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編集部2022年2月12日

渓流釣り/テンカラ釣りデビューのための準備と実践 実践編 ポイント選びとアワセのコツ

ヤマメ イワナ 魚種別釣りガイド

テンカラ釣りのポイントは、エサ釣りとあまり変わらない。ねらうべきは、まずエサが流れてくる場所。流れの筋が集まる場所、いわゆるYパターンはエサも集まりやすいので、エサ釣りでもテンカラ釣りでもよいポイントになる。

まずねらうべきは、エサが流れてくる場所

解説◎編集部

 人気が定着した感のあるテンカラ釣り。シンプルな道具でエサも必要ないため、釣り場では女性や子どもがテンカラザオを振る姿も見かける。しかし、最初はやっぱり多くの壁にぶつかるもの。毛バリが飛ばない、すぐ引っ掛かる、そもそもどのサオを選べばいいのか……。これからテンカラ釣りをやってみたい人、あるいはやったはいいけど、なかなか魚に出会えない人のために、テンカラ釣りウェブ講座を開催!

こちらの記事は月刊『つり人』2020年4月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。

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テンカラ釣りでねらうべきポイント

 テンカラ釣りのポイントは、エサ釣りとあまり変わらない。ねらうべきは、まずエサが流れてくる場所。流れの筋が集まる場所、いわゆるYパターンはエサも集まりやすいので、エサ釣りでもテンカラ釣りでもよいポイントになる。

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ねらった場所にキャスティングできるようになると、釣果は確実にアップするはずだ

 そして流れがぶつかる石やカケアガリがあると、魚はそこで定位しやすくなる。さらに魚が隠れられる深場や岩陰があれば、そこは一級ポイントになるはずだ。流心脇の緩流帯や巻き返しなども、エサ釣りのポイントと同じである。

 水面に浮かせるか、あるいは水面直下を流すテンカラ釣りの場合、目安にしたいのが流れる泡だ。ゴミや虫が集まって流れる筋には、泡の筋ができやすい。底層付近を流すことが多いエサ釣りとは違う、ポイントの目安である。

 もうひとつ、エサ釣りではあまり流さないポイントとして、水深の浅いヒラキや肩が挙げられる。アプローチの際に驚かせなければ、魚は意外なほど浅い場所でエサを捕食していることがある。そのような場所も、水面を流すテンカラ釣りではねらいやすい。

 

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落ち込みのすぐ上の部分を、肩と呼ぶ。エサ釣りでは流しにくいが、毛バリを下の段に落とすくらいの気持ちでギリギリまで流すと、魚が食いつくことがよくある。テンカラ釣りでは見逃せないポイントのひとつ

どのくらい粘ればいいのか?

 毛バリを流してみて反応がなかった場合、何投くらいで見切るべきなのか? ベテランの釣りを見ていると、水深のある場所では何度も流した末にようやく釣れるケースもある。だが一般的には、ねらった筋を3回流したら、別の筋をねらったほうがよいだろう。

 1ヵ所で粘れば、最終的に探れるポイントの数は減る。テンカラ釣りは、どちらかといえば機動力を活かして、どんどん釣り上がっていったほうが好釣果につながる。

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水深があって、比較的広い場所では、しばらく粘ってみる価値はある。流れの筋も多いので、可能性がある場所は丁寧に流してみたい。また浮かせた毛バリに出ない時でも、沈めると一発で食ってくることがある

 

アタリの取り方

 水面に浮かべた毛バリを、魚がくわえる。この瞬間は、間違いなくテンカラ釣りの醍醐味だ。しかし実際には、テンカラ釣りでは毛バリを沈めて釣ることもある。小さい毛バリは流れに揉まれて見失いやすく、常に目で追えるわけではない。そんな時、どのようにアタリを取ればよいのだろう?

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魚のアタリはさまざま。飛沫が上がることもあれば、静かに毛バリが消えるようなケースもある。またラインの変化や、水中で魚が不自然な動きをすることでアタリが分かることもある

 毛バリが見えなくなったら、次に注目すべきはラインの先端だ。魚が毛バリをくわえたら、ラインになんらかの変化が表われることが多い。ツツッと引っ張られる、止まる、上流に動くなど、おかしいと思ったら合わせてみる。

 この釣りでは、できれば視野を少し広く取ることを意識するとよい。毛バリを見失ったら、それが流れているであろうあたりを見る。ラインの先端と、毛バリ付近の両方が視界に入るようにする。こうすると、たとえば水中で魚が反転してギラリと光るといったアタリも分かる。魚が毛バリをくわえても、ラインに変化が表われるとは限らない。テンカラ釣りのアタリはさまざまなので、できるだけ多くの情報をキャッチできるように心がけたい。

アワセのコツ

 魚が毛バリに襲い掛かり、しっかり合わせたはずなのに、すっぽ抜け……。テンカラ釣りでは、合わせたのにフッキングしないという悩みもよくある。なにしろアタリがさまざまなので、アワセのタイミングもさまざまであり、ベテランでも失敗はよくある。

 それでも対策を考えてみると、よくある失敗がいわゆる「びっくりアワセ」だ。

 毛バリを追って魚が浮いてくるのが見えると、くわえた瞬間に合わせたくなるので、早アワセになりがちだ。しかしできれば一呼吸置いて、魚が反転して水面下に沈んでから合わせたほうがよい。

 さらにフッキングのミスは、そもそも流し方のミスが原因という見方もある。水面付近の毛バリを魚がくわえると、飛沫が上がったり、魚が飛び出したりとエキサイティングだ。しかし魚はできるだけ省エネでエサを食べるので、ジャンプするように毛バリに飛び出たのなら、毛バリが理想的な筋を流れていないということが考えられる。無理に食べようとするので、魚がくわえ損なうのである。あまり派手に魚が出るような場合には、流し方にも気を配ってみたい。 

好ポイントは釣りにくい場所

 好ポイントは、釣りにくい場所だったりする。水面のすぐ上まで枝が垂れていたり、バックキャストのスペースがなかったり、魚を掛けても取り込みにくい場所だったり……。トラブルを避けたいばかりに、スルーする人も多いはずだ。しかし、もしかしたらそこには、その日一番の大ものが潜んでいるかもしれない。特に先行者がいる気配があるのなら、流しにくい場所でも釣ってみるべきだ。

 釣り人が多い奥多摩の渓流をホームグラウンドにする吉田孝さんは、木が被さった場所でも積極的に釣る。時にはボウ&アローといって、毛バリ(もしくはライン先端付近)を手で持ってサオを引き絞り、その反動で狭い隙間に毛バリを投げ込んだりもする。ラインが長いとやりにくいが、もともとヤブが多い渓流では短いラインにすることが多いので、この方法で投げることも可能だ。

 

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春、鳥の声と水音しか聞こえないような渓流で釣りをするのは至福の時間だ

 

 

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最近はアメリカなどでもTENKARA 人気が高まっている。石垣さんは、毎年のように海外で講習会を開いている

テンカラ釣りデビューのための準備と実践

準備編:釣り場に応じたテンカラ竿の選び方

準備編:テンカラ用の糸の選び方 テーパーライン? レベルライン?

準備編:最初の毛バリの選び方

準備編:キットで道具をそろえてみる

実践編:テンカラのキャストの基本

実践編:ラインのスピード感をつかむ

実践編:テンカラ釣りでねらうべきポイント

実践編:アタリの取り方

実践編:アワセのコツ

実践編:好ポイントは釣りにくい場所


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