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編集部2022年6月1日

釣りの合間に料理もしたい! タキビダイノススメ 第2回(全3回)

魚種別釣りガイド 渓流

釣りの合間でも焚き火を見ながら一服したり、食事を作ったりすればより豊かな時間を過ごせるだろう。そこで、焚き火の起こし方や焚き火台の種類、ホットサンドメーカーを使った焚き火料理を、アウトドアをコンセプトにしたカフェバー「BASE CAMP」を営むA-suke さんに解説してもらった。

焚き火を見ながら食事を作って豊かな時間を過ごそう

取材協力◎フォレストサンズ長瀞 写真◎編集部 文◎A-Suke

 キャンプブームの影響で焚き火が大人気。釣りの合間でも焚き火を見ながら一服したり、食事を作ったりすればより豊かな時間を過ごせるだろう。そんな時に役立つのが景観を守りつつ楽しめる焚き火台だ。焚き火の起こし方や焚き火台の種類、ホットサンドメーカーを使った焚き火料理を、アウトドアをコンセプトにしたカフェバー「BASE CAMP」を営むA-suke さんに解説してもらった。

この記事は月刊『つり人』2021年7月号に掲載したものを再編集しています

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A-suke
1978 年生まれ、東京生まれ東京育ち。地元の水道橋でアウトドアをコンセプトにしたカフェバー「BASE CAMP」を営む。アウトドア用品のプロデュースやキャンプ料理のレシピなども手掛ける。最近はオイカワのフライフィッシングと河口域でのキビレ釣りに熱中している。

「熾火」を目指そう

焚き火は科学だ。木にある一定以上の熱を加えると燃焼ガスが発生する。それが酸素と結びついて燃焼することで熱と光を伴う炎が生まれる。でもただの火遊びなので堅苦しく考えなくてもいい。危険性を理解した上で楽しみながら学んでいただきたい。

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薪までしっかり火が移った状態。大きな炎は不安定で料理をするには向いていない

 

まずは火付け。焚き火の炎は急に大きくすることはできない。

 

ライターで直接太い薪に火は付けられないのだ。どうするかというとまずは火が付きやすいもの(枯れ葉や着火剤など)に火を付け、それを割りばしサイズの枝、親指程度の太さの薪、と少しずつ炎を大きくしていって最終的に太い薪に火を付けていく。

 

ある程度炎が安定すればあとは太い薪も徐々に燃えてくれる。

 

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火や熱は上に上がるので上に燃やしたいものを乗せて下から着火すると効率がよい

 

口で言うのは簡単だが実際にはコツがいる。ティッシュや新聞紙に火を付けたはいいけど全然薪まで燃え広がらない経験をしたことがある人も少なくないだろう。

 

最大のコツは下準備をしっかりすること。消えそうになったら足せるようにどのサイズの燃料もしっかりとした量を用意するのだ。なにごとも下準備が肝心だ。

 

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小枝に火が付いたら細い薪を入れていく。最初から重い薪を入れると隙間が潰れてしまい空気がなくなるので枯れ葉でも火が付きにくくなる

 

それから火のコントロール術。焚き火はガスの火と違ってすぐに火力が調整できない。火力調整の前にまずは火力を安定させる必要がある。

 

火を起こしてすぐの焚き火は一見大きく炎が上がっていてもそれは一時的なモノで不安定。熱量を高く、安定させるには薪をある一定以上燃やして焚き火の中心に炭火と同じ状態を作らなくてはならない。

 

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牛乳パックを若葉マークのように切った着火剤。内側のロウが火持ちを長くさせ、独特の形状で風にも強い

 

炎があまり上がらずに芯が赤く燃えている状態までいくと高い熱量がキープできるようになる。この状態を「熾火(おきび)」という。

 

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「熾火」と呼ばれる状態。火は小さいが熱量は安定していて料理がしやすい

 

こうなると仮に火が消えたとしても口でフーッと空気を送り込んでやると瞬く間に炎が復活する。ここまで育てて初めて焚き火の火力を自在にコントロールできるようになる。

 

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火が付きやすいのは枯れ葉、小枝、細い薪、太い薪の順

 

薪と薪の隙間を調整して空気(酸素)が通るようにしたり、通れなくしたりして火力を調整する。

 

また、熾火が作れればすごく太い薪もそのまま突っ込んでおけば少しずつ燃えて燃費のいい薪となる。

 

大きすぎる焚き火は危険だし、小さすぎてはすぐ消えてしまう。思い通りの大きさで焚き火ができる技術を身に着けよう。

 

また、焚き火で調理するときは基本調理器具を火に近づけたり遠ざけたりして火力調整を行なう。

 

焚き火の炎を大きくしたり小さくしたりするよりもはるかに簡単で速いのだ。ガスと同じように炎を調整しようとしてもなかなかうまくいくものではない。

 

焚き火料理ならホットサンドメーカー

焚き火料理の調理器具としてホットサンドメーカーを紹介したい。

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ホットサンドメーカーで簡単に作れるチーズ焼きおにぎり

 

ナベやフライパンなどいろんな調理器具があるが、焚き火にはホットサンドメーカーがなかなか活躍する。

 

もちろん普通にホットサンドも作れるのだが、フライパンを二つ合わせたようなものなのでお肉でも野菜でも中に入れて焚き火の上で数分おきに何回かひっくり返せばどんなものだって焼くことができる。しかもある程度密閉されているので中で蒸し焼きになって火の通りもいい。

 

網で焼いたりするよりも失敗せずに美味しく仕上がるのだ。それに形状からしてゴトクなどが必要なくて取っ手も熱くならない。

 

唯一の欠点は中が確認できないコト。コレは定期的にパカッと開けて確認するしかない。

 

ぜひ焚き火&ホットサンドメーカーでホットサンド以外の調理をしてみてほしい。焚き火がもっと楽しくなるはずだ。

 

調理器具の他にも焚き火を楽しくしてくれる道具はたくさんあるので少し紹介しよう。

 

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焚火に便利なアイテム。金網は調理器具を置くのにも使える。肉厚のナイフは薪を割ることもできる。皮手袋やトングは薪や火の管理を安全に行なえる

 

まずはナイフ。大きすぎる薪を適度なサイズにしたり、調理にも使うので必ず持っていく。便利だけど危険な道具なので必ず安全な使い方をマスターしよう。

 

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薪を割る時は刃を薪にあててから別の薪で叩いて割る。危険なので振りかぶってはいけない

 

皮手袋や軍手は手を熱や木のささくれなどから守ってくれるし、トングや火箸も同様で焚き火をいじるのに便利だ。

 

また、ロストルは網として直接肉や魚を焼くこともできるし鍋やフライパンなどを置くこともできるので焚き火での調理の幅を拡げてくれる。

 

このほかにも火吹き棒やノコギリ、火消壺など便利な道具がたくさんある。いろんな道具を駆使すればさらに焚き火は楽しいものになっていくだろう。

 

火の始末は確実に

最後に火の始末についても解説する。安定して熱量の上がった焚き火は簡単には消えてくれない。だから時間をかけて少しずつ火を小さくしていく必要がある。焚き火がうまい人は帰る時間から逆算して火をコントロールするのだ。

 

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片づけの際は燃えカスを火消壺やシエラカップなどに移すとコンパクトにまとまる。アルミ素材や薄いものだと変形の恐れがあるので注意

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皿などで蓋をして少し放置。酸欠にすることで火は完全に消える

 

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最後に水を入れて冷やせば火消し完了。その場に捨てずに持ち帰ろう

 

それでも最後の最後はまだ熱のある残りカスをコッヘルなどに入れてふたをし、酸欠にして火を殺す。その後水を入れて触れるくらいまで熱を下げれば焚き火の後始末が完了する。

 

決して大きな炎に水をかけるようなことをしてはいけない。危険だし焚き火台も急激な熱変化で変形する恐れがあるしなにより燃えカスが飛び散って汚くなってしまう。

 

帰る時は来た時と同じかそれ以上にきれいな状態にして帰ろう。なんといってもそのための焚き火台なのだ。

大きな炎を素早く消してすぐに帰りたい場合は火消壺など大型で高い熱にも耐えられるものを使って酸欠にして持ち帰る。

 

それができないのであれば燃え残りを捨てる場所が用意されているようなキャンプ場などを利用するのが賢明だ。では安全に焚き火を楽しんでくれることを願う。

 

 

第3回「10分で作れる!ホットサンドメーカー簡単レシピ」へ続く……


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