九州のほぼ中央、九州脊梁山地からの水を集め、熊本県南部の人吉盆地まで流れる球磨川の支流が川辺川。毎年、良型のマダラ(ヤマメ)が釣れ、解禁と同時に県外からも多くの釣り人が訪れる。山岳渓流の相を成す上流部も釣りは楽しめるが、川辺川ならではといえる早期からの良型がねらえるのは、子守唄の里として知られる五木村の中心部から下流、R445が川の左岸に沿って走る約20kmほどの区間だ。
大ヤマメ潜むターコイズグリーンの瀬と淵
文◎編集部
この記事の内容
3月から大型が躍るマダラの里
九州のほぼ中央、九州脊梁山地からの水を集め、熊本県南部の人吉盆地まで流れる球磨川の支流が川辺川。毎年、良型のマダラ(ヤマメ)が釣れ、解禁と同時に県外からも多くの釣り人が訪れる。山岳渓流の相を成す上流部も釣りは楽しめるが、川辺川ならではといえる早期からの良型がねらえるのは、子守唄の里として知られる五木村の中心部から下流、R445が川の左岸に沿って走る約20kmほどの区間だ。神秘的な緑色をした厚く透きとおった流れでは、小さいカワゲラから大型のカゲロウまで、数多くの水生昆虫が羽化をする。川辺川ではこれらの水生昆虫がまとまって羽化すると、対岸までとても渡れないような深い瀬や淵で、日中から尺ヤマメが派手な飛沫を上げ、猛烈にエサに襲い掛かるシーンに出くわすことがある。
南国の川は解禁初期からこのサイズが泳ぐ
南国の川だけに、釣りは解禁直後の3月からすでに大型ねらいを含めて楽しめるが、水生昆虫の羽化も、それを追うヤマメの活性もピークを迎えるのは例年4月中旬から5月。この頃は川全体が生命感にあふれる。淵でも強い瀬の中でも、エサや毛バリに活発にヤマメが反応してくる。
そんな魅力溢れる川辺川だが、唯一予断を許さないのはダム問題。現在、ダム本体の建設は実質的に中止されているが、関連事業の一部は継続しており、河川状況は毎年のように変わる。この清流が残されることを切に願うが、ヤマメの付き場を、瀬、流れ込み、淵、ヒラキと虫の動きと合わせて見極めていけば、ダイナミックな流れの中からドラマチックな一尾に出会う幸運がきっと待っているはずだ。
一定区間ごとに現れる瀬落ちの淵も好ポイント
●管轄漁協:球磨川漁協(TEL 0965・32・3266)
●交通:九州自動車道・人吉ICを下り、川辺川沿いのR445で上流の五木村へ
※この記事は月刊『つり人』2018年4月号に掲載したものを再編集しています。情報は掲載時のものです。解禁日・入漁料等は管轄漁協にご確認ください
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