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編集部2023年7月26日

LTアジの基礎と応用!数釣りのキモはタナ合わせにあり!

アジ 魚種別釣りガイド

東京湾の船釣りターゲットの中でも大人気のアジ。シンプルな道具立てで楽しめるLTアジの基礎と応用を船釣りエキスパートの高槻慧さんが教えてくれた。

東京湾の船釣りターゲットの中でも大人気のアジ。シンプルな道具立てで楽しめるLTアジの基礎と応用を船釣りエキスパートの高槻慧さんが教えてくれた。

最盛期を迎えるアジ

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船釣りが盛んな東京湾には周年アジを釣りものに掲げる船宿が各所にある。今回お世話になった神奈川県川崎市・つり幸もそのひとつ。

つり幸のライトアジ乗合は午前と午後の半日船があり、6月上旬のこの日は午前船に乗船した。

「ようやく産卵を終えた個体も増えて釣りやすくなってきました。これからの時期は脂が乗っていて美味しいですよ」とは船長の須藤光浩さん。

そして今回レクチャーを受けた高槻慧さんは多彩な沖釣りに精通する名手。タチウオ、マルイカ、カワハギなどのテクニカルな釣りものが大好物だが、近年はLTアジの面白さを再発見し、その魅力をさまざまなメディアで発信している。

「LT アジは40号のアンドンビシと2~3本のハリを組み合わせた長さ2mほどの吹き流し仕掛けを使います。水深も深くて20mほどですから軽くて扱いやすいタックルで楽しめるのが魅力です」

今回のアジ釣りをはじめライトタックルというカテゴリーに入る沖釣りには「ライトゲーム」と銘打たれた汎用性の高いロッドがマッチする。概ねオモリ負荷20~80号の7:3または8:2調子のサオである。これに小型両軸受けリールをセットし、ミチイトはPE1号を巻いておく。

つり幸では乗船時に仕掛けをくれるほか、コマセを入れるビシカゴも乗船時に貸してくれる。用意しておくとよい用品はクーラーボックス、手拭きのタオル、ハサミ、フィッシュグリップやハリ外しである。

 

 

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LTアジのキホン!

ステップ1 釣り座の準備

座席の決め方は船宿によってさまざま。先着順にクーラボックスなどを置いて決める船宿もあれば番号札を取る船宿もある。つり幸の場合は受付時に席の番号札を渡してくれる。

釣り座のセッティングは釣りの手返しに関わるとても大切な要素。高槻さんは「ビギナーこそサオ受けがあるとよい」と言う。投入およびやり取りが快適になり、サオの落下も防いでくれる。またこの釣りでは寄せエサにイワシミンチを使用するが、そのエサの入ったコマセオケを釣り座にセットする。

乗船人数に応じて使えるスペースは限られており、左右の釣り人との間隔を見てサオ受けとコマセオケを置く位置を決める。そして立ち位置はコマセオケの前とし、左手側にサオ受け、右側の足もとに魚を入れるバケツを置く。ハサミやタオル、フィッシュグリップは船縁下の手が届く範囲に置いておこう。

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ステップ2 仕掛けの準備

ミチイトをビシカゴの短いほうのワイヤーに結び、長いほうのワイヤーに仕掛けのスナップを接続する。

「船が低速で移動する時や一度サオを置く時はコマセ用の桶の中にビシを入れて仕掛けを船の外側になびかせておくとトラブルが起きにくいですよ。多くの沖釣りで仕掛けは風下側になびかせるのが基本と覚えておいてください」

と高槻さん。言われたとおりにすると移動や食事、コマセを詰めているときのライントラブルは一切起きなかった。

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ステップ3 エサの使い方

寄せエサのイワシミンチと付けエサのアオイソメは出船前に配られる。

コマセはビシの7分目まで詰める。いっぱいに詰めるとコマセが出にくい。なおイワシミンチの中には網目から出にくい骨やエラもあるため目が詰まったと感じたらビシの中をきれいにすること。アオイソメの付け方は米粒大~2㎝程度にハサミで切り分け、ハリにチョン掛けをするのがよいそうだ。

「エサのアオイソメは細かく切ったものを通し刺しにするのが基本とされています。でも私のおすすめはチョン掛けです。なぜならエサの抵抗でハリ先が上を向きやすくアジの硬い上顎に刺さりやすくバラシが減ります。アワセがしっかり決まると上顎に掛かりやすく、釣れたではなく釣ったという満足感も大きいです」

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ステップ4 誘い方

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釣り場に着くと船長がタナを指示してくれる。日中のアジは主に底付近にいるため指示ダナは基本的に底近くである。この日の釣り場は横浜ベイブリッジの周辺。水深が16~20m。タナは底から2mの釣り場が多く場所によっては2~4mという指示もあった。このタナが50cmズレただけでアタリが遠くなることも多いので注意したい。高槻さんに教わったのは次のような誘い方である。

 

①サオを持ちリールのクラッチを切って仕掛けを投入。着底するとスプールが止まり、イトがフワッとふくらむ。ここでハンドルを少し巻いてイトを張る。

②1mごとに色付けされているPEラインの水深マーカーを見て仕掛けの位置を把握 する。まずは底から1m巻き上げて2回シ ャクってコマセを出す。

③再び1m巻き上げてからもう1回シャクった後、10~15秒待つ。このタイミングでアタリが出やすい。

④アタリがなければ再び仕掛けを着底させて②、③の誘いを繰り返す。この動作を3回行なったところで回収し、ビシにコマセを詰め直して付けエサを確認すること。

 

 

ステップ5 アワセと取り込み

「アタリはコトコトと穂先に出ます。この時点でアワセを入れなくても大半の魚は掛かっていますから、ゆっくりと一定の速度で巻き上げればOKです。ただ口の横の柔らかい部分にハリが刺さっていることもあるので、巻き上げを急ぐと口切れしてバレやすくなります」

ビシが水面直下に見えたら巻くのをやめてサオを置き、イトを手繰り寄せてコマセオケにビシを入れる。コマセオケの風下側で仕掛けを手繰り寄せてから、魚を船内に取り入れバケツの上でハリを外そう

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もっと釣果を伸ばすコツ!

ライン引き釣法

高槻さんのこだわりは「掛けにいく」アジ釣りだ。向こうアワセではなくビシバシとアワセを入れる釣り方で使うサオも8:2調子の硬め。コマセの撒き方も基本とは異なり、通称「ライン引き」と言われる撒き方をする。

「小刻みにシャクリを続けてコマセを撒き、指示ダナまで仕掛けを到達させるのがライン引き釣法です。基本の振り方だと底から1m、そして2mとコマセが2点で広がりますが、ライン引きは細かくコマセを撒き続けてタテに帯状の煙幕をつくるイメージです。また、シャクっている間は付けエサが動き続け、リアクションバイトを誘うこともできます。指示ダナではピタリとサオを止めてアタリを見ます。穂先がもたれるような小さいアタリも見逃さずにアワセを入れます。脇を締めるくらいの鋭く小さなアワセをして掛けにいきます」

 

①タックルを持ちリールのクラッチを切ってから仕掛けを投入する。イトが出なくなったら仕掛けが着底した合図なのでハンドルを少し巻いてイトを張る。

②底から50cm巻き上げ2~3秒待ち仕掛けを馴染ませる。

③45度から水平までを目安にシャクり上げながら150㎝分イトを巻き取る。

④シャクり上げた水平の位置でロッドを保持し5~10秒ほど待つ。サオ先にアタリが出た時や違和感があった時は脇をキュッと締めるような鋭いアワセを入れる。

⑤①~④を何度か繰り返しシャクリの抵抗感がなくなったら回収する。

 

 

多点掛けに挑戦!

「アワセができるようになったら多点掛けにも挑戦してみましょう。合わせた後にブルブルという感触があったらリールのハンドルを6~8分の1ずつ小刻みに回しながら1mほど巻き上げます(デジ巻きと呼ばれる巻き方)。1m巻いたらデジ巻きを止め、一定の速度で回収しましょう」

多点掛けに成功すると複数尾の魚が暴れるためハリを外す時にライントラブルが起こることがある。すべての魚を船内に取り込んだらビシ側から順にハリを外していくとトラブルが起こりにくい。

 

 

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編集部員が「トリブラプレミアム錠」で船酔い対策!

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今回がアジ釣り初体験の新人編集部のトガワは幼い頃から乗り物酔いに苦しんでいた。バスに酔い、旅客船で酔い、自分が運転する車でも酔うことがある。そんな虚弱体質ではあるものの釣り総合誌の編集部員として今後さまざまな大自然と向き合わねばならない。そして初めての船釣り取材に挑むにあたり酔い止め薬として服用したのが大木製薬「トリブラプレミアム錠」だ。1日1回1 錠を飲めば効くという。先輩のススメもあり薬の効果を実感できる乗船の2時間前に服用した。 いざ、船宿に付くと土砂降りの雨。海上に出ると風も強い。高槻さんいわく東京湾にしては「中」程度のシケぐあいと見事なまでの悪天候ではあった。しかし自分が乗り物酔い体質ということも忘れるくらいトガワはアジ釣りに没頭できた。

 

 

 

 

※このページは『つり人 2023年8月号』を再編集したものです。

 

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『ザ・ヒストリー・オブ・ルアーフィッシング~ルアー&リール 進化の軌跡』

国内外で広く親しまれている疑似餌釣り=ルアーフィッシング。その起源や発展の歴史を、リールとルアーの登場・進化の過程に軸足を置きながら当時の文献・雑誌記事を掘り起こし解説を試みた本邦初の書。 新しいスタイルのリールは、登場する度にルアーの小型化・軽量化を可能にし、ルアーフィッシングの発展に大きく貢献してきた。英国で古くから発達した片軸受けリールは20世紀に入ると米国式の両軸受けリールに駆逐される運命をたどるが、第二次世界大戦後は逆に英国発祥のスピニングリールが米国へ輸入され未曾有の大流行を巻き起こしていく…。 また一方、新勢力の台頭が旧勢力から反発を買うのは世の習いで、中世より西洋釣魚界に君臨するライフィッシング愛好家は、自分たちの聖域に土足で踏み込む兄弟を軽蔑し、公然と敵視した。 歴代の釣り人たちが遺したそれぞれの主張を織り交ぜながら、英国・米国のリール史と時代を彩ったルアー、それらに熱中し時には翻弄されていく当時の釣り人模様までを、著者が時の彼方から召喚し、鮮やかに浮かび上がらせる。 『ザ・ヒストリー・オブ・バンブーフライロッド』『ザ・ヒストリー・オブ・トラウトフライズ』に続く待望の三部作、全ルアー・フライアングラー必読の書。

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