編集部2016年6月2日

田辺哲男のスピナーベイト道場 :第3回(全6回)

Basser バス釣り

田辺哲男先生のスピナーベイト道場!今回はスピナーベイトの心臓部、ブレードについて学ぼう。

コロラド、ウイローリーフ、インディアナ。ブレードが変わればスピナーベイトの性格もがらりと変わる

ブレードについて知っておくべきこと

編集部=写真・文、もりなをこ=イラスト

田辺哲男先生のスピナーベイト道場!今回はスピナーベイトの心臓部、ブレードについて学ぼう。

編集部員がエキスパートに入門し、座学と実践で免許皆伝を目指す 『Basser』の人気連載をピックアップ
※この記事はBasser2009年11月号に掲載されたものを再編集しています

tanabe 講師=田辺哲男(たなべ・のりお)

1958年7月9日生まれ。1980年代に本場アメリカのバスフィッシング理論やテクニックを吸収し、日本に持ち帰ったアングラー。1986年発行の本誌創刊号に「パターンバッシング」を寄稿。その内容は今もまったく色褪せることがない。1998年からB.A.S.S. に参戦し、自身が生みの親であるクリスタルSを駆使して数々の実績を残した、理論派であり実践派。スピナーベイトをメインパターンにして初日2位にランクインした2015年のバサーオールスタークラシックが記憶に新しい。

yamagata 生徒=ヤマガタ
小学校6年生の冬に、山形の城跡の堀でバイブラシャフトで釣ったのがスピナーベイトでの初バス。「雪が降ってる日に釣れるはずがないと思って、根掛かりしにくいから、という理由で投げてたら釣れました」。以来、地元ではスピナーベイト派だったが、千葉へ越してきてからはクランクベイト派に。ちなみに「ヤマガタ」は新人時代に付けられたニックネーム。『Basser』編集長。


sasaki 生徒=ササキ
小学校6年生の夏に、広島の山間部の野池でデルタフォースで釣ったのがスピナーベイトでの初バス。「足もとのカバーから飛び出してきて食う瞬間が見えました。あのときの興奮は忘れられません」。以来、東京へ越してきてからも一途なスピナーベイト派で、一日中投げ続けることもある。2015年4月のH-1グランプリ新利根川戦でスピナーベイトを使って2位に入賞できたのはこの道場を受けたおかげ。

スピナーベイド スピナーベイトとは……ブレード、ワイヤー、ヘッド、スカートで作られたルアー。水中で引くとブレードが回転し、光の反射と振動でバスを誘う。フックの前方にワイヤーがあるので根掛かりしにくい

 

田辺哲男先生からの問⑤
スピナーベイトのブレードについてどの程度、理解してるんだ?

 

田辺哲男のスピナーベイト道場:ダブルコロラド
丸いブレードがふたつ並んだダブルコロラドタイプ


田辺哲男のスピナーベイト道場:ダブルウイロー
細長いブレードがふたつのダブルウイロータイプ


田辺哲男のスピナーベイト道場:タンデムウイロー

コロラドとウイローリーフが前後に並ぶタンデムウイロータイプ


  
b_y3 一般的に、ウイローリーフは波動が弱くてフラッシング重視、同じ番手のコロラドはフラッシングが弱くて波動重視、インディアナはふたつの中間的な性格のブレードです。
 
 
b_s4 ウイローリーフはクリアウォーターで効いて、コロラドはマッディーウォーターで効くという印象があります。
 
 
 
b_t02田辺 うん。まぁ、それくらいの理解度でも充分だよ。ただ、キミらの答えの落ち度は、〝ウイローリーフは水を掻く力が弱い〞と決めつけてるとこだな。それは一概にそうではない。
 
 
b_t06田辺 そ・こ・が! ……何て言うのかな、作り手としてはある意味キモだから……、言いたくないよ(笑)。でも、そうじゃないんだよ。頼むよ。わかってくれよ。
 
 
b_y2 すみません、わかりません(笑)。何が〝そうじゃない〞んでしょうか。
 

 
b_t01田辺 じゃあ、もうちょい言うよ。ウイローリーフも〝開けば〞波動が出せる。コロラドも〝閉じれば〞波動が消える。形状で一概に言えないというのがそこだ。
 

 
b_y4 カップが深ければ回転半径が狭くなって波動が弱くなり、カップが浅ければブレードの回転半径が広がって波動が強くなる、ということですか? Vブレードはまさにそうだから、ウイローリーフなのにフラッシングだけじゃなくて波動も強烈ですよね。
 
 
b_t04田辺 それ、自分で気づいたのか? わかってるな。
 

 
y6 ……。
 

 
b_t02田辺 何? どうしたんだよ?
 

 

b_y2 いや、田辺先生に褒められるとは……。
 

 
b_t01田辺 正しいことは正しいと言うよ。それとも何か? 俺が褒めることはしないとでも思ってたか? オ・マ・エ・なぁ〜。まぁ、いいよ。キミが言ったのも正解のひとつ。でも、それだけじゃないんだよ。カップの深さだけで〝ブレードの開閉〞や〝波動の強弱〞が決まるわけじゃない。
 

田辺哲男のスピナーベイト道場:コロラドブレード、インディアナブレード、ウィローリーフブレード。各ブレードタイプ解説
しか~しッ!! これはあくまでも「このような傾向がある」という話だ。たとえばクリスタルSディーパーレンジは“開く”性格のVブレードを搭載しているのに、実際に引いてみると明らかに“閉じて”いる。つまり、エンジンは同じでも、それを載せる車体やセットアップの仕方によって、車の性格や性能が変わるのといっしょ。だ から田辺先生は「カップの深さだけで“ブレードの開閉”や“波動の強弱”が決まるわけじゃない」と話すのだ。


 
b_s4 田辺先生はどういう性能をねらってVブレードを設計されたんですか?
 

 

b_t01田辺 スピナーベイトのスピナーベイトたる性能っていうのは〝いかに魚を引っ張れるか〞ってこと。それを最前列に押し出して作ったのがVブレードなんだよ。
 
 
b_y3 スピナーベイトの性能はブレードのよし悪しで決まるんでしょうか。
 

 
b_t01田辺 当たり前だな。「スピナーベイトにとってのブレードっていうのは、車でいうところのエンジン」なんだから。
 

 
b_y4 Vブレードは高馬力エンジンということになりますよね。
 

 
b_t04田辺 そう。ほかのブレードと比べて、同サイズでの高馬力化をねらった。それが回転して生まれる強烈な波動とフラッシングで魚を引っ張って引っ張って、さぁ、食うぞという距離感になったときにバスが見ると、ブレードも全体のシルエットも食いごろサイズ。だからよく釣れる、と。クリスタルSシリーズは、Vブレードというエンジンがあってこそのスピナーベイトなんだよ。
 
田辺哲男のスピナーベイト道場:b_t_prof田辺先生の答⑤
ブレードはスピナーベイトのエンジン。
開いて回るものは波動が強く、閉じて回るものは弱い。
が、例外もある。
 

 
 

田辺哲男先生からの問⑥
スピナーベイトのブレードのカラーはどう選ぶ? 〝自分基準〞はあるか?


 
b_s4 ゴールドは派手、シルバーはナチュラルに感じるので、濁ってるところではゴールド、クリアなところではシルバーと使い分けてます。
 
 
b_y2 あとは〝晴れたらシルバー、曇りや雨ならゴールドが有効〞ということも言われてますけど、釣り場ではあまり気にしてません……。
 
 
b_t02田辺 なら言うな。本当のところを言えよ。
 

 
b_y2 はうっ……、リヤブレードがゴールドの物から投げ始めて、ダメならシルバーを試してみるくらいです。フロントブレードの色は正直、気にしてません。
 
 
b_t01田辺 バッチリじゃん。それが正解って意味じゃないよ。「〝自分の基準や好み〞を持ってる」という意味でね。ブレードに限らず、ルアーのカラーについては〝こうならこう〞と言い切るには考えるべき要素が多すぎる。
 
 
b_t01田辺 たとえば同じ〝濁り〞にしても、流れてくるベイトを伴った濁り、濁り始めなのか澄み始めなのか、ターンオーバーが絡んでるのか、雨が原因なのか風なのか、バンクの質は泥か岩か……、というふうに細分化される。〝濁り〞だけでこうなんだから、ほかの要素まで考えたら組み合わせは何百通りになるんだよ、と。
 
 
b_y3 マニュアル化できるもんじゃない、と?
 

 
b_t01田辺 そういうこと。自分のなかでこの色は派手、それよりも地味なのがこの色と決まってればいい。スカートの色についても同じだよ。
 
 
b_s4 カラーブレードの効果はどうなんでしょうか。ベタ塗りのチャートとかホワイトはフラッシングが弱い分、アピール力はゴールドやシルバーと変わらないように思うんですけど。
 
 
b_t01田辺 ベタ塗りのブレードは、フラッシングがどうこうじゃなくて〝物体として目立つ強さ〞が特徴なんだよ。言ってみれば「カラーブレードっていうのは〝欲望の現われ〞」だな。
 
 
s2 〝欲望〞……ですか?
 

 
b_t01田辺 そう。濁って目立たせたいからカラーブレード、というふうに、マイナスの状況を打開するために選択するものじゃないんだよ。今、ゴールドやシルバーで釣れてる、と。だったらもっと目立たせたらどうなる? もっと釣れるんじゃないか、と。
 
 
b_t04田辺 そういうふうに欲望むき出しで使う。ハマったらゴールドやシルバーを超越するよ。早く数が釣れたり、目立つブレードに物おじしないバスを選べるからアベレージがデカくなったりね。
 
 
b_y3 シルバーの上にクリアレッドやクリアブルーのペイントがされているタイプの効果はどうなんですか?
 
 
b_t06田辺 正直、わかんないな。クリスタルSにはそういうカラーもラインナップしてた(※一部は現在も販売されている)けど、そうさせたのは俺の〝アングラーとしての色気〞だな。こんなカラーも効いちゃうかもね、と。とにかく〝両面ベタ塗り〞だよ、勝負カラーとして持っておくとしたらね。
 
田辺哲男のスピナーベイト道場:ホワイトブレード
“欲望”の両面ベタ塗りホワイトブレード(※現在は生産されていない)
田辺哲男のスピナーベイト道場:レッドブレード
かつてラインアップされていた“色気”のレッドブレード。現行品のカラーブレードには、ガンメタがある
 
 
田辺哲男のスピナーベイト道場:b_t_prof田辺先生の答⑥
自分のなかで派手な色、地味な色を整理しておくのが大事だ。
 


……次回,田辺哲男のスピナーベイト道場:第4回「ウエイト、トレーラーフック、ロッド」


スピナーベイトの基礎から
季節や状況ごとの使い方まで映像で解説

 

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2016/06/02

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