編集部2021年9月4日

バス釣り・スピナーベイトのブレード解説その2(全4回) ブレードが生み出すバイブレーション編

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 O.S.P でハイピッチャーなどの名作スピナーベイトの開発に携わってきた橋本さんに、スピナーベイトのブレードに関することを伺いました。

スピナーベイト選びがもっと楽しくなる!

編集部=写真・文

 O.S.P でハイピッチャーなどの名作スピナーベイトの開発に携わってきた橋本さんに、スピナーベイトのブレードに関することを伺いました。

この記事はBasser2020年11月号に掲載したものを再編集しています。

 

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橋本洋一(はしもと・よういち)

東京都在住。O.S.P 立ち上げ当初より様々なルアーを並木敏成さんとともに生み出してきた開発部隊の最
古参にしてキーマン。プライベートではトーナメントにも積極的に参戦。
名門釣りサークル日本大学「チャートリュース」出身。若き日のお気に入りスピナーベイト遍歴は「バイブラシャフト→クリスタルS→SRミニ」

 

 

前回の記事→ バス釣り・スピナーベイトのブレード解説その1(全4回) ブレードの種類編

 

 

バイブレーションは2種類存在する

 

―スピナーベイトを引くと、程度の差こそあれ、手もとに振動が伝わってきます。 このバイブレーションはどうやって発生している のでしょうか?

 

橋本 私は、バイブレーションは大きく2種類の要因で発生するものだと考えています。 そのひとつが「回転系バイブレーション」。もうひとつが「引っ張り系バイブレーションです」

 

 

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―詳しくお願いします。

 

橋本 「回転系バイブレーション」は、回転半径の大きいブレードが、強い遠心力でアッパーアームを振り回そうとすることで発生するバイブレーションです。

「引っ張り系バイブレーション」は、抵抗の強いブレードがアッパーアームを水平にしようとするのに対し、立ち上げられたヘッドが戻ろうとする力のぶつかり合いで起こるバイブレーションです。

「やじろべえ」のような状態をイメージしてもらえればわかりやすいかと思います(イラスト参照)。

 

回転系バイブレーションは、ブレードの遠心力が強いほど、つまりブレードの回転半径が広いほど強くなります。

引っ張り系バイブレーションはブレードの抵抗が強いほど起きやすいですが、それだけでは足りません。 「揺れ」を起こすには、ブレードの抵抗がなくなる瞬間も必要なのです。

 

①ブレードが水を噛み、アッパーアームを水平方向に引っ張る(ヘッドが立つ)

②ブレードの水噛みが抜け、ヘッドが水平方向に戻ろうとする(アッパーアームが立つ)

 

このふたつが繰り返されることで縦揺れにつながります。ブレードが水を噛む瞬間と噛まない瞬間のオンオフが必要、ということです。

 

そういった意味では、やはりコロラドブレードのほうがこのオンオフが起きやすいです。 横幅のあるコロラドブレードはいち早く水をグリップしますが、縦幅(長さ)はないためすぐにブレードから水が抜けるからです。

 

では、ウイローリーフではバイブレーションが起きないかというと、そんなことはありません。 まず、回転半径の大きいウイローリーフであれば、先ほどの「回転系バイブレーション」を発生させます。

 

ウイローリーフには長さがあり、ブレードの頭から先まで長い距離で水を受け続けるため、コロラドのような水噛み・水抜けのオンオフが起きづらいです。 その分安定して回り続けやすいとも言えます。

 

しかし、そんなウイローリーフの水噛みをオフにできる要素があります。

 

それはフロントブレードの存在です。フロントブレードの水噛みがよく、かつリアブレードとの距離が近いと、フロントブレードの真後ろにリアブレードがきた瞬間、水を噛まなくなることがあります。

 

自転車で走っているとき、車の真後ろにピタリと付けると風の抵抗がなくなる「スリップストリーム」と同じ原理ですね。

 

このように、フロントブレードを使ってリアブレードの水噛みにオンオフを発生させれば、ウイローリーフブレードでも縦揺れの引っ張り系バイブレーションが発生するのです。

 

―頭がパンクしそうです……。

今まで「ウイロー=バイブレーション弱い」「コロラド=バイブレーション強い」くらいにしか考えてなかったので。 その理由を掘り下げてみると、いろいろな要素が関係しているんですね。

 

 

ブレード別特徴まとめ

 

 

コロラド

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●フラッシング

効果が低い →面積が小さいため

●ブレードの回り出しがよい

→横幅があり、すぐに水を掴むため。同番手ならウイローリーフよりも重量が軽いため

●バイブレーションが強い

→縦幅(長さ)がなく水がすぐに抜けるた め、水をグリップする瞬間としない瞬間が明確 に存在するから。不安定な回転になりやすい

 

 

ウイローリーフ

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●フラッシング効果が高い →面積が広いため

●ブレードの回り出しが悪い

→横幅がなく、水を掴みにくい。同番手な らコロラドに比べて重量があるため

●バイブレーションが弱い

→縦幅(長さ)があるため水がブレードに沿 って流れる距離が長く、ブレードから水が抜け る瞬間が少ない。その分、一度回りだすと安 定して回転し続ける

 

 

プレーンかハンマードか

 

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スピナーベイトのブレードには、表面がつるっ としたプレーンタイプと凹凸のあるハンマード タイプがある。フラッシングの仕方以外に、使 用感や機能としての差はあるのだろうか。

橋本「以外に感じるかもしれませんが、プレー ンのほうがブレード表面に水が表面張力のよ うに吸い付くのか、わずかながら引き抵抗が 強い気がします。が、実用レベルで使い分け るような差ではないと感じています」

 

 

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ハイピッチャー(上)のようなハンマードブレードは複 雑で鈍い光の反射をするのに対して、バクシンスピ ナーベイト(下)のようなプレーンタイプは「ギラリ」 と鋭くフラッシングする。どちらが有効かは状況次第

 

次回はブレードカップの深さについて解説します!

 

 

 

 

 

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