JB TOP50で年間チャンピオンを3度獲得した唯一のアングラーで、先に開催されたBasser Allstar Classic 2016で準優勝を収めた小森嗣彦先生。小森先生が使うダウンショットリグは幾度も勝利に貢献し、先生の代名詞的なリグとなっている。
シェイク1回でシンカーを3~5㎝動かす小森流操作法
編集部=写真・文、もりなをこ=イラスト
JB TOP50で年間チャンピオンを3度獲得した唯一のアングラーで、先に開催されたBasser Allstar Classic 2016で準優勝を収めた小森嗣彦先生。ダウンショットリグは小森先生の勝利に幾度も貢献し、代名詞的な存在となっている。
どんな状況でもきっちりバスを手にする巧みな技を、YとSは習得できるのだろうか!?
編集部員がエキスパートに入門し、座学と実践で免許皆伝を目指す 『Basser』の人気連載をピックアップ!
※この記事はBasser2010年4月号に掲載されたものを再編集しています
講師=小森嗣彦(こもり・つぐひこ)
昭和49年10月20日生まれ。JB TOP50で3度の年間タイトル獲得している唯一の選手。ほかにも2008年JBスーパーバスクラシック優勝、2012年Basserオールスタークラシック優勝、2009年、2011年、2016年Basserオールスタークラシック準優勝、2016年JB TOP50第1戦さめうら湖&第3戦七色貯水池優勝などの成績を収めている。亀山湖、桧原湖、琵琶湖、霞ヶ浦水系でガイドも営む。
小森嗣彦オフィシャルホームページ「Komori Guide Service」
生徒=ヤマガタ(Y)
ダウンショットリグは「釣れるけどなんかピンとこない」存在だった。しかし、2014年の12月、冬の相模湖で行なわれた編集部対決では、2.5inレッグワームのダウンショットリグを使って小森先生の教えを忠実に実践し、出場チーム中唯一のバスをキャッチ。
生徒=ササキ(S)
地元、広島の野池では「ダウンショットリグを使わせたら右に出るものナシ」と自分で思っていたほど自信のあるリグだったため生徒役に志願。この道場取材を受けてからは小森先生のレッグワームリグに開眼。2013年~2015年の初バスとラストバスはこのリグでキャッチした。
ダウンショットリグとは……フックに結んだラインの余りをリーダーとして、ソフトベイトの下にシンカーをセットする形状のリグ。ボトム感知性能が高く、スイミングやシェイクなどさまざまな操作で使える汎用性の高いリグだ。
昭和49年10月20日生まれ。JB TOP50で3度の年間タイトル獲得している唯一の選手。ほかにも2008年JBスーパーバスクラシック優勝、2012年Basserオールスタークラシック優勝、2009年、2011年、2016年Basserオールスタークラシック準優勝、2016年JB TOP50第1戦さめうら湖&第3戦七色貯水池優勝などの成績を収めている。亀山湖、桧原湖、琵琶湖、霞ヶ浦水系でガイドも営む。
小森嗣彦オフィシャルホームページ「Komori Guide Service」
生徒=ヤマガタ(Y)
ダウンショットリグは「釣れるけどなんかピンとこない」存在だった。しかし、2014年の12月、冬の相模湖で行なわれた編集部対決では、2.5inレッグワームのダウンショットリグを使って小森先生の教えを忠実に実践し、出場チーム中唯一のバスをキャッチ。
生徒=ササキ(S)
地元、広島の野池では「ダウンショットリグを使わせたら右に出るものナシ」と自分で思っていたほど自信のあるリグだったため生徒役に志願。この道場取材を受けてからは小森先生のレッグワームリグに開眼。2013年~2015年の初バスとラストバスはこのリグでキャッチした。
ダウンショットリグとは……フックに結んだラインの余りをリーダーとして、ソフトベイトの下にシンカーをセットする形状のリグ。ボトム感知性能が高く、スイミングやシェイクなどさまざまな操作で使える汎用性の高いリグだ。
「横に動かす」という鉄の掟
前回最初に入ったスポットでは、小森先生がワンバイトを得るも乗らず。次に向かったのは、岩盤の際にオダが沈んでいるスポットで、水深は10m。Y艇に先駆けて到着した小森艇は、オダから5mほどボートを離してキャストする。
S 先生、ひとつ疑問が。オダについたバスをねらうなら、オダの真上にボートポジションをとってバーチカルに釣ればいいんじゃないでしょうか。水深が10mもあればバスも警戒しにくいでしょうし、何よりそっちのほうがじっくり誘えそうな気がします。
小森 ササキ君、座学篇で教えたことを忘れちゃったのか? ダウンショットリグの本領を発揮させるためには……。
S あっ! 「横に動かす」ですね!
小森 そう。だからあえてボートをねらうスポットから離して、横に動かす余裕を作るんだ。気をつけたいのは、ブレイクを釣るときだね。ブレイクに対して平行に移動すればいいよ(イラストA参照)。アップヒル(a)だと段差にシンカーが引っ掛かるし、ダウンヒル(b)だと上下の動きが出ちゃうからよくない。ヤマガタ君にも教えてあげなきゃ……。
ダウンヒル。シンカーが下に向かおうとする力が働くため、リグに上下の動きが出てしまう
アップヒル。ブレイクの途中にある沈み物や、エッジにシンカーがスタックしてしまうためダウンショットリグには適さない
ブレイクラインと平行に流せば水深の変化が少なく「横の動き」を活かせる。1投ごとにコースを変えてさまざまなレンジを探ろう
S い、い、い、いや、先輩なら大丈夫です! 出船前にずっと「横、横、横、横……」とつぶやいてましたから。
小森 そっか。
S ホッ。ところで先生、さっきはポーズなしでアクションさせていたのに、ここでは時おりリグを止めているのはナゼですか? 心なしかシェイクのリズムも遅い気がします。
小森 それはねらっているバスの状態が違うから。さっきねらっていたのは「シャローのバス」で、今ねらっているのは「ディープの障害物についている冬のバス」。
S バスの状態によってシェイクのリズムやポーズの時間を使い分けるんですね。
小森 低水温期にシャローにいるバスはディープの個体に比べてアベレージサイズが大きくて、動く体力があるし、ねらうエリアが広いから速めのテンポがいい。ディープにいる「冬のバス」は動きたがらないから、ポーズを織り交ぜてスローテンポで探ってるんだ。
S なるほど。じゃあ先生の猿マネでがんばります。
小森 それはよくないな。バスが反応するテンポやポーズの秒数は日替わりだから、いろいろと試すほうがいい。さっき言ったように、ねらうバスの状態によってある程度推測することはできるんだけどね。
S 先生、そもそも、どういう感じでシェイクすればいいんでしょうか……。
小森 1回のチョン! で、ボトムのシンカーを3~5㎝動かすイメージだね。
シェイクは、「ラインを張ってシンカーを3~5㎝移動させる」と「ラインを少し送り、張らず緩めずの状態にする」の繰り返し
S こ、こんな感じですか?(ズンズンズン……)
小森 大ぶりすぎるね。それだと、シンカーが移動しすぎたり、ボトムから離れたりしちゃうよ。浮いたシンカーがボトムまでフォールする間、ソフトベイトに「上下の動き」が加わっちゃうんだ。「横の動き」をさせるためにはシェイクの練習をすることも大事だよ。
S 理屈はわかるんですが(ズンズンズン……)不器用ですから。
小森 そんなササキ君にいい練習方法があるよ。こんなふうに(写真参照)ティップを船べりから3~5㎝離して、タンタンタンタンとリズミカルにノックするんだ。これは家でもできる練習だからぜひやってみて。ただし、ロッドを折らないように注意してね。音の大きさやリズムが一定になったら一人前のシェイカーだね。
ティップで船べりをノックして、タンタンタンタン……とリズミカルなサウンドを刻めるようになれば一人前。船べりだけではなく、部屋の壁などで練習することもできる
「グリップの握り方についてはとくに決まりはありません。自分がシェイクしやすい握り方でいいですよ」。小森先生はスリーフィンガー(写真上)もしくはツーフィンガー(写真下)。どちらの場合も、小さなバイトを察知するために人差し指をブランクに添えている
Sがみっちり教えを受けているうちにYがようやく追いついてきた。
小森 んっ!? Y艇が福を運んで来てくれたみたいだ。キタよっ! 25㎝くらいかな。「冬のバス」ねらいは、サイズが選べないのが特徴なんだ。40㎝クラスも混じるけど、20㎝前後の小型が多い。
25㎝ほどの「冬のバス」をキャッチ。2.5inレッグワーム(ブラックソリッド)とS.S.フック・ワーム19の#3、3/32ozシンカーという、小森先生にとっての黄金コンビネーションで口を使わせた
Y しかし、この寒いのにさすがです! よし、僕も!
小森 1尾釣れたし、小移動して「冬のバス」ねらいを続けよう。
ロッドさばきは縦、横?
ロッドさばきは横(写真上)が基本。風にラインをとられにくく、またシェイク時にシンカーがボトムから離れにくいからだ。ただし小森先生は、スモールマウスバスねらいのときなど、ショートバイトが予想される釣りのときには縦(写真下)にさばいている。「縦さばきはラインスラックを作りやすいというメリットがあるので、ラインの動きでバイトをとるときは縦がいいですね」
ロッドさばきは横(写真上)が基本。風にラインをとられにくく、またシェイク時にシンカーがボトムから離れにくいからだ。ただし小森先生は、スモールマウスバスねらいのときなど、ショートバイトが予想される釣りのときには縦(写真下)にさばいている。「縦さばきはラインスラックを作りやすいというメリットがあるので、ラインの動きでバイトをとるときは縦がいいですね」
小森先生流のダウンショットリグは「横に動かす」のが基本中の基本。しかし、状況に応じてほかのアクションを試すこともある。「横に動かす」以外のアクションのバリエーションは「なぜ釣れるのか!? 小森嗣彦の〝レッグワームリグ〞」記事を参照。
立ち木天国、それとも地獄?
小森先生が1尾キャッチしたあと向かったのは川晴ワンド。入り口の幅が10mほどの小規模なワンドで、水中には多数の立ち木が没している。水深は8mほどだ。川晴ワンドに入る。北風をブロックできて、ボディーウォーターの影響を受けないこのワンドは典型的な冬のエリア。水面には出てないが多数の立ち木がある
小森 バスは立ち木に寄り添うように着いてるから、根元にダウンショットリグを落として探っていこう。
Y わかりました(チョンチョンチョンチョン……)。
小森 ヤマガタ君! 水中の立ち木の枝にラインが掛かってるよ!
Y いやですね先生、「掛かってる」じゃなくて「掛けてる」んですよ。枝にラインを掛けることで1点シェイクする頭脳プレイです。
小森 ササキ君、たしかさっき「ヤマガタ先輩は“横のアクションが大事”ってわかってます」と言っていたよね。あれはウソだったのかい?
S えへっ。バレちゃいましたか。ところで先生、なんでヤマガタ先輩のラインが枝に引っ掛かってるとわかったんですか? まさか水中透視能力?
小森 ラインと水面の接点に注目してごらん。シェイクし続けているのにボート側に寄ってこないでしょ?
S なるほど! そういう場合はどうすればいいんでしょうか?
小森 ゆっくりとリールを巻いて枝をソロリと乗り越えさせて、そのあとボトムまでフォールさせる。焦って一気にリグをあげるとリーダーが枝に巻きついたりしちゃうから気をつけて。
Y ソロ~ッ、と。おっ、すんなり乗り越えました。先生がオフセットフックを推奨するのはこういうケースを想定してのことなんですね。
小森 そう。マスバリだと高確率で立ち木を釣っちゃうからね……、おっ! バイトだ!
小森先生のロッドがギューンと絞り込まれる! が……。
小森 うっ!! 立ち木に巻かれちゃったよ(涙)。
小森先生にグッドサイズと思しきバスが掛かるも、上げてくる途中に立ち木の枝に巻かれてしまう。こんなときは方向を変えながら引っ張ってあげると外れることも。この事態を避けるためには、立ち木をまたぐのではなく、間を通るようにトレースコースを設定することが重要
Y 先生もそんなことがあるんですね。
小森 うん。今のはリールを速く巻きすぎたのが失敗だったね。ゆっくりファイトしたほうが巻かれにくいんだ。
S 巻かれたらお手上げなんですか?
小森 簡単にあきらめないで、エレキを踏んで立ち木の周りをグルグル回りながら引っ張ってあげるとうまく外れることがある。けど、コレは無理だなぁ~。くやしい!
S ところで、さっきからドラッギングしているのはナゼですか? 広範囲を探るため?
小森 いいえ。今日は風が強くて思いどおりにキャストしにくいし、糸フケが出やすくなっちゃうからだよ。ねらう立ち木に対してバーチカルにリグを落としてるんだけど、そのままボートを動かさないと誘いが上下になっちゃう。横に動かすためにドラッギングしてるんだ。キャスティングしたときと比べてラインに角度がつかないから立ち木の枝に絡まりにくいというメリットもあるよ。
ダウンショットリグを得意とする
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2016/06/24