手軽な釣りにも戦略アリ。繊細さが命のアジングにとってラインは釣りを大きく左右し、釣果にも関係する。特にジグ単のライン戦略はどう考えるべきか。
アジシーズン前に読んで得するラインの大前提
写真と文◎田町一歩
この記事は「ルアーパラダイスKyushu 2021年晩秋号」の記事を再編集しています
手軽な釣りにも戦略アリ。繊細さが命のアジングにとってラインは釣りを大きく左右し、釣果にも関係する。ジグ単のライン戦略をご紹介!
坂本厚
(さかもと・あつし) ショアとオフショアの両面でアジング、ロックフィッシュ、エギング、ティップランに精通。福岡県在住
こちらの記事は 好評発売中の「ルアーパラダイスKyushu 2021年晩秋号」から抜粋したものです。 プラグのキャスティングもジギングもすべて取り上げ、秋〜冬にかけての絶好機に最高の備えとなるノウハウがぎっしり詰めました。10kgアップの連発劇やショアからの値千金の1尾を是非ご覧ください!↓↓↓
役割分担
釣り始め、坂本さんはフロロから釣り始めるケースが多い。水深がある場所、流れが速い場所になると特にそうだ。
釣り始めはアジがまだ浮いておらず、底層から動いていないのもよくあるため、上層はもちろん、中層のチェックは後回しにし、速やかにリグを下層から底層に届けるほうが効率がよい。
ここでいうリグは、前述したが、ジグ単である。
夜になるとワームサイズを落とすなどして食いの持続を図る。ジグ単はスナップなしの直結で結束する
「スタートをフロロにしておくと、最初からいいサイズのアジがヒットしてもパッツン切れを防ぎやすいという効能もあります。釣り始めはうっかりドラグ調整を忘れていたというのも結構あるあるですからね。そんなときもエステルより多少伸びがあるフロロならカバーしてくれます」
さらに、「釣れ始めのアジ、つまりマヅメの捕食目的で回遊し始めたアジをねらうときはワームは大きいものでよいし、ジグ単も重めにして広範囲を探れるようにしておくほうが釣果を稼ぎやすい」ようだ。
重めのジグ単とは1.8g程度だ。あとは水深と流速を考慮してもっと重いものでもよいし、もう少し軽いものが適していたりする。
釣り場やアジの状態に適したジグヘッドのセレクトもアジングを成功させる課題のひとつだ。
マヅメの時合が終了すると釣り場はいったん静かになる。そして、外灯が灯り、辺りが暗くなると夜の部が始まる。
アジは夜になると遊泳層が上ずる。これは外灯が関係する。ということはリグを深く入れなくてもよい。
表層や水面直下でも釣れるようになり、外灯周りという近距離戦にもなる。
そんなときに最適なのは軽量ジグ単だ。アンダー1gのジグヘッドも多用する。こうした極軽量リグを扱うのに向いているのが感度の高いエステルなのだ。小さなアタリも拾いやすいし、リグの操作感も掴みやすい。
タックルは、ロッド・ワークスリミテッドSW フィネス2020 モデルTFL-55RXTi(バリバス)、リール・ヴァンキッシュC2000SSS (シマノ)
夜の外灯周りの釣りでも、サイズがよくて食いも活発ならフロロに戻して釣り上げるペースを上げることもできる。エステルは優しく取り扱わないといけないところがあるが、フロロは結構攻めた使い方が可能だ。
坂本さんがよく使うライン号数に、その戦略が見て取れる。
フロロは0.3号、エステルは0.25号。繊細なエステルはより繊細な釣りに、フロロは攻めた釣りに使うのだ。
号数を逆にするとどうか?フロロの感度を上げるために号数を落とし、エステルの強度を増すために号数を上げるというわけだ。ウィークポイントを補う戦略とも言えるが、よさが活きない感じもある。
坂本さんが使うエステルラインは0.25 号。エステルにはフロロリーダーはマスト。尺未満は0.6 号を結束する。長さは30 cm
タックルを2組用意して、2組とも同じラインを使うならそれでも果たす役割は大きい。
だが、坂本さんは水深や流速といったシチュエーションのことも考えてフロロとエステルという種類が異なるラインを用意し、それぞれのラインのストロングポイントを活かした使い方をする。
短所を底上げするのではなく、長所を伸ばす使い方だ。
九州のアジングシーズンは風との戦いでもある。風が強い日は高比重のフロロのほうが操作しやすくなる場合も多い。
特性を自分の味方につけ、釣り場で直面する多くの条件にどれだけ備えておけるか。近場で手軽に楽しめるゲームのなかにも、いい釣りにできるかどうかは、実はラインが導火線になっているようである。
キャスト時は腕ではなく、スナップを利かせる
- 1
- 2
>