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編集部2016年6月17日

鈴木美津男のスモールクランク道場 :第3回(全5回)

Basser バス釣り

ルアーが小さいだけに、 シビアに選びたいスモールクランク用タックル。 ロッド、リール、ラインは どんな基準でセレクトすべき?

「ルアーが小さい分、ちょっとしたタックルの違いが大きな差になって現われる」と美津男先生。タックルセレクトは重要だ

「ロッドの軟らかさでクランクのアクションが変わる」。美津男先生のタックルセレクト

編集部=写真・文、 もりなをこ=イラスト

ルアーが小さいだけに、 シビアに選びたいスモールクランク用タックル。
ロッド、リール、ラインは どんな基準でセレクトすべき?


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※この記事はBasser2013年7月号に掲載されたものを再編集しています

mitsuo04講師=鈴木美津男(すずき・みつお)
鈴木美津男先生のfacebook

1959年11月29日生まれ。東京都出身、茨城県在住。TBCでクラシック優勝4回、AOY獲得1回、レギュラー戦優勝多数の戦績を残すベテランアングラーで、“利根川親父”の異名をもつ。ハードベイトオンリーのバストーナメント「H-1グランプリ」の発起人でもある。もちろん自身もハードベイト使いで、2012年の鋼派とTBCクラシックをスモールクランク・クラッチDRで制した。本職は和菓子職人。茨城県取手市で伊勢屋を営む。
 
 
山形1生徒=ヤマガタ
山形県出身。現Basser編集長。かつては巻きモノのバラシ癖が直らず、ハリが小さいからバレやすそうという理由でスモールクランクに苦手意識をもっていた。しかし、この取材でその威力を実感したため、スモールクランクにも対応するBasser30周年記念モデルのロッドを現在鋭意制作中。


佐々木3生徒=ササキ
2012年の「H-1グランプリ」で年間優勝の幸運に恵まれる。スモールクランクは、「かわいいし、小さいバスもたくさん釣れるから」という理由で大好き。この道場以来、「ヤバい、デコりそう」というときには自然とクラッチDRに手が伸びてしまう身体になってまったという。

kirinuki_cr-mrスモールクランクベイトとは……丸みを帯びた形状が特徴のプラグ、クランクベイトのうちボディーサイズが小さいもの。口を使わせやすい反面、アピールは弱いため、バスの居場所が絞り込めている場合など狭い範囲をねらうのが効果的  


鈴木美津男先生からの問③

スモールクランクに適したロッドを答えなさい

佐々木4 軽いルアーなので、キャスト時にルアーウエイトを乗せやすいライトパワーくらいのロッドがいいと思います。


mitsuo03鈴木 キャスタビリティーは肝心だね。ただ、ほかにも大事なことはある。ロッドを変えるとクランクのアクションが変わることを頭に入れてロッドを選んでる?


佐々木2 そんなこと考えたこともありませんでした……。



mitsuo04鈴木 合わせるクランクやリール、ラインの組み合わせにも左右されるから一概には言えないんだけど、単純にロッドが軟らかいほうがクランクの動きが大振りになる傾向がある。たとえば同じクラッチDRを使うときでも、水が澄んでいて動きを抑えたいときは硬いロッドを、濁っていればその逆、という発想もできるわけ。ルアーが小さい分、ちょっとしたタックルの違いが大きな差になって現われるよ。


15a軟らかいロッドほどクランクベイトのアクションが大振りになると美津男先生。ときには同じクランクに複数のロッドを用意することも

mitsuo鈴木美津男先生の答え③

ロッドが軟らかいほどクランクのアクションが大振りになる。
キャストしやすさを前提として、水色など状況に合わせて使い分けよう。

鈴木美津男先生からの問④

スモールクランクに適したリールを答えなさい

sasaki01 逆に質問していいですか? 美津男先生は、なぜクランキングのリールがすべて左巻きなんですか? 右利きなのでてっきり右巻きかと。



mitsuo03鈴木 僕はエサ釣り歴も長いので、細かいロッドワークが右腕でしかできないんだよ。あと、右でロッドを持ったほうがアワセが利きやすいっていう理由もある。これは個人的な肩の調子の都合だけどね。


山形3 リールはすべて小口径スプールのローギヤモデルですね。


mitsuo04鈴木 うん。軽量ルアーを投げやすいし、リズムよくハンドルを回してもスローに引ける。釣れるリズムを一日中保ちやすいんだ。釣れないときって、ほとんどの場合が速く巻きすぎてるときだからね。


mitsuo03鈴木 「ハードベイトの釣りはロッドとリールで決まる」と思っているから、道具立てはあまりイジりたくない。「投げて巻く」っていう釣りだから、道具任せの部分が多い。どちらかを変えると、ゼロからやり直しになると思っていい。リトリーブスピードとか、アワセとか、巻くときのロッドの角度とか、沈み物に当たったときの感触とか……、そういうことをイチからインプットしていかなきゃいけない。


mitsuo04鈴木 だからまずは自分の好みでいいので、「この組み合わせ」っていうのを決め込んでから投げ倒してみてよ。そのセットアップを身体に馴染まると巻き物の世界の奥深さが見えてくるはずだよ。


14美津男先生は右利きで左巻きリールを使う。自分で決めた組み合わせを使い込んでみることが大事だという

mitsuo鈴木美津男先生の答え④

軽量ルアーを投げやすく、リズムよくハンドルを回してもスローに引ける小口径スプールのローギヤモデルがGOOD。
まずは自分の好みのセッティングを身体に馴染ませよう。

鈴木美津男先生からの問⑤

スモールクランクに適したラインを答えなさい

山形4Y フロロカーボン12Lbあたりが適度かと。ルアーが小さいだけに、イトを太くしすぎるとルアーの動きが鈍くなりそうなイメージがあります。


mitsuo03鈴木 クラッチDRの場合だと、16Lbでも全然問題なく動いてくれるよ。まぁでも、利根川では16Lbの必要性は感じていないので、僕の場合は太くても14Lbまでかな。で、カバーに絡めて使うのが基本だから10Lbより細いラインを使うことはない。だからヤマガタ君の「12Lbメイン」っていう回答はグッドだよ。でも、ラインの使い分けを細かくすると確実に釣果が伸びる。


sasaki01 というと?




mitsuo04鈴木 ラインの太さで潜行深度を調節できる。秋口や春先とか、いつもより少し深めにクランクを入れ込みたいときは10Lbを使うし、逆に表層をテロテロ引くときは14Lbがいい。スモールクランクはボディーが小さい分、フルサイズのクランクよりもラインの太さの影響を受けやすいことは知っておきたいね。あと、フロロカーボンだけじゃなくてナイロンも必要。


山形3 表層で使うときはナイロン?



mitsuo03鈴木 むしろ逆かな。表層でトゥィッチしたりするときは伸びにくく、重くて風に流されにくいフロロカーボンが使いやすい。ただ巻き主体で、何かに当てて浮かせるときは断然ナイロン。浮くときのクランクのフラツキが艶めかしくなるし、イト馴染みがいいからトラブルが少なくてキャストもスムーズになる。


mitsuo鈴木美津男先生の答え⑤

10~16Lbくらいまでが使いやすく、
表層を巻くときは太め、潜らせたいときは細めがいい。
表層でトゥイッチメインのときはフロロカーボン、巻き主体で何かに当てて浮かせたいときはナイロンがオススメ。

Mitsuo’s Tackle


ロッド:シュートGT-S68LB(ギャップツールズ) gaptools リール:アルファスSV105L(ダイワ)
ライン:ナスリー N-WAKER ドレッドライン10~12Lb(YGKよつあみ)

 

 

接続はスプリットリング?
それともスナップ?

snap-ling美津男先生は両方を使い分けている。ワイヤー1本でラインアイと接するスナップ(スプリットリングの場合は2本)のほうがクランクのアクションは出やすいが、ゴミが絡んだり、突起がカバーに突っかかったりすることがあるため、基本的にはスプリットリングを用いている。リップラップを延々と流すときはそういった心配がないのでスナップを使用。ちなみにスプリットリングは楕円のラッキーリングがお気に入り。結び目がリングのワイヤーの隙間に挟まることによるラインブレイクを防げる。ラインアイにリングの段差が引っ掛からないのでルアーの動き出しもよくなる。
 
 

 
  
 
 





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