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編集部2023年8月4日

群馬県/利根川 流鮎で狙うはじめてのアユルアー

全国おすすめ釣り場 群馬

令和5年はまさにアユルアー元年の様相を呈している。それは多くの釣り人にとって未体験の夏が始まることを意味する。美しいフォルム、こだわりのディティール、圧倒的なリアルなルアーでデビューしてみては?

令和5年はまさにアユルアー元年の様相を呈している。それは多くの釣り人にとって未体験の夏が始まることを意味する。美しいフォルム、こだわりのディティール、圧倒的なリアルなルアーでデビューしてみては?

みんながソワソワ

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ルアーメーカーのデュオ。そのホームページを開くと、トップ画面に「BASS」「SALT」「TROUT」と同社の三本柱のジャンルが並び、そこへ今年、新たに加わったニュージャンルが「AYU」だ。

「AYU」をクリックすると、いくつかの動画が埋め込まれており、その中の「初めてのルアー鮎講座」というタイトルの動画をぜひご覧いただきたい。それこそ「SALT」ではアジングやSLJの名手として常に講師役側として登場する萩原徹さんが「自分、初めてなんスけど(笑)」と生徒役で登場し、ややぎこちない動作で次々に良型アユを掛けては満面の笑顔を浮かべる新鮮な姿が拝めるからだ。

「しかも講師がうちの社長という(笑)」

しかし、あの姿こそが一般的なアユイング初心者の等身大だろう。おそらく、バリバリに友釣りをしていて、今年からアユルアーをやってみようという方はそう多くはない。普段はソルトやトラウトやバスなど他ジャンルのルアー釣りを楽しんでいて、でも実は前からアユは釣ってみたいと思っていた方が始めるケースが多いと思われる。

 

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「私の周りでもサクラマスやヤマメのルアーはやっていて、アユの友釣りだけは道具を揃えるのが大変そうだから近づかないようにしていたなんて方が、何人もアユルアーデビューをしています(笑)」

そう語るのは、萩原さんが釣りをする利根川本流の福島橋上流から坂東橋までを管轄する群馬漁協の常務理事・古賀敏宏さんだ。

「僕は友釣りも楽しんでいて、去年からアユルアーにも挑戦しているひとりです(笑)。今年の7月29日に利根川で開催されるルアーのアユ釣り大会にもエントリーする予定ですから」

そう語るのは、この3月まで群馬県水産試験場の研究員として勤め上げ、この春からは水産技術士事務所を立ち上げた久下敏宏さん。

萩原さんが今年初のアユ釣りを利根川で行なうと聞いて集まった面々だ。ここ利根川も北関東の多くの河川と同様に、今年は天然遡上が好調という前評判だったが、6月の解禁に合わせるように台風に刺激された梅雨前線が活発化して水量が増え、取材当日の6月5日の時点ではまだ釣りができるかは不明だったが、管轄最上流部は水の引きも濁りの薄まりも早く、「これなら夕方前には追い出すかも」と萩原さんも期待してサオをだしたのだった。

「こうして集まってくれる地元の関係者の方々はもちろん、多くの釣り人にも新ジャンルの釣りとして注目されているとヒシヒシ感じます。おかげさまで新発売の流鮎も擬鮎も解禁前に全色が完売しました」と言って萩原さんは流れに立った。

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解禁直後から大雨に見舞われたが、6 月5 日に取材を決行。すると群馬漁協の古賀隆博さん(左)と元群馬水試の久下敏宏さん(右)が激励にやって来た。7 月の大会に参加予定の久下さんはプロトのアユルアーロッドに興味津々だった

 

造形へのこだわり

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「自分のようなアユ釣りビギナーでもこうして簡単にアユが釣れるのはルアーが持つ性能のおかげです。うちはチーフデザイナーでもある社長がガチの友釣りマンでして、実はここ3年ほどアユルアーの開発の先頭に立ってテストを繰り返していました。というのも、やっぱりこのアユ釣りだけは特別で、フィッシュイーターの食性に訴えるという本来のルアー造りの知識だけでは通用しないからなんです」

こうした友釣りの豊富な知識が、野アユに違和感を与えないための水平姿勢や、バタバタと暴れすぎずに流れの中で自然に漂うアユを演出できる控えめな泳ぎにつながったという。

ちなみに同社からはリップ付きの流鮎(ルアユ)とリップレスの擬鮎(ギアユ)の2タイプがリリースされており、いわゆるルアースタイルのアユ釣りにはキャスティングモデルの流鮎がマッチし、おもにリールを使わない友釣りタックルでの釣りにマッチするのが擬鮎だ。

 

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質のいい珪藻類がよく付着している石の周りを自分だけのエサ場にしたい野アユのナワバリにオトリアユを侵入させて挑発し、排除しようと体当たりしたところをハリを掛けるのが友釣りであるが、アユルアーも釣れる理屈は同じである。が、オトリが本物のアユではないところが大きく違う。ただ見た目を本物のアユに似せただけでも釣れない。しかし、似ていないよりも似ているほうが絶対にいいというのがルアー造りの根底にあり、ルアーデザインは本物のアユに限りなく寄せた。

控えめなアクションにたどり着いたのは水中映像を何度も見直した結果、野アユを挑発しようと派手なアクションにすればするほど野アユが逃げていってしまったため。

また、オトリアユと比べるとアユルアーのほうが野アユとの距離がやや縮まりにくい傾向にあることから、河川の遊漁規則の範疇のなかでハリスは長いほうが有利という結論に達した。

しかし、ハリスが長いほど、また、ハリが重いほど下にダレて根掛かりが増えてしまうことから軽量かつハリスがやや長めのチラシバリを採用。また、通常は尻ビレにハリス止メ付きの逆バリを打ってハリスを吹き流すが、ルアーではチラシバリが底からは離れて野アユには近づくように、脂ビレ側にハリス止メを設置。もちろん状況に応じてショートハリスやイカリバリにするなどの応用は個人の自由だ。

 

 

こだわりのイエローリップ

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こだわりが随所に散りばめられた流鮎の中でも、特にこだわりを感じるのがド派手なイエローのリップだ。

「水平姿勢がいいんですけど、中層を水平姿勢で泳がせ続けていてもあまり効果はありません。やっぱり、ちょっと巻いたり、ちょっとサオで煽ったりして川底を這うような動きをさせると野アユの闘争心に火がつくようです」

リップで底石を小突く動作そのものも挑発的だが、そのリップが真っ黄色であることも闘争本能に火をつける。しかもその黄色はルアーを操作する釣り人からも非常に見やすいためルアーの正確な位置や姿勢も把握しやすい。しかもイエローリップは目立つだけではなく、従来ルアーとは異なる破損に強い樹脂素材を採用しており、石に当たった時の音も小さく控えめだ。

 

 

未体験の夏が始まる!

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当初は7月の大会の会場になる友釣り専用区内の敷島緑地で釣りをする予定だったが、発電所の排水工事の影響があり濁りも残っていたことから、群馬漁協管轄の最上流にあたる坂東橋のすぐ下流を探った。

真夏には本流の荒瀬の中で大型がサオを絞り込むというが、新しいハミ跡の多くは左岸側の一段高くなった緩やかな分流側にあった。

元水試の久下さんいわく、この時期は、まだまだ上流に遡上したい若アユたちの一時的な溜まり場に過ぎず、まとまった雨が降るとそれまでいたアユたちが一気に動くとのこと。したがってハミ跡が多くても、そこにナワバリアユが多いとは限らないそうだ。

「とはいえ、やっぱりいいアカが付いている黒っぽい石の周りをねらうのがセオリーです。あとは友釣りの人がやりづらい木の下やテトラが入っているようなところもルアーなら果敢にキャストで探ることができます」

とキャストを繰り返すうちに、「あっ」「うっ」「当たった」と声を漏らすように。気づけば水面で跳ねるアユの姿も頻繁に見えるように。

「とりあえずアユはいるみたいですが、食いが浅い……じゃなくて……当たりが弱いみたい」

しかし、予告どおり午後3時が近づくと、「来た、来た、来たよ~」と大騒ぎが始まる。前情報では数は多いもののサイズは10cm前後とのことだったが、果敢にルアーにアタックしてくる気の強い若アユはいずれも流鮎を上回る15cmサイズでプチ連チャンも達成。

「やっぱり楽しい! 台風直後のこの日しか空いてなくて、正直どうなるか不安でしたけど、この感じなら今年の夏も楽しくなりそうです!」

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※このページは『つり人 2023年8月号』を再編集したものです。

 

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『ザ・ヒストリー・オブ・ルアーフィッシング~ルアー&リール 進化の軌跡』

国内外で広く親しまれている疑似餌釣り=ルアーフィッシング。その起源や発展の歴史を、リールとルアーの登場・進化の過程に軸足を置きながら当時の文献・雑誌記事を掘り起こし解説を試みた本邦初の書。 新しいスタイルのリールは、登場する度にルアーの小型化・軽量化を可能にし、ルアーフィッシングの発展に大きく貢献してきた。英国で古くから発達した片軸受けリールは20世紀に入ると米国式の両軸受けリールに駆逐される運命をたどるが、第二次世界大戦後は逆に英国発祥のスピニングリールが米国へ輸入され未曾有の大流行を巻き起こしていく…。 また一方、新勢力の台頭が旧勢力から反発を買うのは世の習いで、中世より西洋釣魚界に君臨するライフィッシング愛好家は、自分たちの聖域に土足で踏み込む兄弟を軽蔑し、公然と敵視した。 歴代の釣り人たちが遺したそれぞれの主張を織り交ぜながら、英国・米国のリール史と時代を彩ったルアー、それらに熱中し時には翻弄されていく当時の釣り人模様までを、著者が時の彼方から召喚し、鮮やかに浮かび上がらせる。 『ザ・ヒストリー・オブ・バンブーフライロッド』『ザ・ヒストリー・オブ・トラウトフライズ』に続く待望の三部作、全ルアー・フライアングラー必読の書。

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