キャスティングの基本は、まずサオを大きく振りすぎないこと。よく「12時、10時」と言われるが、時計の文字盤でいうと、後ろに振る時には12時の位置、つまりサオは真上くらいの位置まででストップする。そして前に振る時は10時の位置まで。これは文字盤で左向きに立った場合だが、要するに前に倒しすぎないことが大切。
キャスティングの基本は、サオを大きく振りすぎないこと
解説◎編集部
人気が定着した感のあるテンカラ釣り。シンプルな道具でエサも必要ないため、釣り場では女性や子どもがテンカラザオを振る姿も見かける。しかし、最初はやっぱり多くの壁にぶつかるもの。毛バリが飛ばない、すぐ引っ掛かる、そもそもどのサオを選べばいいのか……。これからテンカラ釣りをやってみたい人、あるいはやったはいいけど、なかなか魚に出会えない人のために、テンカラ釣りウェブ講座を開催!
こちらの記事は月刊『つり人』2020年4月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。
目次
- 実践編:テンカラのキャストの基本
- 実践編:ラインのスピード感をつかむ
- 準備編:釣り場に応じたテンカラ竿の選び方
- 準備編:テンカラ用の糸の選び方 テーパーライン? レベルライン?
- 準備編:最初の毛バリの選び方
- 準備編:キットで道具をそろえてみる
- 実践編:テンカラ釣りでねらうべきポイント
- 実践編:アタリの取り方
- 実践編:アワセのコツ
- 実践編:好ポイントは釣りにくい場所
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テンカラのキャストの基本
釣り場に着いてからも、最初はいろいろとトラブルがあるだろう。最初の難題は、キャスティングだ。
軽い毛バリを遠くに飛ばすために、テンカラ釣りでは重さのあるラインを使う。重いほうが投げやすいといえるが、重すぎると毛バリを上手く流しにくい。
キャスティングの基本は、まずサオを大きく振りすぎないこと。よく「12時、10時」と言われるが、時計の文字盤でいうと、後ろに振る時には12時の位置、つまりサオは真上くらいの位置まででストップする。そして前に振る時は10時の位置まで。これは文字盤で左向きに立った場合だが、要するに前に倒しすぎないことが大切。
あくまでイメージなので、実際にはもう少し大きく振ることもある。初心者が遠くに飛ばそうとすると、だいたい大振りになるので、上手くいかない場合は意識して振り幅を小さくしよう。
ラインのスピード感をつかむ
小さな振り幅でラインを伸ばすためには、スピードを上げる必要がある。前に振る時には一生懸命になるので、強く振り下ろす人が多いが、後ろに振る時(バックキャスト)のスピードは遅くなりがちだ。
ラインスピードは、軽いラインの場合には特に注意しなくてはならない。レベルラインを使う石垣尚男さんはキャスティングの練習として、サオを頭上でくるくると円を描くように振ってみる方法を教えてくれた。この時、新体操のリボンと同じように、ラインがきれいに回るスピードで振るようにする。ラインをきれいに伸ばすためには、そのくらいの速度が必要なので、その感覚をつかむのに有効だ。
テンカララインは、まず後方にしっかり伸ばさないと、前に振った時に力が伝わらない。後方に伸び切っていない状態で前に振り始めると失速し、毛バリは目の前に落ちてしまうことになる。そのため後ろに振る時には、意識して強めにサオを振ろう。ただしこの時、最初に書いたように後ろに倒しすぎないこと。
もうひとつ、大切な要素がタイミング。テンカラ釣りのキャスティングでは、ラインは前と後ろの両方に伸びる。前方にラインが伸びるのは目で見て分かるのだが、後方に伸びているかどうかは確認しにくい。前述のように、後方に伸び切らないうちに前に振ってしまうのがよくある失敗例。毛バリが上手く飛ばない人は、後方に強めに振ると同時に、前に振る前に少しタメを作るとよい。ラインがしっかり後ろに伸びるのを待ってから前に振ると、力が伝わりやすくなる。
テンカラ釣りデビューのための準備と実践
準備編:釣り場に応じたテンカラ竿の選び方
準備編:テンカラ用の糸の選び方 テーパーライン? レベルライン?
準備編:最初の毛バリの選び方
準備編:キットで道具をそろえてみる
実践編:テンカラのキャストの基本
実践編:ラインのスピード感をつかむ
実践編:テンカラ釣りでねらうべきポイント
実践編:アタリの取り方
実践編:アワセのコツ
実践編:好ポイントは釣りにくい場所
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