム上の横のアクションに加え、ピンスポットを縦に探る釣りも交えた
結果的に優勝に欠かせなかった1300gは、2日目の1投目にレッグワームを食ってきた
小森嗣彦選手のレッグワームリグでのヒットシーンは必見!
2016/7/30