全国おすすめ釣り場ガイド。神奈川県の「野島防波堤のカレイ釣り」をご紹介します。
育てて、釣ってもらいたい。タナゴ釣り堀。
この記事は月刊つり人2021年5月号の記事を再編集しています
全国おすすめ釣り場ガイド。千葉県の「Fuji 養殖場のタナゴ釣り」をご紹介します。
目次
開高健もうなるタナゴ釣り
千葉県四街道市の「Fuji 養殖場」内のタナゴ釣り堀は、自らタナゴを生産し、釣りも愛好してきたオーナーの藤井弘さんが、2020年の5月にオープン。魚類には直接関係ないが、第一種動物取扱業の登録もしている藤井さんが、「自ら育てたタナゴで、野生のタナゴ類の棲息に負荷をかけることなく、多くの人にタナゴ釣りを経験してもらいたい」という意気込みで運営している。
釣った魚は用意されたカゴへ。手ぶらでも楽しめる
作家・開高健は「タナゴはルーペで釣るものであること」と驚いたが、この釣りには繊細な仕掛けで小さな魚をねらう面白さがある。短ザオで腰をすえて楽しみ、主にねらうのは、タイリクバラタナゴ(オカメタナゴ、バラタナゴ)だ。元々は東京の熱心な釣り人を中心に、静かな水辺で(バラタナゴは止水を好む)、他の釣りものが少なくなる冬場に、いかに多くアタリを取るかという、釣り好き作家もうなる独自の釣りが育まれていった。
貴重な魚を釣ることができる
タナゴ釣りにはこれとは別に、各地に残された在来タナゴ(ヤリタナゴ、アブラボテ、アカヒレタビラ、カネヒラなど)を、もう少し大らかにねらっていく釣りもある。
こちらは「キタノアカヒレタビラ黄メタリック」オーナーの藤井さんが育ててきた
どちらにも共通しているのは、釣り場自体はけっして多いとはいえないこと。タナゴ類はいずれも二枚貝を利用して繁殖するので、それらの淡水貝が棲息できるような水辺がなければ、そもそもタナゴも残っていけない。関東地方でいえば、霞ヶ浦、手賀沼、牛久沼などの周辺に残る水郷地帯が貴重な棲息域になってきたが、圃場整備や宅地開発の影響で戦後だけでも急速に釣り場が減ってしまったのが現状だ。
井戸水を利用して育てている
タナゴという魚の素晴らしさ、そして釣っても面白い対象魚としての貴重さ。昔から飼育にも取り組んできた藤井さんなりの「多くの人にタナゴに触れてほしい」という思いが、養殖場にして釣り堀という、今のスタイルにつながった。
屋根付きの水槽は1つ。多少の雨なら全く問題ない
現在、「千葉の片田舎です(笑)」という敷地には、各種タナゴ類を育てる複数の養殖用水槽が並ぶ母屋(受付も兼ねる)、お客さんのために建てた清潔な外トイレ、屋根付きの釣り堀水槽、露天の釣り堀水槽、車4~5台が停められる駐車スペースがある。地元出身の藤井さんが、井戸水を利用できることにこだわって場所を見つけた。
受付を兼ねる母屋には養殖用の水槽がずらり。こちらを見学するのも楽しい
次回はFuji養魚場のレギュレーションについてご紹介します。
千葉県/Fuji養魚場 タナゴの「ツン」というアタリを楽しむ。その2