1月も後半、2月の声を聞くと多くのシーバスアングラーが意識し始めるのがバチ抜けだ。産卵のため沖の深場へと出向いていたシーバスが湾奥へと戻り始めるのが1月後半くらいからと言われている。同時期、湾奥の河川では数多くのゴカイやイソメが地中から這い出し、産卵活動を開始する。これがバチ抜けだ。産卵から戻ったシーバスは、体力を回復させるため、この地中から抜け出し流下してくるバチを盛んに捕食する。この現象を利用して釣るのがバチパターンというわけだ。
キャスティング品川シーサイド店・中臺 翔さんが解説!
中臺 翔=解説
いよいよ迫ってきたバチ抜けシーズン! 皆さん準備はOK? スタートダッシュをキメますよ!
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目次
解説=中臺 翔(なかだい_しょう)
シーバスのポイントからも近いキャスティング品川シーサイド店に勤務。小学生時代からシーバス釣りに目覚め、現在、釣り歴17年。港湾部や河川から、100km以上の上流の水域までシーバスを求めて釣行。バチ抜けパターンにも精通する釣り人だ
ただ巻き系ルアーが活躍するバチ抜けシーズンが来る!
1月も後半、2月の声を聞くと多くのシーバスアングラーが意識し始めるのがバチ抜けだ。産卵のため沖の深場へと出向いていたシーバスが湾奥へと戻り始めるのが1月後半くらいからと言われている。同時期、湾奥の河川では数多くのゴカイやイソメが地中から這い出し、産卵活動を開始する。これがバチ抜けだ。産卵から戻ったシーバスは、体力を回復させるため、この地中から抜け出し流下してくるバチを盛んに捕食する。この現象を利用して釣るのがバチパターンというわけだ。
つまり、バチ抜けパターンが活況になるのは、もうすぐ。パターンにハマれば連チャンでシーバスが釣れることも珍しくないため、その動向には、年内から注目しておく必要がある。
ただ、春になればどこもかしこで始まるバチパターンを、なぜ当初からねらう必要があるのか?
「早い時期は、戻ってきているシーバスの数も少ないし、バチ抜けが起きている場所も限定的だったりします。でも、シーズン当初はシーバスのサイズもデカい傾向にあるんです」とキャスティング品川シーサイド店の中臺さん。
ズバリ、ねらいはそこだ。シーズン初期の大物を釣りあげよう!
東京湾のバチ抜けは12月からスタート!
東京湾奥では河川よりバチ抜けが始まる。
「東京湾奥だと、バチ抜けは河川から始まります。まずは荒川、多摩川、旧江戸川、中川ですね。特に序盤の12月後半から始まるのは荒川と中川の上流部になる埼玉エリアと多摩川の一部です」と中臺さん。一般的にバチ抜けがパターンとして成立し始めるのは1月後半の大潮後の中潮からと言われているが、その実際はどうなのだろう?
「大きく始まるのはそうですね。ただ、12月もバチ抜けは起こっています。でもまだ、シーバスの数も少なく、バチも大量ではないので、爆発的なパターンにはなりづらいという感じですね。シーバスも11月には産卵アフターのシーバスが少しずつ戻り始めています。なので、場所を絞って釣りをすれば、12月の後半や1月の頭でもデカいのが釣れる可能性もあります」
ウネウネと水面を泳ぎつつ、流下するバチ。これらが、産卵後に体力を落としたシーバスの栄養補給剤となる。吸い込みやすく食べやすいバチが流れるタイミングや流域で爆釣が起きる!
河川中流域のシャローをねらうのにおすすめルアー5選
パターン1
エリア:荒川中流域シャロー帯
時期:1月後半~3月いっぱい
軽く細身のルアーで表層を引いて攻める!
まず、ひとつめの有望パターンとして中臺さんが選んだのは、荒川の湾奥的な中流域だ。
「オススメはオープンエリアのシャロー帯ですね。底質は基本的に砂地で、バチは流下してくるのではなく、ここで抜けます。しかもワンド状になっているところでは、抜けたバチがすぐに流されず溜まりやすい。そもそもシャローエリアというということもあって、このエリアでは主に表層の釣りがメインです。しかも近距離戦になるケースが多いので、使用するルアーは細くて軽い、ただ巻き系ルアーになります」と中臺さん。
このエリアでの盛期は1月後半から。主に「後中潮」と呼ばれる大潮後の中潮まわりがチャンスとなる。岸沿いを流下するバチや水面での捕食が目視できたらチャンスだ!
モアザン スライ95F(ダイワ)
大物ねらいなら、ほぼ巻かずにドリフトさせて使用
中臺さんが最初に投げるのがスライだ。「投げたらワンアクション入れて、重心移動を戻します。あとは、3~4秒に1回転のデッドスローのただ巻きをするだけですが、基本はほぼ巻かない。自分に向かって風が吹いていれば巻きますが、横風なら巻かずにドリフトせるのがコツ。ライズのあった場所の5m先くらい奥に投げて、そこからその場所の真上を通すイメージで流すのが秘訣です。速めに巻いて出ることもありますが、魚のサイズは巻かない時のほうが大きい傾向です」
アルデンテ95S(アイマ)
高活性時の数釣りに向く。やや速めの巻きが効果的
巻かないで使用することが多いスライに対して、アルデンテは巻いて使うことの多いルアーだという。「スローに使うスライで反応がよくない時は、アルデンテで速めに巻いてみます。高活性な場合は、そのほうが好反応なケースもよくあります。また、速めの巻きで手返しもよくなるので、数釣り状態になる場合もよくあります」。スローで反応しない時は、アルデンテの速巻きをチェックしよう。
モアザン シャロールスリム98F-SSR(ダイワ)
水面直下を細い引き波で攻める
スライでは引き波が強すぎる……と感じた時に中臺さんが投入するのがシャロースリムだ。「スピードはスライ同様にゆっくり。レンジは水面直下から潜らせても10cmくらいですね。引き波が弱く細いのが特徴ですね。同じく、モジリや捕食がある場所を通るようにドリフトやデッドスローで巻いてくるのが秘訣です」
コモモSF95スリム(アイマ)
水面下10 ~ 40cm を意識して使用
「SF(スローフローティング)設定ですが、想定している湾奥的荒川中流域の塩分濃度だと沈みます。そこを利用して、水面直下よりも、やや深い水深10~40cmのレンジで使用します。およそ2秒でハンドル1回転くらいの速度ですね」
プレックス水面直下(ロンジン)
アップに投げて落とし込んで食わせる
本来は引き波を立てて使用するルアーだが、中臺さんは沈めて使用する。「コモモスリムで攻めるレンジでは限界がある場合に使います。速く落として下のレンジをねらいたシチュエーションで、アップに投げて落とし込んでいきます」
プレックス水面直下は、アップに投げ2秒で1回転ほどのスピードで巻き落として使用。下流を向いてターンしても、そのまま巻き続け、今度は巻き上がりで誘ってくる。深めのレンジを広範囲で探ってこられるのが強みだ
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