舞台はクリアウォーターでポッパー&ペンシルにピッタリの河口湖。 でも、このときの気温は6月なのに9℃。 並木先生はどう対応するのか?
6月の河口湖で実践! 気温9℃にもアジャスト
編集部=写真・文、もりなをこ=イラスト
YとSはいよいよ湖上で 並木敏成先生の手ほどきを受ける。 舞台はクリアウォーターでポッパー&ペンシルにピッタリの河口湖。 でも、このときの気温は6月なのに9℃。 並木先生はどう対応するのか?編集部員がエキスパートに入門し、座学と実践で免許皆伝を目指す 『Basser』の人気連載をピックアップ
※この記事はBasser2009年8月号に掲載されたものを再編集しています
講師=並木敏成(なみき・としなり)
並木敏成先生のブログ「TOSHI’s DAYS」
並木敏成先生のfacebook
1966年10月17日生まれ。バスマスタークラシックにクオリファイした初の日本人。2005年シーズンはFLW ツアー第3戦で優勝し、年間ランキング2位と大暴れ。本誌連載「The Mission」でも、トップウォーターで数々のナイスフィッシュをキャッチしている。
1958年7月9日生まれ。1980年代に本場アメリカのバスフィッシング理論やテクニックを吸収し、日本に持ち帰ったアングラー。1986年発行の本誌創刊号に「パターンバッシング」を寄稿。その内容は今もまったく色褪せることがない。1998年からB.A.S.S. に参戦し、自身が生みの親であるクリスタルSを駆使して数々の実績を残した、理論派であり実践派。スピナーベイトをメインパターンにして初日2位にランクインした2015年のバサーオールスタークラシックが記憶に新しい。
生徒=ヤマガタ
追い詰められるとツンデレ口調になる三十路男。かつて地元のクリアなリザーバーでペンシルベイトで相当釣ったというが、編集部に入ってからは霞ヶ浦水系がホームになり、その出番は皆無に。
生徒=ササキ
かつてトッパーだったらしいが、「見えないほうが興奮する」とチラリズム(?)に目覚め最近はご無沙汰。東京に越してきてからポッパー&ペンシルベイトよりもビッグバド系ルアーの出番が増えた。
ポッパーとは……トップウォータープラグ(水面で使うプラグ)のうち、口を大きく開けた形状(カップ)をもつもの。アクションを加えるとポコッポコッというポップ音や水しぶきを発生させる。短い移動距離で首を振らせるのも得意。
ペンシルベイトとは……トップウォータープラグのうち、シンプルな細長い形状のもの。ロッドをうまく操作して頭を左右に振らせるドッグウォークやスケーティングと呼ばれるアクションが持ち味
並木敏成先生のブログ「TOSHI’s DAYS」
並木敏成先生のfacebook
1966年10月17日生まれ。バスマスタークラシックにクオリファイした初の日本人。2005年シーズンはFLW ツアー第3戦で優勝し、年間ランキング2位と大暴れ。本誌連載「The Mission」でも、トップウォーターで数々のナイスフィッシュをキャッチしている。
1958年7月9日生まれ。1980年代に本場アメリカのバスフィッシング理論やテクニックを吸収し、日本に持ち帰ったアングラー。1986年発行の本誌創刊号に「パターンバッシング」を寄稿。その内容は今もまったく色褪せることがない。1998年からB.A.S.S. に参戦し、自身が生みの親であるクリスタルSを駆使して数々の実績を残した、理論派であり実践派。スピナーベイトをメインパターンにして初日2位にランクインした2015年のバサーオールスタークラシックが記憶に新しい。
生徒=ヤマガタ
追い詰められるとツンデレ口調になる三十路男。かつて地元のクリアなリザーバーでペンシルベイトで相当釣ったというが、編集部に入ってからは霞ヶ浦水系がホームになり、その出番は皆無に。
生徒=ササキ
かつてトッパーだったらしいが、「見えないほうが興奮する」とチラリズム(?)に目覚め最近はご無沙汰。東京に越してきてからポッパー&ペンシルベイトよりもビッグバド系ルアーの出番が増えた。
ポッパーとは……トップウォータープラグ(水面で使うプラグ)のうち、口を大きく開けた形状(カップ)をもつもの。アクションを加えるとポコッポコッというポップ音や水しぶきを発生させる。短い移動距離で首を振らせるのも得意。
ペンシルベイトとは……トップウォータープラグのうち、シンプルな細長い形状のもの。ロッドをうまく操作して頭を左右に振らせるドッグウォークやスケーティングと呼ばれるアクションが持ち味
6月なのに気温9℃!
並木 「ポッパー&ペンシル」のお題に沿ってクリアウォーターの河口湖を選んだわけだけど、この山上湖(水面の標高830m)でトップで釣るにはちょっと時期が早かったね。
S え? 出船したばかりなのにどうしてわかるんですか?
並木 今の表水温は17℃。けど、バスのトップへの反応がよくなるのは、基本的に20℃を超えてからなんだよ。それ以下の水温でもトップが有効な状況はあるけど、そういうときはスローなアクションを心掛けるべきだね。
S はぁ〜、水温からバスのトップへの反応や有効なアクションまでわかっちゃうんですか。
並木 それと、バスは15〜16℃でスポーニングするから今はその真っ最中のはず。産卵床を作る段階からバスの意識はボトムに向くから、トップを含めたハードベイト全般で釣るのが難しくなる。
S で、でも、まったく望みがないわけじゃないんですよね?
並木 もちろん、湖のすべてのバスが同時にスポーニングするわけじゃないからね。個体によって差がある。今日の気温でササキ君みたいにTシャツ1枚で平気な人がいるようにね。俺には正気とは思えないよ(笑)。
S 燃えてる今日の僕にはコレでも暑いくらいですよ。なんてったって今回のテーマはポッパー&ペンシル。つまり「トップ」ですから!
並木 ササキ君はトップが得意なんだ?
S ムフ そうなんですよ。つい先日も利根川でビッグバドを引いて先輩に圧勝しました!
並木 ああ〜、なるほどね。だから今日のヤマガタ君は無口なんだ(笑)。けど、ノープロブレム。俺が教えるんだから今日は絶対に釣れる。
Y ひっくり返された上下関係を元に戻してください〜(涙)。
並木 OK、わかった。と言いたいところだけど、俺は平等に教えるから釣りたかったら素直に言うことを聞くように。
Y&S Yes! ティーチャー!
表層にベイトフィッシュが多いエリアを探せ!
Y 午前中は湖とバスの状況を確認するということですが、具体的には何をチェックするんですか?
並木 この状況でトップで釣るなら表水温が上がる午後から夕マヅメが勝負になる。その時間帯に備えてベイトフィッシュが多いエリアを探しておきたいんだ。
並木 キーになるのはハスとオイカワ。どちらも表層を好むから、これらの魚が多いフィールドやエリアではトップがハマりやすい。反対に、ハヤやニゴイ、ハゼ科など、ボトムやその付近を好むベイトフィッシュがメインの釣り場では、比較的トップが効きにくいんだ。
Y トップはベイトフィッシュと密接に関連してるんですね。
この日は溶岩帯の凹みやウイードエリアのアウトサイド(沖側)などで、水深2~3mのボトム付近にバスを確認できた
並木 厳密には、トップのなかでも今回のテーマであるポッパーとペンシルがとくにベイトフィッシュとリンクする。バズベイトやノイジーは捕食よりも威嚇がバイト要素になるからね。ポーズの時間は0〜∞秒
並木 ほら、この辺り(長岬から大石公園にかけて)はバスがチラホラ見えるよ。
Y 水深は2〜3mで、バスは底のほうをウロウロしてますね。この水温でトップに出るんでしょうか。
並木 ルアーをスローに操作して、バスが浮いてくるまでの間をしっかり取ることだね。
Y 僕はトップをゆっくり動かして釣ったことがないんです。バスにルアーを見切られちゃう気がして。
並木 トップはルアーの全体像をバスに認識されにくいのも特長だよ。最終的に食わせられるかどうかは別として、バスと1番長くにらめっこさせられるルアーのひとつなんだ。
S ポーズの時間はどうやって判断するんですか?
並木 基準になるのは表水温やバスの状態だけど一概には言えない。でも、どれくらいのスピードで操作すればいいのか、感覚を掴むためのヒントなら見せてあげられるよ。
こんな感じでベントミノーを桟橋の際に放置しておくと……
そう言うと、並木先生は桟橋の際にベントミノーをキャストした。そして、まったくアクションさせずに放置。その、いわゆる「ほっとけメソッド」状態のルアーを3人が見守るなか、5秒が経過し、10秒を過ぎたころ……。 並木 お、見える? ルアーの下に影が浮いてきたよ。
Y ホントだ!
並木 このまま止めておいたほうがいい場合と、寄ってきたバスの鼻っ面でアクションさせたほうが食う場合がある。ただ、バスがUターンしちゃってもアクションをつけて振り返らせることができるから、まずはこのままポーズさせてみるよ。
バスが寄ってきてパクリ! 解説しつつファイトする並木先生
S と、言ってる間に食いました!
並木 バスが寄ってくるまでは10秒くらいだったね。ポーズの時間を0〜∞秒だと考えればトップで釣れるシチュエーションの幅がぐっと広がるよ。
ポーズの時間は0秒〜∞と考えよう。3分以上のロングポーズにバスが浮いてくることもあるんだよ(並木先生)
並木先生は解説しながらバスをいなしてスムーズにランディングした。
Y 今のは僕がやってきたトップとは真逆の釣り方です。
並木 ポッパーもペンシルも、キミたちが考えているよりもずっと対応力に幅があるルアーってことだね。
Yの脳内。o O(ロングポーズが効くのはムシパターンがハマってるときくらいだと思ってたけど、普通のトップでもアリなんだ! しかも、完全に止めた状態で釣れるってことは、どんなにスローに動かしても見切られる心配はなさそう。今までは誤解してたんだなぁ。)
S 今日はゆっくり操作するのが有効なんですね。
並木 このバスは桟橋の直下についていて、それをルアーに対して横方向に寄せて釣った。同じトップでも、バスをルアーに浮上させて釣るのとではポーズの時間が変わってくるし、使うルアーのアピール力によってもバスの寄り方は違ってくる。
並木 だから、10秒というのはあくまでも目安。ただ、今日は“スローにアクションさせる意識”をもったほうがいいのはたしかだね。(次回に続く)
YとS、この日の正解をいち早く飲み込めるのはどちら? ……次回、並木敏成のポッパー&ペンシルベイト道場:第5回
「実践で学ぶアクションの使い分け」